2021/08/17

イ・ラン(이랑) - オオカミが現れた(늑대가 나타났다)

 

アーティスト:イ・ラン(이랑)
タイトル:オオカミが現れた
カタログ番号:SDDA-051
デジタル配信開始日(含:サブスクリプション):2021年8月23日
収録曲数:10曲

作詞・作曲:イ・ラン
プロデュース:イ・ラン、イ・デボン
演奏:イ・ラン(ボーカル、アコースティック・ギター)、イ・デボン(ベース、アコースティック・ギター、ウクレレ、コーラス、ピアノ、エレクトリック・ギター、シンセサイザー)、イ・ヘジ(チェロ、ピアノ)、ユ・ヘミ(コーラス)、キム・ヨンフン(ドラムス)、メ・ジウク(ベース)、カン・ジョンホ(ドラムス)、チョン・ジュンヨブ(ウクレレ、シンセサイザー)、オンニ・クワイア(合唱)、廣川毅(コーラス)
録音:イ・デボン、チュン・ハクジュ
ミックス:イ・デボン、大城真
マスタリング:大城真

価格(BandcampMinna Kikeruほか):1,500円(アルバム)、150円(曲)
登録プラットフォーム:Apple MusicSpotifyiTunesAmazon MusicBandcampMinna KikeruレコチョクOTOTOYYouTube Musicmusic.jpmoraKKBOXほか
*CD/LPのリリースも、この後、予定していますので、どうぞお楽しみにお待ちください。詳細が決まり次第、ご案内いたします。

私の友達はみんな貧乏です
この貧しさについて考えてみてください
それはそのうち あなたにもふりかかかるでしょう
この土地には衝撃が必要です
「オオカミが現れた」より


イ・ランの音楽をはじめて聴いたとき、まるで川のようだと思った。満々と水をたたえて、その中で生きているものたちがいて、そしてどこかへ向かって流れているのだ。

/いがらしみきお(漫画家)

イ・ランは話す。無理やり隠した心を、希望の見えない世代を、目立たない人を、静かな一日に訪れる哀歓を、泣きたくて泣いたと語る表情を。やさしい声ではっきりと話す。それはイ・ランの話であると同時に誰かの話だ。私は、イ・ランの歌を最後まで歌ったことがない。悲しくて泣きたくなり、口をつぐんでただ歌を聴いているだけだ。この瞬間、黙って生きていた私を見る。他人の声を聞いてはじめて自分がどれほど汚れているかを知る。放っておけば清らかなふりをする泥水の姿で生きていたことを、上がったり下がったりするメロディで向き合う。 

イ・ランの歌は聴く者を慰めるようなものではないが、聴いていると自分が真っ先に慰められることになる。このような錯覚が起こるとき、涙ぐんでいた力が私の一日を照らす。明日は自分の顔をよく見よう、死ぬほど悲しいときは死ぬほど泣こうと誓う。過去の私と今日の私が、ともによく生きていくことを望むなど傲慢だろうか。イ・ランの歌が流れる瞬間だけでも、私は欲張りでいたい。「よく聞いていますよ」という言葉は、聞き手がやっと見つけた挨拶だ。よく聞いていると言う気持ちは、だからずっと話してほしいという願いだ。

/イム・ジーナ(漫画家/エッセイスト)


名作『神様ごっこ』から5年、イ・ランのオリジナル・サード・アルバムがついに完成!
他者の言葉に耳を傾け、その心の中を想像/創造するイ・ランからの対話の糸口。

現在も続くコロナ・ウイルスの世界的パンデミックの中、一時は制作が途切れていたイ・ランのサード・アルバムが、2021年の夏、ついに完成しました。タイトルは『オオカミが現れた』。昨年にデジタルで発表した「患難の世代」、さらに本年8月にリリースされた7インチ・シングル収録曲「ある名前を持った人の一日を想像してみる」と、いくつかの曲は先行でリリースされていますが、近年のライブ・パフォーマンスでも重要な役割を担ってきた曲も含め、全10曲を収録した堂々たるアルバムがついに姿を現わします。

 性の多様性とフェミニズムを支援する合唱団、オンニ・クワイア(Unnie Choir)が参加する冒頭の「オオカミが現れた」とクロージングの「患難の世代(Choir Ver.)」をブックエンドにして挟み込むような構成で、イ・ランが関心を持ち続ける声=歌の表現をアカペラに宿した「対話」や、シンフォニックなアンビエント・トラックにシリアスな語りを浮かべた「意識的に眠らないと」などの新たな音楽的パレットをアクセントに、先述した既発表曲以外にも一聴してイ・ランだとわかる、あの風のようなメロディは本作でも聴く者の耳を吹き抜け、そしてその耳を捉えて離さないでしょう。これら楽曲の充実度こそ、このサード・アルバムで達成した第一の高みです。

 異なる声を合わせること、そして、その声に耳を澄ませ、反応すること、ささいなことでも疑問を呈すること、いたずらに答えを求めず、むしろ問いかけ続けること。泣くこと、笑うこと、卑屈になること、惨めになること、それでも新しい一日がはじまること……。ここにあるひとりの人間の物語は、きっと聴く者自身の物語への呼び水となるに違いありません。

 前作から5年、イ・ランの新しい歌声と言葉がまた、誰でもない誰かこそいちばん特別なのだということに気づかせてくれるでしょう。タイトル曲で歌われる「あなたの土地に必要な衝撃」を、あなたの場所に見つけてください。「オオカミが現れた」という大きな呼びかけ、これが、イ・ランの3枚目のオリジナル・アルバムです。

曲目
1. オオカミが現れた
2. 対話
3. よく聞いていますよ
4. 患難の世代
5. パンを食べた
6. 意識的に眠らないと
7. 何気ない道
8. パクカン・アルム 
9. ある名前を持った人の一日を想像してみる
10. 患難の世代(Choir Ver.)


イ・ラン(이랑):韓国ソウル生まれのマルチ・アーティスト。2012年にファースト・アルバム『ヨンヨンスン』を、2016年に第14回韓国大衆音楽賞最優秀フォーク楽曲賞を受賞したセカンド・アルバム『神様ごっこ』をリリースして大きな注目を浴びる。その他、柴田聡子との共作盤『ランナウェイ』、ライブ・アルバム『クロミョン~Lang Lee Live in Tokyo 2018~』、デジタル・シングル「患難の世代」、7インチ「ある名前を持った人の一日を想像してみる/イムジン河」を発表。さらに、エッセイ集『悲しくてかっこいい人』(2018)、コミック『私が30代になった』(2019)、短編小説集『アヒル命名会議』(2020)を本邦でも上梓し、その真摯で嘘のない言葉やフレンドリーな姿勢=思考が共感を呼んでいる。