2019/11/03

レイチェル・ダッド - Flux(フラックス)


アーティスト:レイチェル・ダッド(Rachael Dadd)
タイトル:Flux(フラックス)
カタログ番号:SDCD-049
発売日:2019年11月29日
収録曲数:12曲
パッケージ:A式紙ジャケット(シングル)/12pブックレット付属
特典:ボーナス・トラック1曲追加収録
歌詞対訳:喜多村純
価格:2,200円+税

ご予約の受付はこちらから。

UKの人気レーベル、メンフィス・インダストリーズへ移籍しての待望のニュー・アルバム。 自然と社会への眼差し、多彩なリズム・ワークとメロディメイクの妙が結び合う最高傑作。

 2008年より日本をたびたび訪れて隅々までツアーをして回り、日本人ミュージシャンとの数々のコラボレーションや交流を重ねたことから、その愛らしいキャラクターや、さらには美しい刺繍作品も含め、とりわけ日本国内ではファンの多い、UK、ブリストルを拠点とするシンガー・ソングライター、レイチェル・ダッド。彼女の6作目となる待望のニュー・アルバムは、ザ・ゴー!チームやトーキョー・ポリス・クラブ、フィールド・ミュージックといったインディー・ロック・アクトや、レイチェル・ダッド自身とも親交の深いロージー・プレインらのリリースで知られるUKの人気レーベル、メンフィス・インダストリーズよりリリースされるというビッグ・ニュースと共に届けらました。

 鳥のさえずりを思わせる細かなバンジョーのストラム、ブリティッシュ・トラッドやカンタベリー・ロックの血統を感じさせる田園世界……、彼女のトレードマークでもある音楽性はもちろん、前作『We Resonate』から大きく歩み寄った多彩なリズムワークへのアプローチや、クラリネットやサックス、フリューゲルホルン等の管楽器やピアノを加えたカラフルなアンサンブルは、本作の特別な輝きと流れ(Flux)の核心と言えるでしょう。

 プロデューサーにローラ・マーリングとの仕事で知られるマーカス・ハンブレットを迎え、エマ・ガトリルやケイト・ステイブルズといったなじみの面々だけでなく、ポーティスヘッドのジム・バーやロウ・チャイムズのロブ・ペンバートンといった強力な演奏家をバックに、いわゆる女性シンガー・ソングライター作品というステレオタイプなイメージを離れて大きくスケールアップした本作は、彼女の生活の中から生まれた問いかけやメッセージ、プロテストも浮かべ、じっくりと対峙して共に考えを深めていきたくなるような最高傑作として実を結びました。

曲目
1. Arrows
2. Cut My Roots
3. Beacon
4. Two Islands
5. Language of Water
6. Animal
7. Paleontologist
8. Super Moon Machine
9. Knot
10. Two Coiled Springs
11. Connected to the Rock
12. Archipelago(ボーナス・トラック)


レイチェル・ダッド(Rachael Dadd):英ファーナム出身のシンガー・ソングライター。2004年より拠点をブリストルに移し、ディス・イズ・ザ・キットことケイト・ステイブルズとのホエールボーン・ポーリーやウィグ・スミスとのザ・ハンドといったサイド・プロジェクトも開始、ブリティッシュ・フォークの可憐な超新星として注目を集める。2011年の『Bite The Mountain』、2014年の『We Resonate』と、近作アルバムではより緻密なリズム・ワークを取り入れ、と同時に確固としたアーティスト性と真摯なメッセージをあらわにしている。近年は尾道(日本)とブリストル(イギリス)で1年の半分ずつを過ごし、マグパイという手芸ブランドも手がけ、展示会やワークショップなど精力的に活動している。



2019/06/19

MOON FACE BOYS - Album Release Tour


アルバム『クミス』をリリースしたMOON FACE BOYSの3人が新作アルバムをたずさえ全国各地を回ります。と同時に、松本と東京ではshibata & asuna、神戸では加藤りまと、こちらも新作をそれぞれリリースしたアーティストたちとの合同リリース・パーティーと洒落こみました。どうぞ皆さま、3人のたおやかなアンサンブルと訥々とこぼれおちる歌声をお楽しみに。さらに各地で素敵な共演者、出店者などをお迎えしていますので、ぜひそれぞれの新作アルバムも各会場で手にとっていただけたらと思います。

shibata & asuna/MOON FACE BOYS Release Party
7月13日(土)松本 Give me little more.
長野県松本市中央3-11-7
出演:shibata & asuna、MOON FACE BOYS、Vapor On Curry
開場 5:30pm/開演 6:00pm
料金 2,000円(予約/当日とも)*ドリンク代別
予約:会場(give.melittlemore@gmail.com

