2013/08/21

Pop Brothers from Glasgow World Premiere Tour in Japan


ダグラス・T・スチュワート(BMXバンディッツ)+ユージン・ケリー(ヴァセリンズ)+ノーマン・ブレイク(ティーンエイジ・ファンクラブ)のジャパン・ツアー2013

こちらがまず今回のツアーの発起人のダグラスさん(の若きころ)

 いつも友達と道ばたにいる変わり者のお兄さん、ヘッドフォンで耳を塞ぐシャイな同級生、仲間内のスラングでパブを揺らすおどけ者……、そんな、どこにでもいる顔見知りがはじめた音楽が世界中で愛されることがあります。


BMXバンディッツの最新アルバム『In Space』より、
シングルカットされた「All Around the World」

 1985年、スコットランド、グラスゴー近郊の町ベルズヒルの音楽ファンがはじめたBMXバンディッツもそのひとつでした。そしてそこから、ヴァセリンズやボーイ・ヘアドレッサーズ〜ティーンエイジ・ファンクラブといったバンドが次々と生まれていきます。こうして彼らと、その仲間たちのバンドが発見した「とびきりのアイデア」——それは、いわゆる「インディー・ポップ」のひな形として世界中の音楽ファンの耳をうるおし、「なにかやってみたいな」と思っていた子どもたちに楽器を手に取らせ、たとえ稚拙でも何物にも代えがたい自分なりの歌をうたわしめました。もちろん今でもその精神は多くの若者たちに受け継がれています。

そしてユージンと言えばヴァセリンズ
(右はフランシス・マッキー、BMXバンディッツの前身=プリティ・フラワーズのメンバーだった

 さて、2008年以来4度目となるBMXバンディッツの来日ツアーが今秋に決定しました。し・か・も(!)、今回はバンドの中心人物であるダグラス・T・スチュワートに加え、世界初のスペシャル編成としてヴァセリンズのユージン・ケリーとティーンエイジ・ファンクラブのノーマン・ブレイクが帯同します! イエス! 世界中に大きなスマイル・マークを手渡してきたスコットランドが誇るポップ三兄弟が日本で結集、というわけです。

 ユージン、ノーマン、それぞれのソロ・セットもまじえ、つまり、これぞポップ・グラスゴーの神髄と言えそうなライブ・パフォーマンスとなることは必至。一粒で三度おいしい、さらに各地各公演の共演バンドを含め何度でもどこでも楽しめるダグラスとユージンとノーマンのジャパン・ツアー2013、二度とないこの機会にようこそ!

で、ティーンエイジ・ファンクラブ!
(ノーマンはプリティ・フラワーズ時代からダグラスの良きパートナーです)


10月18日(金)東京・渋谷 オ・ネスト(03-3462-4420)
東京都渋谷区円山町2-3-6F
出演:ダグラス・T・スチュワート(BMXバンディッツ)、ユージン・ケリー(ヴァセリンズ)、ノーマン・ブレイク(ティーンエイジ・ファンクラブ)、ayU tokiOKETTLES
開場 7:00pm/開演 7:30pm 料金 4,000円(前売)/4,500円(当日)*ドリンク代別
チケット:会場、ローソン・チケット(Lコード:73317)、e+
予約:スウィート・ドリームス・プレス

10月19日(土)東京・下北沢 富士見丘教会
東京都世田谷区代沢2-32-2(京王・小田急線下北沢駅下車徒歩8分)
*会場への直接のお問い合わせはご遠慮ください
出演:ダグラス・T・スチュワート(BMXバンディッツ)、ユージン・ケリー(ヴァセリンズ)、ノーマン・ブレイク(ティーンエイジ・ファンクラブ)、テニスコーツ
開場 4:30pm/開演 5:00pm 料金 3,500円(予約)/4,000円(当日)
*本公演のご予約は予定枚数を終了しました。悪しからずご了承ください。

