2019/05/17

続 イ・ランと柴田聡子のランナウェイ・ツアー


 2016年11月に全国7都市7公演を敢行し、その後、共作ミニアルバム『ランナウェイ』へと実った韓国のイ・ラン、日本の柴田聡子による双頭ツアー第二弾のお知らせです。

 今回は前回ツアーにも帯同したイ・ランの右腕、イ・ヘジ(チェロ)だけでなく、ウリチパン郡や三田村管打団?、新作リリース間近のトンチトリオにMOON FACE BOYSのメンバーとして知られるカメイナホコをサポートに加えた特別編成で、前回以上にスペシャルなパフォーマンスを披露してくれる予定です。

 前回のツアーは全公演ソールドアウト、今回のツアーは2公演のみとなりますので、前売りチケットの手配/お席のご予約はお早めにどうぞ。販売/予約受付開始は2019年5月25日(土)午前10時からとなります。

続 イ・ランと柴田聡子のランナウェイ・ツアー
Lang Lee and Satoko Shibata Run Away Tour 2019

7月5日(金)大阪 旧桜ノ宮公会堂
大阪府大阪市北区天満橋1-1-1
出演:イ・ラン&柴田聡子 with イ・ヘジ+カメイナホコ
開場 6:30pm/開演 7:30pm
料金 4,000円(予約)/4,500円(当日)*ドリンク代別途/全席自由
共催・制作:カウアンドマウス
音響:西川文章
ご予約&お問合わせ:カウアンドマウスcowandmouse489@gmail.com|080-3136-2673)

7月6日(土)東京 草月ホール
東京都港区赤坂7-2-21
出演:イ・ラン&柴田聡子 with イ・ヘジ+カメイナホコ
開場 5:00pm/開演 6:00pm
料金 4,000円(予約)/4,500円(当日)*全席指定
制作:株式会社シブヤテレビジョン
音響:株式会社Flysound
チケット:e+(https://eplus.jp/runaway/

*両公演とも、イ・ラン、柴田聡子それぞれのソロ・セットもございます。
*チケット発売/予約受付開始は、両会場とも2019年5月25日(土)午前10時より。
両公演とも小学生以下のお子様は同伴者の膝上でしたら入場無料ですが、お席が必要であればご予約もしくはチケットが必要となります。

主催・企画:スウィート・ドリームス・プレス(info.sweetdreams@gmail.com
協力:合同会社アイデアルミュージック
招聘協力:OURWORKS合同会社


イ・ラン(이랑):韓国ソウル生まれのマルチ・アーティスト。2011年にシングル「よく知らないくせに」でデビュー。翌夏にファースト・アルバム『ヨンヨンスン』を、2016年に第14回韓国大衆音楽賞最優秀フォーク楽曲賞を受賞したセカンド・アルバム『神様ごっこ』をリリースして大きな注目を浴びる。2018年にはエッセイ集『悲しくてかっこいい人』、2019年にはコミック『私が30代になった』を上梓。その真摯で嘘のない発言やフレンドリーな姿勢、思考、行動が韓日両国でセンセーションとシンパシーを生んでいる。

柴田聡子(しばたさとこ):2010年より都内を中心に活動開始。2012年のファースト・アルバム『しばたさとこ島』をはじめ、『いじわる全集』、『柴田聡子』、『愛の休日』、そして本年リリースされた最新アルバム『がんばれ!メロディー』とコンスタントにオリジナル・アルバムをリリース。さらに2016年には初の詩集「さばーく」を発表し、第5回エルスール財団新人賞(現代詩部門)を受賞、詩人としても注目され、エッセイストとしても活躍中。鋭利でユーモラスな言語感覚が広く共感を呼んでいる。


イ・ランと柴田聡子
『ランナウェイ』
(1,600円+税)
2016年11月に敢行した双頭ランナウェイ・ツアーに実った甘い甘い果実、イ・ランと柴田聡子、韓日を渡って交歓した言葉とメロディの魔法。
作品詳細はこちら