MOON FACE BOYS /shibata & asuna Release Party
7月14日(日)東京・神保町 試聴室
東京都千代田区西神田3-8-5
出演:MOON FACE BOYS、shibata & asuna、アキツユコ
フード:potager
開場 5:30pm/開演 6:00pm
料金 2,500円(予約)/3,000円(当日)*1ドリンク+1スナック込み
予約:会場(http://shicho.org/2019/07/1event190714/

MOON FACE BOYS/加藤りま Release Party
7月20日(土)神戸 旧グッゲンハイム邸
兵庫県神戸市垂水区塩屋町3-5-17
出演:MOON FACE BOYS、加藤りま+ten tote、ゑでぃまぁこんタナカ村岡充
DJ:テニスコーツ
フード:喫茶ゆすらご
ほたほたろっと(占い):表家江泥
音響:稲田誠
開場 6:30pm/開演 7:00pm
料金 2,000円(予約)/2,500円(当日)
共催:塩屋音楽会
予約:会場(guggenheim2007@gmail.com


MOON FACE BOYS(ムーン・フェイス・ボーイズ):竹下慶、松本一晃(アラヨッツ、ann ihsaなど)、カメイナホコ(ウリチパン郡、三田村管打団?、トンチトリオなど)の3人が京都を拠点に活動をスタートしたポップ・アンサンブル。当初はテニスコーツが主宰するマジキックからのリリースで知られたMY PAL FOOT FOOTのメンバー、竹下慶の宅録ソロ・プロジェクトとして2010年より活動開始。竹下の京都移住をきっかけに色彩感のあるトリオへと編成と音楽性を拡張させている。80〜90年代に世界中で芽吹いたインディー・ミュージックの心意気を胸に、訥々とこぼれ落ちる竹下慶の詩情あふれるメロディーを松本一晃の繊細なドラムワーク、カメイナホコの技ありスパイシーな鍵盤さばきをからめた甘酸っぱいアンサンブルが受けとめるとっておきのローカル・バンドとして愛され、2019年6月、スウィート・ドリームス・プレスよりファースト・フル・アルバム『クミス』をリリースしている。


『クミス』(Sweet Dreams Press)


shibata & asuna(シバタ・アンド・アスナ):鳥取のtori labelからリリースしていたドリーム・ポップ・デュオ、ボルゾイのトラック・メイカーとして知られ、東京移住後はさまざまな音楽家とのセッションを経て現在はマヘル・シャラル・ハシュ・バズやマコメロジー、ロスドロンコスなどで活動する長谷川真子との縄文系エレクトロ・ポップ・ユニット、nan!ka?(ナニカ)の1/2である電子音楽家、shibataと、古いオルガンを主軸に色とりどりの楽器やエレクトロニクスによる作品を発表し、近年は「100 KEYBOARDS」や「100 TOYS」などの作品を海外20か国以上で演奏/展示しているASUNAのふたりによるお茶の間的コタツ・セッション・デュオ。aotoaoやWhite Paddy Mountainからのアルバムを経て、2019年7月には新作ミニ・アルバム『Doeru Park』をMOON FACE BOYSの竹下慶が主宰するGo To Bed! Recordsからリリースすることが決まっている。

『Doeru Park』(Go To Bed! Records


加藤りま(Rima Kato):学校の授業で初めて手に取ったギターをきっかけとして、高校生の時にストロオズを結成、自主レーベルでカセットを発売し、ミディ・クリエイティブからデビュー。その後約10年のブランクを経てソロ活動をスタートさせ、2012年にミニ・アルバム「Harmless」をao to aoより、2015年には初のフル・アルバム『Faintly Lit』をflauより発表し、シャロン・ヴァン・エッテンやジュリー・ドワロン、マウント・イアリといった訪日アーティストのオープニング・アクトも務めてきた。なお、2019年にはクリスティーナ・ロセッティが1893年に書いた詩とその本の装丁に着想を得た10インチ・レコード『Sing-Song』をリリースしている。