10月20日(日)東京・渋谷 7th FLOOR(03-3462-4466)
東京都渋谷区円山町2-3-7F
出演:ダグラス・T・スチュワート(BMXバンディッツ)、ユージン・ケリー(ヴァセリンズ)、ノーマン・ブレイク(ティーンエイジ・ファンクラブ)、PLECTRUM
映画:ライブ前に『Serious Drugs』(ダグラス・T・スチュワートとBMXバンディッツのドキュメンタリー映画)を午後5時より上映します(約90分)。
開場 4:30pm/映画上映 5:00pm/開演 7:00pm 料金 4,000円(予約)/4,500円(当日)
*本公演のご予約は予定枚数を終了しました。悪しからずご了承ください。

10月22日(火)松本 ALECX(0263-38-0050)
松本市深志1-2-8 NOVAビルB1
出演:ダグラス・T・スチュワート(BMXバンディッツ)、ユージン・ケリー(ヴァセリンズ)、ノーマン・ブレイク(ティーンエイジ・ファンクラブ)、クルーズ・アンド・コーズ
開場 7:00pm/開演 7:30pm 料金 3,500円(予約/当日)/学生 2,000円(学生証など証明となるものを持参ください)*1ドリンク込み
予約:nami to kaminamitokami@yahoo.co.jp)、スウィート・ドリームス・プレス
*事情により会場が「hair salon 群青」から「ALECX」に変更になりましたのでご注意ください。

10月23日(水)名古屋 Live & Lounge Vio(052-737-7739)
名古屋市中区新栄2-1-9 flexビルB2
出演:ダグラス・T・スチュワート(BMXバンディッツ)、ユージン・ケリー(ヴァセリンズ)、ノーマン・ブレイク(ティーンエイジ・ファンクラブ)、GALLOW(日高央ソロセット a.k.a. THE STARBEMS / ex. BEAT CRUSADERS
開場 7:00pm/開演 7:30pm 料金 3,800円(予約)/4,300円(当日)
予約:miette-oneスウィート・ドリームス・プレス

10月24日(木)大阪 コンパス(06-6243-1666)
大阪市中央区東心斎橋1-12-20 シキシマビルB1F
出演:ダグラス・T・スチュワート(BMXバンディッツ)、ユージン・ケリー(ヴァセリンズ)、ノーマン・ブレイク(ティーンエイジ・ファンクラブ)、Hi, how are you?
開場 7:00pm/開演 7:30pm
料金 3,800円(予約)/4,300円(当日)*ドリンク代別
チケット:会場、ローソン・チケット(Lコード:58430)、e+
予約:スウィート・ドリームス・プレス

10月25日(金)京都 アバンギルド(075-212-1125)
京都府京都市中京区木屋町三条下ル ニュー京都ビル3F
出演:ダグラス・T・スチュワート(BMXバンディッツ)、ユージン・ケリー(ヴァセリンズ)、ノーマン・ブレイク(ティーンエイジ・ファンクラブ)、Homecomings
開場 7:00pm/開演 7:30pm
料金 3,800円(予約)/4,300円(当日)*ドリンク代別
予約:会場、スウィート・ドリームス・プレス

newpop #7
10月26日(土)浜松 ZOOT HORN ROLLO(053-458-1388)
静岡県浜松市中区成子町56
出演:ダグラス・T・スチュワート(BMXバンディッツ)、ユージン・ケリー(ヴァセリンズ)、ノーマン・ブレイク(ティーンエイジ・ファンクラブ)、ryohadano
開場 6:30pm/開演 7:00pm
料金 3,000円(予約)/3,500円(当日)*ドリンク代別
*本公演のご予約は予定枚数を終了しました。悪しからずご了承ください。

すべての会場のチケット予約はスウィート・ドリームス・プレス(info.sweetdreams@gmail.com)でも承っております。お名前、希望日、枚数を送信ください。当日、前売り料金にてご入場いただけます。

協力:はしもとさゆり、富士見丘教会(東京・下北沢)、Fly-sound(東京・下北沢)、コマツヒロホ(東京・渋谷)、ao to ao(松本)、藤沢千史(松本)、sone records(浜松)

Scottish Pop Brothers: Norman Blake, Eugene Kelly and Duglas T Stewart.
BMXバンディッツのマスターマインド、ダグラス・T・スチュワートからこんな素敵な一文が届きました。
本ポストの結びとして紹介しておきましょう。

I met Norman Blake in 1969 in our home town of Bellshill. We became best friends some years later as teenagers when we discovered we had a mutual passion for the music of Orange Juice. In 1983 we met Eugene when we were all teenagers and we bonded over music and films that we liked. Since then we've had lots of musical adventures together and apart. All three of us have been members of BMX Bandits and Eugene made a single with Norman using the name of The Famous Monsters.