2019/05/08

Chris Cohen - Chris Cohen


アーティスト:クリス・コーエン(Chris Cohen)
タイトル:クリス・コーエン(Chris Cohen)
カタログ番号:SDCD-045
発売日:2019年6月15日
収録曲数:11曲
パッケージ:A式紙ジャケット(シングル)/16pブックレット付属
ライナー・ノーツ:ロビン・ペックノールド(フリート・フォクシーズ)
歌詞対訳:mmm
価格:2,000円+税

ご予約はこちらから。

ディアフーフを離れ、着実にソロ・キャリアを積み上げるクリス・コーエン待望の3作目
苦悩と喪失の物語がサイケデリックに重なる、哀しみのソフト・ロック・アルバム。

 2年の歳月をかけて自身の生活の場である米ロスアンジェルス、リンカーン・ハイツの自宅とグレンデールのトロピコ・ビューティーで制作されたクリス・コーエン待望のサード・ソロ・アルバムを、ボーナス・トラックと盟友ロビン・ペックノールド(フリート・フォクシーズ)が手がけたライナー・ノーツを加えた特別仕様でスウィート・ドリームス・プレスからお届けします(米原盤:キャプチャード・トラックス)。

 ほぼ自身の多重録音で完成された過去2枚のアルバムと異なり、サックス奏者のケイシー・ヌードセンや映画音楽作家として知られるジェイ・イスラエルソン、共作者にディア・ノラのケイティ・ダヴィッドソンやザック・フィリップスら多彩なゲストが参加して、これまで以上に広がりのあるアンサンブルを実現した本作は、薄日が射すようなサイケデリックな音像と溶けるようなメロディーをたずさえ、ひときわ大きな高みへと到達しました。

 本作制作中のトピックとして、両親の離婚、とりわけ父親がゲイであることをカミングアウトしたことを彼も告白していますが、その苦悩と喪失の物語を半透明のレイヤーに重ねつつ、しかし本作は個人的な経験を乗り越えたコーエン自身の成長や人生への大きな眼差しが感じられるポジティブなシンガー・ソングライター・アルバムとして結実しました。

 レコード産業に携わる父親とブロードウェイ女優の母親を持つ恵まれた音楽環境もあり、幼少期から楽器を手にしてきた彼だけに、ゾンビーズやフリート・ウッドマックなど60~70年代のエッセンスは身についたもの。さらに彼はそこに魔法のツイストをかけ、桃源郷のような哀しみのソフト・ロック・アルバムをつくりあげます。インディー・ロックなるサブジャンルにくくられない、ポップ・ミュージックが本来たたえていた精巧さや尊さを本作からぜひ受け取ってください。

曲目
1. Song They Play
2. Edit Out
3. Green Eyes
4. Sweet William 
5. House Carpenter
6. Twice in a Lifetime
7. What Can I Do?
8. The Link 
9. Heavy Weather Sailing
10. No Time to Say Goodbye
11. In a Fable - As If Apart (Live at Cafe Oto, 5 September 2016)* 
*日本盤ボーナストラック


クリス・コーエン(Chris Cohen):2002〜06年にかけてディアフーフのメンバーだったことで知られる米ロスアンジェルス在住のシンガー・ソングライター。自身のリーダー・バンドであるザ・カーテンズやナチュラル・ドリーマーズ、クリプタサイズでも活動したほか、アリエル・ピンクやキャス・マックームス、ホワイト・マジックらの作品でもマルチ演奏家として客演。ソロとしては最新セルフタイトル作のほか、『Overgrown Path』と『As If Apart』の計3枚のアルバムをリリース。元ティーンエイジ・ファンクラブのジェラルド・ラヴ、フリート・フォクシーズのロビン・ペックノールド、マック・デマルコなど多くのアーティストから賞賛されている。



MOON FACE BOYS - クミス


アーティスト:MOON FACE BOYS(ムーン・フェイス・ボーイズ)
タイトル:クミス
カタログ番号:SDCD-043
発売日:2019年6月15日
収録曲数:8曲
パッケージ:E式紙ジャケット(シングル)/インサート付属
アートワーク:ダヴィン・ブレイナード(プリンセス・ドラゴン・マム)
デザイン:吉本栄
価格:1,800円+税