『Sing Song』(flau

イ・ラン - クロミョン(그러면)~ Lang Lee Live in Tokyo 2018 ~


アーティスト:イ・ラン(이랑)
タイトル:クロミョン(그러면)~ Lang Lee Live in Tokyo 2018 ~
カタログ番号:SDCD-046
発売日:2019年7月15日→7月25日
*当初は7月15日の予定でしたが、インサート掲載の歌詞のダウンロードリンクが無効になっていたため急遽インサートを差し替えることとなりました。その作業に時間がかかるためリリース日を新しく7月25日とさせていただきます。何とぞご容赦くださいませ。なお、7月3日からのイ・ランの来日公演の各会場(金沢、大阪、東京)でご購入された方には新しいインサートをお送りしますので「info.sweetdreams@gmail.com」までインサート希望の旨とご住所をお送りください。この度はご迷惑をおかけして誠に申し訳ございません。
収録曲数:19曲
パッケージ:縦型デジパック(CD2枚収納)/インサート付属
アートワーク:廣川毅
価格:2,500円+税

ご注文はこちらからどうぞ。

イ・ランの真髄。ラヴとライフ、ファミリーとフレンズの2枚組ライブ・アルバム
2018年3月、5人編成のパワフルなバンド・セットでの東京公演をノーカット収録。

 エッセイやコミックも含めて、今、最も注目を集める韓国のマルチ・アーティスト、イ・ラン。シンガー・ソングライターとしても長く活動してきた彼女にとって初のホール公演となった2018年の東京、ひらつかホールでの2時間超の公演を、ユーモラスでヒューマンなトークを交えてCD2枚組に完全収録したライブ・アルバムが完成しました。

 SoundCloudにアップされている人気曲「患難の世代」や、2018年初頭にYouTubeに公開されたビデオが大きな話題を呼んだ「イムジン河」のカバー。さらには柴田聡子との共作盤『ランナウェイ』に収録されていた「何気ない道」をはじめ、ファースト・アルバム『ヨンヨンスン』と傑作セカンド・アルバム『神様ごっこ』からの曲を散りばめたベスト・オブ・ベストなセットリストも格別。冒頭、固唾を呑むような緊張感を孕んでいた客席が、イ・ランの気取らないやりとりをとおして徐々に心をときほぐされ、最後に大きな熱狂へと達する感動的なパフォーマンスをご堪能いただけます。

 もちろん、バックに陣取る4人組バンドの存在感も特筆もの。イ・ランの右腕としておなじみのチェリスト、イ・ヘジはもちろん、DJとしての活動でも知られるユ・ヘミ、クアン・プログラムの豪腕ドラマー、キム・ヨンフンとソリミュージアムのベーシスト、イ・ジョンウのパワフルなリズム・セクション。そんな精鋭たちのグルーヴとハーモニーを背に受けたイ・ランの歌声が空を突き抜け、オーディエンスを揺さぶっていく様が眼に浮かぶ生々しい仕上がりとなりました。

 笑いあり涙あり、さらに諧謔も社会への問いかけもある。人間イ・ランひとりだけの親しみやすさや深度だけでなく、聴衆一人ひとりの心が大きく燃え上がっていく圧倒的なドキュメンタリー作品とも言えるイ・ランの最新作です。

Dics A
1. 平凡な人
2. ピイピイ
3. 日記
4. 世界中の人々が私を憎みはじめた
5. 家族を探して
6. ヨンヨンスン
7. 君のリズム
8. 食べたい
9. ラッキーアパート 
10. 物語の中へ

Disc B
1. 東京の友達
2. 悲しく腹が立つ
3. 患難の世代
4. 神様ごっこ
5. 私はなぜ知っているのですか ~ 笑え、ユーモアに
6. 私がもし神様だったら
7. 何気ない道
8. イムジン河
9. 良い知らせ、悪い知らせ