All these years later we still share our passion for music and although we're decades older we're in someways still like teenagers. Our shared experiences and dreams through music has given us a bond that feels closer and stronger than just friends, We have become like brothers, part of a musical family.
This tour is an opportunity to do something unique and fun together. We're coming to Japan to experience a country that we all love together and to perform each other's songs together. We've never done any shows like this anywhere before. This tour is unique. I hope we'll see you there and we'll have fun times together with you.

Duglas August 2013

ノーマン・ブレイクと出会ったのは1969年、ふたりが住んでた(スコットランドの)ベルズヒルでのことだった。僕らはその後、オレンジ・ジュースへの情熱という共通項を見つけて親友になった。1983年に僕らがユージンと知り合ったときはみんな十代で、好きな音楽と映画で仲良くなったんだ。それ以来一緒にやったこともそれぞれでやったことも含めて、僕らは随分多くの音楽的冒険をしてきた。僕ら3人はみんなBMXバンディッツのメンバーで、ユージンはノーマンとザ・フェイマス・モンスターズっていう名前でシングルをつくったこともある。

そういったひと時代が過ぎても僕らは音楽への情熱を共有し続けている。みんな歳をとっちゃったけど未だに十代のころと同じようなんだ。音楽を通して経験したこと、そしてその愛があったからこそ、僕らは単なる友達以上に近しく強く結ばれたんだろう。僕らはすっかり音楽という家族の兄弟みたいなんだ。このツアーは3人で何か特別で楽しいことを一緒にできる良い機会になるんじゃないかな。僕らみんなが愛している場所を3人で経験し、お互いの曲を3人で演奏するため日本に行くんだ。ほかのどんな場所でもこんな形でライブをやったことはないし、このツアーだけだよ。あなたと会うこと、そして最高の時間を共に過ごせることを楽しみにしています。

ダグラス(2013年8月)

最後にユージン・ケリーとノーマン・ブレイクのフェイマス・モンスターズから「Summertime」を。

2013/08/12

三富栄治『ひかりのたび』特典CD-Rのお知らせ

写真:大野利洋

9月15日にリリースを控えている三富栄治のアルバム『ひかりのたび』ですが、既にお伝えしているとおり、スウィート・ドリームス・プレスからご予約・ご購入の方にはプレゼントを用意させていただきました。それは三富栄治のライブを収めた1枚のCD-Rです。よくある特典? いやいや、これが特典にしておくにはもったいない1枚になっているんです。

で、どういう内容かというと、まず…。

1)ことしの6月に立川のギャラリー・セプチマで開催された三富栄治の演奏会(こちら)の模様がほぼ丸ごと入っています。「ほぼ」というのは、演奏を間違えた1曲を除いてすべてを収めた、ということです。計13曲、収録時間約60分。ボルゾイのshibataくんもエレクトロニクスで客演していて、また、当日は三富くんが出演している映画『TRAIL』を監督した波田野州平くんの映像もバックに流されていました(上の写真みたいに)。なので、ちょっとそういう空気も音を通して伝わってくるかもしれません。


shibataくんはASUNAくんとSHIBATA & ASUNAとしても活動中。セカンド・アルバム『Empty Park』がASUNAくんのレーベル、ao to aoからリリースされています。こちらに詳しい記事あり。

そして…。

2)当日の録音からミックス、マスタリングまで、昨年リイシューされた傑作アルバム『Retrospective』や、Amephone's attcという最高にクールなロックステディ〜レゲエ・バンドでの活動も話題のAMEPHONEさんが手がけていること! まるでその場にいるような音場もぜひ堪能いただけたらと思います。