ご予約はこちらから。

京都を中心に活動を続けるインターナショナル・ポップ・シンジケートの一員
鴨川で採取されたひと粒の砂金のような、春の残り香ただようポップ・トリオ待望のデビュー。

 2000年代初頭の東京に開花したポップ・アンダーグラウンドの一員として精力的に活動したMY PAL FOOT FOOT。その1/2だった竹下慶が京都に活動の場を移し、新しく育んだ仲間との交遊が実を結んだMOON FACE BOYSのファースト・フル・アルバムがついに完成しました。つぶやくような歌い口がささやかなメロディーを生み、淡いアンサンブルが小雨を降らせていくマイクロ・ポップは、大げさなビッグプロダクションの音楽にはない、メンバーそれぞれの暮らしにある密やかで限りのない愉しみを伝えてくれることでしょう。

 録音の休憩中、ふと目に留まったマンションの回覧板にあった理事会長の珍しい名前からタイトルを採ったことからも、その生活感を窺いつつ、と同時に3人の知恵と工夫と経験を組したこのうららかなアンサンブルは、いまそこで小さな曲をつくり奏でることの切実さに裏打ちされています。エレクトリック・ギターの一音一音に在りし日のインディー・ポップ/ロックからのオーセンティシティを宿しながら、メンバーそれぞれ、これまでの多彩な活動でつちかった国産チェンバー音楽のオリジナルな境地を伝える豊かな余白と余韻がMOON FACE BOYSならでは。

 雨季の始まりのみずみずしさがしたたる「ストレンジフルーツデイズ」や、重なる歌声に頬染まる「パンのうた」、さらには要所要所に配された愛くるしいインストゥルメンタル・ピースも含めて、ふと口ずさみたくなる親近感、そして、リスナーひとりひとりに語りかけていくような小さなハートビート。『クミス』は、漆黒の中に赤々と灯るオブスキュア・ポップ、その格別なマル秘盤として、きっと手放せなくなるような魅力をたたえています。

曲目
1. エビス
2. ストレンジフルーツデイズ
3. コールドヒート
4. 南風
5. 美人豆
6. 丸亀 INN
7. パンのうた
8. 大銀杏


MOON FACE BOYS(ムーン・フェイス・ボーイズ):竹下慶、松本一晃(アラヨッツ、ann ihsaなど)、カメイナホコ(ウリチパン郡、三田村管打団?、トンチトリオなど)の3人が京都を拠点に活動をスタートしたポップ・アンサンブル。当初はテニスコーツが主宰するマジキックからのリリースで知られたMY PAL FOOT FOOTのメンバー、竹下慶の宅録ソロ・プロジェクトとして2000年より活動開始。竹下の京都移住をきっかけに色彩感のあるトリオへと編成と音楽性を拡張させている。80〜90年代に世界中で芽吹いたインディー・ミュージックの心意気を胸に、訥々とこぼれ落ちる竹下慶の詩情あふれるメロディーを松本一晃の繊細なドラムワーク、カメイナホコの技ありスパイシーな鍵盤さばきをからめた甘酸っぱいアンサンブルが受けとめる、とっておきのローカル・バンドとして愛されている。



2019/01/28

スウィート・ドリームス・プレスからのお知らせ


 SNSにも投稿していたのでご存知の方もいらっしゃると思いますが、先の1月1日に私の妻が息を引き取りました。東京のお正月らしい透き通るような晴天で、窓から外を見下ろすと初売りを待つ人たちが列をなしている、そんな穏やかな元日の午前中でした。彼女はスウィート・ドリームス・プレスから出してきたCDや書籍、フライヤーなど、そのほとんどを装幀したグラフィック・デザイナーでした。このレーベルが出してきたものに特別な肉体を与えてくれたのは、ほかならぬ彼女のおかげです。最近はインディペンデント・レーベルのことをブティック・レーベルと呼ぶそうですが、そのような趣味の良い路地を通り過ぎ、ひとつひとつの作品を大きな広場で手にとってもらえるものにしてくれたのは、30年間、プロのデザイナーを生業にしてきた彼女の矜持と手腕があってこそだったと思います。音楽は好きでしたが、とりたててマニアックなリスナーというわけではなかったので、だからこそそれぞれの作品はいかにも「それ風」のものにはなりませんでした。そのため「あまりインディ・レーベルっぽくない」と言われることもありましたが、それは僕らにとっては褒め言葉でした。