写真:三田村亮

イ・ラン(이랑):韓国ソウル生まれのマルチ・アーティスト。2012年にファースト・アルバム『ヨンヨンスン』を、2016年に第14回韓国大衆音楽賞最優秀フォーク楽曲賞を受賞したセカンド・アルバム『神様ごっこ』をリリースして大きな注目を浴びる。2019年には柴田聡子との共作盤『ランナウェイ』を発表。さらに、2018年にはエッセイ集『悲しくてかっこいい人』を、2019年にはコミック『私が30代になった』を本邦でも上梓。その真摯で嘘のない発言やフレンドリーな姿勢、思考、行動が韓日両国でセンセーションとシンパシーを生んでいる。



2019/05/17

続 イ・ランと柴田聡子のランナウェイ・ツアー


 2016年11月に全国7都市7公演を敢行し、その後、共作ミニアルバム『ランナウェイ』へと実った韓国のイ・ラン、日本の柴田聡子による双頭ツアー第二弾のお知らせです。

 今回は前回ツアーにも帯同したイ・ランの右腕、イ・ヘジ(チェロ)だけでなく、ウリチパン郡や三田村管打団?、新作リリース間近のトンチトリオにMOON FACE BOYSのメンバーとして知られるカメイナホコをサポートに加えた特別編成で、前回以上にスペシャルなパフォーマンスを披露してくれる予定です。

 前回のツアーは全公演ソールドアウト、今回のツアーは2公演のみとなりますので、前売りチケットの手配/お席のご予約はお早めにどうぞ。販売/予約受付開始は2019年5月25日(土)午前10時からとなります。

続 イ・ランと柴田聡子のランナウェイ・ツアー
Lang Lee and Satoko Shibata Run Away Tour 2019

7月5日(金)大阪 旧桜ノ宮公会堂
大阪府大阪市北区天満橋1-1-1
出演:イ・ラン&柴田聡子 with イ・ヘジ+カメイナホコ
開場 6:30pm/開演 7:30pm
料金 4,000円(予約)/4,500円(当日)*ドリンク代別途/全席自由
共催・制作:カウアンドマウス
音響:西川文章
ご予約&お問合わせ:カウアンドマウスcowandmouse489@gmail.com|080-3136-2673)

7月6日(土)東京 草月ホール
東京都港区赤坂7-2-21
出演:イ・ラン&柴田聡子 with イ・ヘジ+カメイナホコ
開場 5:00pm/開演 6:00pm
料金 4,000円(予約)/4,500円(当日)*全席指定
制作:株式会社シブヤテレビジョン
音響:株式会社Flysound
チケット:e+(https://eplus.jp/runaway/

*両公演とも、イ・ラン、柴田聡子それぞれのソロ・セットもございます。
*チケット発売/予約受付開始は、両会場とも2019年5月25日(土)午前10時より。
両公演とも小学生以下のお子様は同伴者の膝上でしたら入場無料ですが、お席が必要であればご予約もしくはチケットが必要となります。

主催・企画:スウィート・ドリームス・プレス(info.sweetdreams@gmail.com
協力:合同会社アイデアルミュージック
招聘協力:OURWORKS合同会社


イ・ラン(이랑):韓国ソウル生まれのマルチ・アーティスト。2011年にシングル「よく知らないくせに」でデビュー。翌夏にファースト・アルバム『ヨンヨンスン』を、2016年に第14回韓国大衆音楽賞最優秀フォーク楽曲賞を受賞したセカンド・アルバム『神様ごっこ』をリリースして大きな注目を浴びる。2018年にはエッセイ集『悲しくてかっこいい人』、2019年にはコミック『私が30代になった』を上梓。その真摯で嘘のない発言やフレンドリーな姿勢、思考、行動が韓日両国でセンセーションとシンパシーを生んでいる。

柴田聡子(しばたさとこ):2010年より都内を中心に活動開始。2012年のファースト・アルバム『しばたさとこ島』をはじめ、『いじわる全集』、『柴田聡子』、『愛の休日』、そして本年リリースされた最新アルバム『がんばれ!メロディー』とコンスタントにオリジナル・アルバムをリリース。さらに2016年には初の詩集「さばーく」を発表し、第5回エルスール財団新人賞(現代詩部門)を受賞、詩人としても注目され、エッセイストとしても活躍中。鋭利でユーモラスな言語感覚が広く共感を呼んでいる。


イ・ランと柴田聡子
『ランナウェイ』
(1,600円+税)
2016年11月に敢行した双頭ランナウェイ・ツアーに実った甘い甘い果実、イ・ランと柴田聡子、韓日を渡って交歓した言葉とメロディの魔法。
作品詳細はこちら