ああ、いいなあ…。多幸感あふれるセプチマでのAmephone's attc(撮影:波多野州平)

さらに…。

3)名刺サイズのカードではありますが、上の写真を使ったジャケットもつけます。そこに写る当日の演奏模様をとらえてくれたのは写真家でもある音楽家オロロトリヒロくん。ソロだけでなく、風通しのよいチルドレンズ・ミュージック・バンド、COINNのメンバーとしても活動しています。ぜひこちらもチェックしてみてください。


三富栄治が出演している映画『TRAIL』のトレイラー。
『ひかりのたび』のジャケット・アートを手がけた山口洋祐、詩を寄せる藤本徹も出演しています。

というわけでタイトルはシンプルに「ギャラリー・セプチマの三富栄治」と題した1枚のCD-Rですが、まずはこちらのスウィート・ドリームス・プレスのメイル・オーダーでご予約いただいた方にお送りします。また、アルバム『ひかりのたび』をお取り扱いいただくお店の一部でもお買い上げの際におつけできる予定です。それがどこのお店かというのは、またあらためてお知らせします。

収録曲の中にはアルバム『ひかりのたび』に入っている曲もたくさん収録されています。ここにあるエレクトリック・ギターの独奏(+α)から、どうやってアルバムの室内楽アンサンブルのアレンジに発展していったのか、そんなことを想像するのも面白いでしょうし、また、もともと三富くんの音楽のファンだった方にとっては、こちらにあるギターの独奏こそかねてから親しんできた耳なじみのあるものかもしれません。

というわけで『ひかりのたび』と『ギャラリー・セプチマの三富栄治』、どちらもぜひご一緒にお楽しみいただければと思います。ご予約方法についてはこちらのポストにあるPayPalの「Add to Cart」ボタンをクリックしていただくか、銀行振込をご希望の方は「info.sweetdreams@gmail.com」まで1)お名前、2)郵便番号+住所、3)ご自宅の電話番号、4)ご購入希望商品のカタログ番号(SDCD-016)、5)個数をお知らせいただければ、追ってこちらから振込先口座等を記した確認メールを送信いたします。

スウィート・ドリームス・プレスへのメール・オーダー、特典付きご協力店でのご購入、どちらにしても枚数はごくごく限られていますので、どうぞお早めに。それではご予約お待ちしております!

2013/08/10

Amazonでの作品取り扱いについて


 さて、急な話ではありますが、ずっと考えていたことがあります。スウィート・ドリームス・プレスは、9月15日にリリースを予定している三富栄治のアルバム『ひかりのたび』からAmazonで作品を販売しないことに決めました。

 Amazonという通販サイトは僕も利用しますし、特に反感を持つものではありません。朝に注文するとその日の夜に届くこともあって、その度に「スゴいもんだなあ」と感心させられます。なにしろ便利だし、言うまでもなく助けられている人は多いでしょう。
 スウィート・ドリームス・プレスの商品も、ディストリビューターの株式会社ブリッジを通して、そのほとんどの作品をAmazonで買えるようにしてきました。お客さんの手に入りやすくするためにはひとつでもチャンネル数は多いほうがいいだろうと考えて、今では毎月、ディストリビューターからの売り上げの3分の1から半分ぐらいがAmazonからのものになりました。そんなに大した額ではないですが、だけど、それがなくなると生活に困るぐらいの額にはなっています。でも、今後スウィート・ドリームス・プレスはAmazonに作品を流すのをやめることにしました。

