2014/12/06

James Wallace Japan Tour 2014


 ジェイムズ・ウォーレスという耳慣れない名前のシンガー・ソングライターのことを教えてくれたのは、数年前に敦賀に住んでいたアンディ・ジェンキンズくんでした。彼は日本に来る前にはグレイト・ホワイト・ジェンキンスというバンドを今では人気者になったSSWのマシュー・E・ホワイトと組んでいたり、また、地元米バージニア州リッチモンドでとても面白そうなギャラリーのキュレーションをしていたりー ースウィート・ドリームス・プレスがアメリカのアーティスト/コミック作家のロン・リージー・Jrの冊子(これ)をだしたのも彼にそそのかされてのことだったりーー、と、なかなかの曲者だったわけですが(でも見た目は冴えない浪人生風)、その彼からある日メールで「ジェイムズ・ウォーレスという友達が日本に行くのだがライブのブッキングをしてくれないか?」とのお達しが。大体僕らがやっているような小さなライブはこんな風にして始まることが多いのですが、今回もまたそうやってスタートしたのでした。多分、同じように神戸のライブも、京都のライブも決まったのでしょう。

 そして、そのジェイムズ・ウォーレスさんのことを調べていくうちに、いろんな「!」が頭の中で鳴ったわけでした。擬音をつけるなら「ピンポーン!」でも「ビンゴ!」でも「ガチョーン!」でも、とにかく「ワオワオ!」です。というわけで、こうやってスウィート・ドリームス・プレスのサイトで正式に告知するのも昨日の今日どころか今日の今日で申し訳ありませんが、とにかく本日から3日間、彼の日本ツアーが始まります。もし、あなたの行動範囲内にジェイムズ・ウォーレスが侵入したら、ぜひ捕まえにきてください。きっと彼も捕まえ甲斐のある素晴らしいパフォーマンスを魅せてくれることでしょう。各公演、趣向を凝らしてお待ちしております。


James Wallace in Septima
12月6日(土)立川 ギャラリー・セプチマ
東京都立川市柏町3-8-2
出演:ジェイムズ・ウォーレス、T.V. not Januaryoono yuuki池間由布子
開場 6:00pm/開演 6:30pm
料金 2,000円
予約:ギャラリー・セプチマ(galleryseptima@gmail.com)、スウィート・ドリームス・プレス(info.sweetdreams@gmail.com


Tiny Song Festival-James Wallace Japan Tour in Kobe-
12月7日(日)神戸 スペースオー
神戸市中央区元町通2-6-10ミナト元町ビル3F
出演:ジェイムズ・ウォーレス、ラヴラヴスパークMoon Face Boyshatonoband
開場 6:00pm/開演 6:30pm
料金 1,500円(予約)/1,800円(当日)
予約:sukima industriessukimaindustries@gmail.com



ADVENT! ADVENT! ユーゲ、冬のおたのしみ会〜「ナッシュビルから来た男」篇
12月8日(月)京都 ユーゲ(075-723-4707)
京都市左京区下鴨松原長4-5
出演:ジェイムズ・ウォーレス、もしもしと三匹の毛虫、mississippi
歌とギター、紙芝居や人形劇などなど。飛入り歓迎。
開場 7:30pm/開演 8:00pm
投げ銭



もし監獄に入れられて音楽でケンカするはめになったら、ぜひとも味方にしておきたい。ジェイムズ・ウォーレスはそんなヤツなんだ。賢くて器用で少し向こう見ず。どこからともなくやってきて、尖らせたスプーンで背中を突き刺していくような曲。百科全書的会計士の知能とストリートに暮らす狂ったホームレス男の洞察力でウォーレスは曲をつくるんだ。 /RVA Magazine(米ヴァージニア州リッチモンドの無料カルチャー誌)



ジェイムズ・ウォーレス(James Wallace)について少し

1984年10月6日、米ヴァージニア州リッチモンド生まれ。そのとき2マイル先のリッチモンド・コロシアムではグレイトフル・デッドが「Going to Hell in a Bucket」を演奏してたとかしてなかったとか。2002年7月の雨の日の朝、大事にしていたピーウィー・ハーマンの人形の声が出なくなったのをきっかけにリッチモンドを離れ、4年後にテネシー州ナッシュビルへ到着。彼の地で6人編成のバンド、ネイキッド・ライトを組織し、中国語通訳として働き、また、そのことが縁になったのだろう、東洋音楽をブルーグラスに融合させた異色クロウハンマー・バンジョー奏者として評価著しいアビゲイル・ウォッシュバーンの2009年の中国ツアーにバンドの一員として同行したりもしている。

 ちなみにそのツアー中、北京の小さなインディー・レーベル、タグ・チームから同レーベルがリリースするカセット・シリーズの1本に誘われ、アメリカに帰国後に制作したアルバムが2009年にリリースしたファースト・アルバム『I Smile All Day I Smile All Night』以来となる『More Strange News From Another Star』だった。プロデューサーはヴァージニア州リッチモンドでソウル〜ファンク〜ゴスペル新解釈派として知られるスペースボム・クルーの顔役、マシュー・E・ホワイト。このセカンド・アルバムは2010年4月に完成するが、しかし、そのときレーベルは既に閉鎖していたというオチがついてしまう。

 その後、ザ・ネイキッド・ライトを従えてのツアーやボナルー・フェスティバル出演など旺盛な活動を経て、『More Strange News From Another Star』は2012年4月にリッチモンドのダイアローグ・レコーズからリリースされている。

 さて、特にこの『More Strange News From Another Star』は、ジェイムズ・ウォーレスのテンダーな歌い口や、アフリカ音楽、ラテン、ゴスペルなど多彩な影響の消化の様子でポール・サイモンが引き合いに出されたりもしているが、いやいや、このアルバムはそんな簡単なものでもないだろう。ここにある音楽の幅広さ、若さや血の熱さ、センチメンタリズムやロマンチシズム、エキゾチシズムを物語化することの見事な手腕、音楽の厚みや歴史のまとめ方等々は、今後ジェイムズ・ウォーレスと彼のザ・ネイキッド・ライトが、スフィアン・スティーブンスやマーキュリー・レヴ、レッド・レッド・ミート〜キャリフォン、アンドリュー・バード、オーウェン・パレット、ボン・イヴェール、キャス・マッコームス、アイアン&ホワイト、オカヴィル・リヴァーといった先達たちと肩を並べる存在となることをどこかで証明しているのではなかろうか。……なんて大言壮語に響くかもしれないが、でもなにかしでかしてくれそうな、そんな予感が彼の音楽からはムンムンと香ってくるのでありました。ぜひ、実際にあなたの目と耳で確かめてみてください。ジェイムズ・ウォーレス、のちに語り草となりそうな初のジャパン・ツアーです。