2019/05/08

Chris Cohen - Chris Cohen


アーティスト:クリス・コーエン(Chris Cohen)
タイトル:クリス・コーエン(Chris Cohen)
カタログ番号:SDCD-045
発売日:2019年6月15日
収録曲数:11曲
パッケージ:A式紙ジャケット(シングル)/16pブックレット付属
ライナー・ノーツ:ロビン・ペックノールド(フリート・フォクシーズ)
歌詞対訳:mmm
価格:2,000円+税

ご注文はこちらからどうぞ。

ディアフーフを離れ、着実にソロ・キャリアを積み上げるクリス・コーエン待望の3作目
苦悩と喪失の物語がサイケデリックに重なる、哀しみのソフト・ロック・アルバム。

 2年の歳月をかけて自身の生活の場である米ロスアンジェルス、リンカーン・ハイツの自宅とグレンデールのトロピコ・ビューティーで制作されたクリス・コーエン待望のサード・ソロ・アルバムを、ボーナス・トラックと盟友ロビン・ペックノールド(フリート・フォクシーズ)が手がけたライナー・ノーツを加えた特別仕様でスウィート・ドリームス・プレスからお届けします(米原盤:キャプチャード・トラックス)。

 ほぼ自身の多重録音で完成された過去2枚のアルバムと異なり、サックス奏者のケイシー・ヌードセンや映画音楽作家として知られるジェイ・イスラエルソン、共作者にディア・ノラのケイティ・ダヴィッドソンやザック・フィリップスら多彩なゲストが参加して、これまで以上に広がりのあるアンサンブルを実現した本作は、薄日が射すようなサイケデリックな音像と溶けるようなメロディーをたずさえ、ひときわ大きな高みへと到達しました。

 本作制作中のトピックとして、両親の離婚、とりわけ父親がゲイであることをカミングアウトしたことを彼も告白していますが、その苦悩と喪失の物語を半透明のレイヤーに重ねつつ、しかし本作は個人的な経験を乗り越えたコーエン自身の成長や人生への大きな眼差しが感じられるポジティブなシンガー・ソングライター・アルバムとして結実しました。

 レコード産業に携わる父親とブロードウェイ女優の母親を持つ恵まれた音楽環境もあり、幼少期から楽器を手にしてきた彼だけに、ゾンビーズやフリート・ウッドマックなど60~70年代のエッセンスは身についたもの。さらに彼はそこに魔法のツイストをかけ、桃源郷のような哀しみのソフト・ロック・アルバムをつくりあげます。インディー・ロックなるサブジャンルにくくられない、ポップ・ミュージックが本来たたえていた精巧さや尊さを本作からぜひ受け取ってください。

曲目
1. Song They Play
2. Edit Out
3. Green Eyes
4. Sweet William 
5. House Carpenter
6. Twice in a Lifetime
7. What Can I Do?
8. The Link 
9. Heavy Weather Sailing
10. No Time to Say Goodbye
11. In a Fable - As If Apart (Live at Cafe Oto, 5 September 2016)* 
*日本盤ボーナストラック


クリス・コーエン(Chris Cohen):2002〜06年にかけてディアフーフのメンバーだったことで知られる米ロスアンジェルス在住のシンガー・ソングライター。自身のリーダー・バンドであるザ・カーテンズやナチュラル・ドリーマーズ、クリプタサイズでも活動したほか、アリエル・ピンクやキャス・マックームス、ホワイト・マジックらの作品でもマルチ演奏家として客演。ソロとしては最新セルフタイトル作のほか、『Overgrown Path』と『As If Apart』の計3枚のアルバムをリリース。元ティーンエイジ・ファンクラブのジェラルド・ラヴ、フリート・フォクシーズのロビン・ペックノールド、マック・デマルコなど多くのアーティストから賞賛されている。



MOON FACE BOYS - クミス


アーティスト:MOON FACE BOYS(ムーン・フェイス・ボーイズ)
タイトル:クミス
カタログ番号:SDCD-043
発売日:2019年6月15日
収録曲数:8曲
パッケージ:E式紙ジャケット(シングル)/インサート付属
アートワーク:ダヴィン・ブレイナード(プリンセス・ドラゴン・マム)
デザイン:吉本栄
価格:1,800円+税