 それにはいくつかの理由があります。まずひとつ目、ことしの3月に出したGofishの7インチ・シングル「レコード/いと」は、デザイン上の要請があってバーコードを入れなかったので、そのため必然的にAmazonには流れませんでした。すると、個人経営のレコード店からいつも以上に注文が入ったり、しかもその多くの場合とても熱のこもったコメントを書いて紹介してくださったり、また、特典みたいなものはつけなかったにもかかわらず直接レーベルにご予約・ご注文いただいたお客様も多くて、これはAmazonを通さなかったからというよりも(実際、Amazonに流さない旨をこちらから各小売店にアナウンスすることはありませんでした)、もちろん第一にGofishとその音楽の力、もしくは7インチというフォーマットの特色もあるとは思いますが、そのときの手応えや喜びみたいなものを、もう少し突き詰めていきたいなということ。
 レーベルとしては単純にチャンネルのひとつとして考えていたAmazonですが、いつの間にかそのせいで全体のチャンネルの数や幅を減らしていたのではないか。そんなことを「レコード/いと」をリリースした前後から考えていたのでした。

 また、3年前にスフィアン・スティーヴンスと彼が運営するアズマティック・キティ・レコーズがAmazonの過剰なディスカウント販売についての声明を出していたことも頭に残っていました。スフィアンのアルバム『The Age of Adz』がAmazonで発売と同時に極端な廉価で販売される予定になっているらしい(それはもちろんAmazonがその作品を目玉商品のひとつと考えていることなので悪い話だとは思わない人もいるでしょう)。そんな情報がレーベルの耳に入ったことに続けて「安く売れば、それだけ多くの人に聴いてもらえる。多くの人にスフィアンの音楽とその素晴らしいアルバムを紹介できる」と思いつつも「我々のアーティストがつくり上げた作品は一杯のカフェラテより高くたっていいのではないか。彼らがレコードにこめた技術、愛情、時間、そしてプロモーションやディストリビューションにはもっと高い価値を置かれてしかるべきだ」と相反した気持ちにあることを告白して、具体的な(レーベルにとっての)適正価格を示し、できれば他の店や手段で買うことをほのめかすなど、問題提起をした事件です。

 もちろん、こういったディスカウント販売はAmazon側の企業努力の一環でしょうし、レーベル側にしても卸値を大きく下げさせられるなど商品を買いたたかれたわけでもないでしょう。それにしても、昔、CRASSのようなパンク・バンドがレコードに「pay no more than...(〜円以上払うべからず)」なんてステッカーを貼って必要以上に利益を乗せる小売店を牽制した時代から三十数年が経って、さて、今ここにある安さはとても複雑で貪欲なものになってしまいました。ちなみに、スウィート・ドリームス・プレスはそういうのがあまり得意ではありません。

 また、Amazonのリストにない本を集めて紹介するという、ユトレヒトの江口宏志さんらがやっている「nomazon」という仮想ブックショップの試みや、円盤の田口史人さんが自作の小冊子『ホワイトハウス〜オズディスクの全作品〜』の序文で書かれていた以下のような文章も念頭にありました。

「(略)100位まであるチャートだったら101位を聞いてみたいという気持ちだったのです。そして、その101位を示すことは、100位までしか認識されていない世界を常識と捉える人に対して何か一石投じられるのでは、というようなことを考えていたように思います」

 というわけで、なんでもある、なんでも揃っている、自分の知らないものも「この商品を買った人はこんな商品も買っています」とおすすめしてくれる便利なAmazonは僕も認めます。ですが、果たしてスウィート・ドリームス・プレスがいるべきはそこなんだろうか…。言ってみれば単なる個人レーベルですし、もとから脇道のほうに興味がありました。なんでもあるように思われているところこそ、なんでもあるわけじゃなかったりするのでは…。

「自分の知り合いの誰かが音楽をつくっている。そこが最高だったの」 ニキ・マックルーア(『Sweet Dreams』第2号より)

「好みとちがう、望みとちがう、面白いじゃない、面白いじゃない」(テニスコーツ「違相」より)