 昨年の3月に小脳の脳幹部分に腫瘍が見つかり、4月に摘出手術を受けると、膠芽種という悪性脳腫瘍だということがわかりました。平均生存期間は約1年、そういった情報はネットで検索すればいくつも得られましたが、彼女がどこまで調べていたかはわかりません。腫瘍それ自体よりも、むしろ妻を悩ませたのは手術前後から発現した身体の失調でした。右耳が聞こえなくなり、ついで右目と口角の右側を閉じることができなくなり、さらには身体の右側が震えて自由が効かず車椅子の生活に、また、食べたり飲んだりすることが大好きな彼女だっただけに口から飲み込めなくなって経管栄養になったことは、闘病する気持ちを削ぐ大きな一因だったことは想像に難くありません。それでも、毎日の生活の中でホッとさせてくれたり笑わせてくれたのは、最後まで気丈にふるまっていた彼女の方でした。

 なにか面白い話をしてと頼まれてもはぐらかし、髪をゴムでうまく束ねることもできず、不明瞭になった妻の言葉を解せないことも度々ありました。亡くなって4週間が過ぎた今でも、私は自分の頼りなさや面白みのなさ、勘の悪さ、狭量さ、冷たさを呪いながら、涙を流すこともできずに過ごしています。自営業なのを幸いに、ほぼ毎日、最期まで彼女と一緒に過ごせましたが、果たして本当に寄り添えたのだろうか。私が買い物や食事で外出している間、ベッドの上でひとり、彼女がなにを考えながら不自由な目で天井を見つめていたのか、今、私の胸を去来するのはそのことばかりです。

 それでも、10か月の闘病の間、大きな励ましやなぐさめとなったのは友人、知人たちのおかげでした。病院や自宅までお見舞いに訪れてくれた人たちや、通院の際にこころよく車で送迎してくれた仲間たち、そして9月に町田の簗田寺で開催した「eleven 〜スウィート・ドリームスの11〜」というイベントも、もともとは妻の治療費のためと有志の方にご提案いただいたものでした。妻が自分の病気を公表することを固辞したため、11という半端な数の周年イベントとなりましたが、出演者、スタッフの方々はじめお越しいただいた皆さん、本当にありがとうございました。ほかにもイ・ランが韓国ソウルでのコンサートの収益を寄付してくれ、タラ・ジェイン・オニールは仲間の音楽家に呼びかけて『Sweet』というコンピレーション・アルバムを、また、ブックギャラリーポポタムの大林さんには親しい美術作家とステッカー・セットをつくっていただき、みんなには本当にお世話になりました。皆さんがいなければ、彼女の最後の10か月はもっと苦しみに満ちた孤独なものになっていたと思います。そして、通夜/告別式に参列していただき、お供えをいただいた多くの人たちにも、この場を借りて心より御礼申し上げます。

 彼女がフリーランスになったときにつくった自慢のデスクはふたりが並んで座れる堂々としたものですが、今では椅子もなく、引っ越したままの状態で卓上も雑然としています。彼女の入院中、西調布に引っ越すまでこのデスクに並んでふたりで作業をしていたことを考えると、この10か月が不思議に思えますが、またこの机で仕事ができるようになるかどうか、今はまだわかりません。ひとりでできるのか、それとも誰かに協力を仰ぐのか、いずれにしても心細い再出発になりそうですが、11周年イベントに続き、年越しは無理かもしれないという医者の言葉に反して1月1日、それも午前11時15分に息を引き取ったことを考えると、彼女は意地になって私になにかを伝えてくれたような気もします。1からはじめること。そして、まずは恩返しから。彼女が最後まで心を砕いていたのはお見舞いへの返礼でした。

 最後になりましたが、東京女子医科大学病院の皆さま、調布東山病院と東山訪問看護ステーションの皆さまには、本当にお世話になりました。心から感謝しています。

 そしてカイちゃん、出会ってからの18年間どうもありがとう。そしてごめんなさい。あなたがいなくなってとても寂しいです。

福田順子(旧姓:甲斐)|駒澤装幀室
命日:平成三十一年一月一日 享年:満五十歳