ご注文はこちらからどうぞ。

京都を中心に活動を続けるインターナショナル・ポップ・シンジケートの一員
鴨川で採取されたひと粒の砂金のような、春の残り香ただようポップ・トリオ待望のデビュー。

 2000年代初頭の東京に開花したポップ・アンダーグラウンドの一員として精力的に活動したMY PAL FOOT FOOT。その1/2だった竹下慶が京都に活動の場を移し、新しく育んだ仲間との交遊が実を結んだMOON FACE BOYSのファースト・フル・アルバムがついに完成しました。つぶやくような歌い口がささやかなメロディーを生み、淡いアンサンブルが小雨を降らせていくマイクロ・ポップは、大げさなビッグプロダクションの音楽にはない、メンバーそれぞれの暮らしにある密やかで限りのない愉しみを伝えてくれることでしょう。

 録音の休憩中、ふと目に留まったマンションの回覧板にあった理事会長の珍しい名前からタイトルを採ったことからも、その生活感を窺いつつ、と同時に3人の知恵と工夫と経験を組したこのうららかなアンサンブルは、いまそこで小さな曲をつくり奏でることの切実さに裏打ちされています。エレクトリック・ギターの一音一音に在りし日のインディー・ポップ/ロックからのオーセンティシティを宿しながら、メンバーそれぞれ、これまでの多彩な活動でつちかった国産チェンバー音楽のオリジナルな境地を伝える豊かな余白と余韻がMOON FACE BOYSならでは。

 雨季の始まりのみずみずしさがしたたる「ストレンジフルーツデイズ」や、重なる歌声に頬染まる「パンのうた」、さらには要所要所に配された愛くるしいインストゥルメンタル・ピースも含めて、ふと口ずさみたくなる親近感、そして、リスナーひとりひとりに語りかけていくような小さなハートビート。『クミス』は、漆黒の中に赤々と灯るオブスキュア・ポップ、その格別なマル秘盤として、きっと手放せなくなるような魅力をたたえています。

曲目
1. エビス
2. ストレンジフルーツデイズ
3. コールドヒート
4. 南風
5. 美人豆
6. 丸亀 INN
7. パンのうた
8. 大銀杏


MOON FACE BOYS(ムーン・フェイス・ボーイズ):竹下慶、松本一晃(アラヨッツ、ann ihsaなど)、カメイナホコ(ウリチパン郡、三田村管打団?、トンチトリオなど)の3人が京都を拠点に活動をスタートしたポップ・アンサンブル。当初はテニスコーツが主宰するマジキックからのリリースで知られたMY PAL FOOT FOOTのメンバー、竹下慶の宅録ソロ・プロジェクトとして2010年より活動開始。竹下の京都移住をきっかけに色彩感のあるトリオへと編成と音楽性を拡張させている。80〜90年代に世界中で芽吹いたインディー・ミュージックの心意気を胸に、訥々とこぼれ落ちる竹下慶の詩情あふれるメロディーを松本一晃の繊細なドラムワーク、カメイナホコの技ありスパイシーな鍵盤さばきをからめた甘酸っぱいアンサンブルが受けとめる、とっておきのローカル・バンドとして愛されている。




2019/01/28

スウィート・ドリームス・プレスからのお知らせ


 SNSにも投稿していたのでご存知の方もいらっしゃると思いますが、先の1月1日に私の妻が息を引き取りました。東京のお正月らしい透き通るような晴天で、窓から外を見下ろすと初売りを待つ人たちが列をなしている、そんな穏やかな元日の午前中でした。彼女はスウィート・ドリームス・プレスから出してきたCDや書籍、フライヤーなど、そのほとんどを装幀したグラフィック・デザイナーでした。このレーベルが出してきたものに特別な肉体を与えてくれたのは、ほかならぬ彼女のおかげです。最近はインディペンデント・レーベルのことをブティック・レーベルと呼ぶそうですが、そのような趣味の良い路地を通り過ぎ、ひとつひとつの作品を大きな広場で手にとってもらえるものにしてくれたのは、30年間、プロのデザイナーを生業にしてきた彼女の矜持と手腕があってこそだったと思います。音楽は好きでしたが、とりたててマニアックなリスナーというわけではなかったので、だからこそそれぞれの作品はいかにも「それ風」のものにはなりませんでした。そのため「あまりインディ・レーベルっぽくない」と言われることもありましたが、それは僕らにとっては褒め言葉でした。