 もちろん、できればスウィート・ドリームス・プレスの立場に近い個人経営の小売店舗、苦境に立たされているレコード店で買ってほしいという思いもありますし、これを機にレーベルのメイル・オーダーであれバンドの物販テーブルからであれ、直接買ってもらえると非常に助かるという苦しい台所事情もあります。とにかく、直接買っていただいたりお問い合わせいただいたりしたほうが気が楽です。それも今回Amazonでの取り扱いを終了する大きな引き金のひとつでした。
 それにAmazonじゃなくたって、少し検索に時間をかけて吟味し、あと余分に数クリックするだけで同じものを手に入れることができるのです。それはスウィート・ドリームス・プレスのメイル・オーダーでもいいし、あなたの知らない他のレコード店のオンラインストアでも可能です。また、どこかお出かけのついでにスウィート・ドリームス・プレスの取り扱い店(こちらにリストがあります)に寄って「〜のCDありますか?」と訊いたり、そのぐらいの多少の手間があるというのも悪いことではないでしょう。むしろ、その手間が僕らや僕らの身の回りを動かしているのだということを忘れないためにも。

 なお、過去にリリースして既にAmazonで取り扱っていただいている旧譜、バックナンバーについても段階的に掲載データの削除を探っていく予定です。その際にはあらためてお知らせいたします。また、8月中を目標にスウィート・ドリームス・プレスのホームページからウェブストアを独立させてリニューアルしますので、その開店にもご期待いただければ幸いです。メイルオーダー限定のアイテムやお土産なども用意していますので、どうぞお楽しみに。

 それでは、今後ともスウィート・ドリームス・プレスをよろしくお願いします。ひとつの試み、ささやかな悪あがきとして、少しでも気に留めていただければこれ幸い、です。

2013/08/09

三富栄治 - ひかりのたび


アーティスト:三富栄治(みとみ・えいじ)
タイトル:ひかりのたび
カタログ番号:SDCD-016
発売日:2013年9月15日
収録曲数:11曲
パッケージ:ジュエル・ケース(4パネルの厚紙フロントカード)
アートワーク:山口洋祐
寄稿:藤本徹

定価:¥1,800+税
ご購入はこちらから
淡く郷愁をさそう室内楽アンサンブルという新境地に達した
官能と陰影のギタリスト、三富栄治の4thアルバム

写真:三田村亮

 たおやかなフルートのメロディからはじまる『ひかりのたび』は、しかし、勇気を振りしぼって不安を拭い、汗かきべそかき自分と対峙し、出会いがあり別れがあり、と、そのような局面をいくつも慈しむように見つめながら進みます。ほとんどの旅につきもののそのはじまりの心細さ、しかしそれもあとから振り返ればこれほど美しいものはないでしょう。思い出は甘美なもの、エレクトリック・ギターの独奏からはじまった主人公、三富栄治の記憶の底に光を当てれば、その周りをいま豊かな光ーーアンサンブルが包んでいるのが見えるかもしれません。

 竹村延和が主宰するチャイルディスクよりリリースした過去3枚のアルバムーー『Futuredays』(2003年)、『1st』(2005年)、『Planet』(2007年)ーーで、孤独なソロ・エレクトリック・ギター演奏(それこそローレン・マザケイン・コナーズやダグ・マッカムのブロークバックと比較されるような……)を披露してきた三富栄治ですが、本作では心機一転、triola、石橋英子やジム・オルーク、オオルタイチらのバンド・メンバーとして知られる波多野敦子(ヴァイオリン他)、GOMES THE HITMAN、NOA NOAの上野洋(フルート他)、NRQやsingo02歪曲楽団を支える服部将典(コントラバス)、トクマルシューゴやスッパバンドほかで大活躍中の岸田佳也(ドラムス他)といった手練の演奏家たちを招集して合奏する新境地に挑んでいます。

 トレードマークであるギターの独奏は2曲と控えめながら、コンポーザーとしての三富栄治の素晴らしさをこれほどよく伝える作品もないでしょう。昨年にはTEASIのメンバー(ベース)となり、演奏家として、また作曲家としてグッと幅を広げた音楽家が新たに踏み出した一歩、その新たな一歩の輝きに彼のこれまでの歩みが透けて見えるまるでひとりの人生のような作品、それが、この『ひかりのたび』です。

Tracks:
1. 風の舟
2. 蝶
3. 渡り鳥
4. 思い出
5. あたたかい夜
6. みずのワルツ
7. 再会
8. 小さな音楽会
9. ねむれいとしきひとよ
10. 天国の月
11. まちがい