 昨年の3月に小脳の脳幹部分に腫瘍が見つかり、4月に摘出手術を受けると、膠芽種という悪性脳腫瘍だということがわかりました。平均生存期間は約1年、そういった情報はネットで検索すればいくつも得られましたが、彼女がどこまで調べていたかはわかりません。腫瘍それ自体よりも、むしろ妻を悩ませたのは手術前後から発現した身体の失調でした。右耳が聞こえなくなり、ついで右目と口角の右側を閉じることができなくなり、さらには身体の右側が震えて自由が効かず車椅子の生活に、また、食べたり飲んだりすることが大好きな彼女だっただけに口から飲み込めなくなって経管栄養になったことは、闘病する気持ちを削ぐ大きな一因だったことは想像に難くありません。それでも、毎日の生活の中でホッとさせてくれたり笑わせてくれたのは、最後まで気丈にふるまっていた彼女の方でした。

 なにか面白い話をしてと頼まれてもはぐらかし、髪をゴムでうまく束ねることもできず、不明瞭になった妻の言葉を解せないことも度々ありました。亡くなって4週間が過ぎた今でも、私は自分の頼りなさや面白みのなさ、勘の悪さ、狭量さ、冷たさを呪いながら、涙を流すこともできずに過ごしています。自営業なのを幸いに、ほぼ毎日、最期まで彼女と一緒に過ごせましたが、果たして本当に寄り添えたのだろうか。私が買い物や食事で外出している間、ベッドの上でひとり、彼女がなにを考えながら不自由な目で天井を見つめていたのか、今、私の胸を去来するのはそのことばかりです。

 それでも、10か月の闘病の間、大きな励ましやなぐさめとなったのは友人、知人たちのおかげでした。病院や自宅までお見舞いに訪れてくれた人たちや、通院の際にこころよく車で送迎してくれた仲間たち、そして9月に町田の簗田寺で開催した「eleven 〜スウィート・ドリームスの11〜」というイベントも、もともとは妻の治療費のためと有志の方にご提案いただいたものでした。妻が自分の病気を公表することを固辞したため、11という半端な数の周年イベントとなりましたが、出演者、スタッフの方々はじめお越しいただいた皆さん、本当にありがとうございました。ほかにもイ・ランが韓国ソウルでのコンサートの収益を寄付してくれ、タラ・ジェイン・オニールは仲間の音楽家に呼びかけて『Sweet』というコンピレーション・アルバムを、また、ブックギャラリーポポタムの大林さんには親しい美術作家とステッカー・セットをつくっていただき、みんなには本当にお世話になりました。皆さんがいなければ、彼女の最後の10か月はもっと苦しみに満ちた孤独なものになっていたと思います。そして、通夜/告別式に参列していただき、お供えをいただいた多くの人たちにも、この場を借りて心より御礼申し上げます。

 彼女がフリーランスになったときにつくった自慢のデスクはふたりが並んで座れる堂々としたものですが、今では椅子もなく、引っ越したままの状態で卓上も雑然としています。彼女の入院中、西調布に引っ越すまでこのデスクに並んでふたりで作業をしていたことを考えると、この10か月が不思議に思えますが、またこの机で仕事ができるようになるかどうか、今はまだわかりません。ひとりでできるのか、それとも誰かに協力を仰ぐのか、いずれにしても心細い再出発になりそうですが、11周年イベントに続き、年越しは無理かもしれないという医者の言葉に反して1月1日、それも午前11時15分に息を引き取ったことを考えると、彼女は意地になって私になにかを伝えてくれたような気もします。1からはじめること。そして、まずは恩返しから。彼女が最後まで心を砕いていたのはお見舞いへの返礼でした。

 最後になりましたが、東京女子医科大学病院の皆さま、調布東山病院と東山訪問看護ステーションの皆さまには、本当にお世話になりました。心から感謝しています。

 そしてカイちゃん、出会ってからの18年間どうもありがとう。そしてごめんなさい。あなたがいなくなってとても寂しいです。

福田順子(旧姓:甲斐)|駒澤装幀室
命日:平成三十一年一月一日 享年:満五十歳