2012/12/11

LE TON MITÉ - Kumokokudo


アーティスト:LE TON MITÉ(ル・トン・ミテ)
タイトル:クモコクド(雲国土)
カタログ番号:SDCD-013
発売日:2012年12月15日
収録曲数:37曲
パッケージ:A式紙ジャケ(シングル)+B3サイズ・ポスター仕様歌詞カード

定価:1,800円+税 *Sorry, This item is out of stock now.
マクラウド叔父さんが夢見る雲のユートピア
雲国土をめぐる37 のカラフルでキュートな傑作ショート・ショート集

1973 年、米アーカンソー州に生まれ、成長してワシントン州オリンピアの名門(迷門?)エバーグリーン・カレッジの門を叩き、Kレコーズキル・ロック・スターズ周辺の紳士たち(キャルヴィン・ジョンソンディアフーフフィル・エルヴラムカール・ブラウら)と邂逅、音楽と活版印刷の職人として名を上げるも、その後ベルギーに漂着してクラムド・ディスク勤務のかたわらホテル・ラスティークなるゲストハウス兼ギャラリー印刷工房を運営、ユーモラスなパフォーマンスとカラフルなファッションで世界を旅するマルチ・タレント、マクラウド・ズィクミューズのソロ・プロジェクト=ル・トン・ミテの最新作が、つ・つ・ついに完成しました! そのスジの方には知られている通り、2008 年と2010 年に来日してマヘル・シャラル・ハシュ・バズダルガリーズテニスコーツyumbo らとの交流を温めたマクラウド叔父、その経験と交歓は本作をして「雲国土」なるユートピアを夢想させたのでした。

時折、カタコトの日本語も織り交ぜながら、英語/仏語の歌詞をパパパッと開花させるキュートなアヴァン・ポップが何と37 曲。俳句のような短歌のような、お花見のようで流しそうめんのような、そしてお年玉のようで線香花火のような愛らしい楽曲たちは必ずやリスナーの心をパチンと軽快に弾くでしょう。ゲスト陣も日本ではウィンドベルが紹介しているアールト(ARLT)からエロイーズ・ドゥカーズ、ほかにもロンリー・ドリフター・カレンのマーク・メリア・ソルヴェリウスやオケ(Hoquets)のフランソワズ・シュルツなど、ベルギー~フランス界隈の新たなアヴァン・ポップの好サンプルにもなっています。

なお、このル・トン・ミテ、国内では2009 年にPWRFL Power こと野村和孝主宰のハーフ・ヨーグルト/プレーン・ヴィレッジがアルバム『21 Chansons』をリリースしたり、また、マクラウドさんは弊社刊『Sweet Dreams』のレギュラー寄稿者のひとりでもあります。この機会にお見知りおきを!

Tracks
1. Le Vent souffle donc les feuilles dansent
2. Le Pain
3. Pavillon
4. Carré
5. Go Yen
6. I Grec
7. Le Canard
8. Abricot d'argent
9. La Nuit avant le jour où on hurle le nom de la ville dans les rues
10. Institut franco-japonais du Kansai
11. Osmanthus Fragrans
12. The Bird
13. La Brèche
14. Caillou
15. Foire de poterie
16. Thermes
17. Les Nouilles
18. La Mer nous appelle
19. Bears
20. Ombrage
21. Personne n'a compris
22. Train à 5 heures
23. Volcan
24. Volcan (live)
25. Ganja
26. Une Histoire de la soupe
27. Aube
28. On était les dieux
29. Bises
30. Autel Rustique
31. Café Carré
32. Sanbesan
33. Nuit Blanche
34. Les Corbeaux et le feu de Saint-Elme
35. Le Dernier Jour
36. Le Vent (outro)
37. Les Frites



2012/12/07

マクラウド・サンタさんからの『クモコクド』特典発表!


ル・トン・ミテのアルバム『クモコクド(雲国土)』リリースも目前ですが、マクラウド・サンタさんからプレゼントが届きました! ご予約者の方、また、スウィート・ドリームス・プレスのメイルオーダー・サービスを利用して『クモコクド』を購入しようとお考えの方にまたとない朗報です。なんとマクラウドが自身のレーベル、ホテル・ラスティークからリリースした2アイテムを「CDを買ってくれた人にプレゼントしよう!」とのこと。


ひとつはCD版『クモコクド』の愛すべき邦訳盤とでも言うような7インチ。マクラウドとかねてより親交の深いとびきりの日本の5組がアルバム『クモコクド』収録曲からのカバーを寄せているコンピレーションです。yumbo工藤冬里さんが「La Breche」、川手直人さんが「Ombrage」、そして大谷直樹さんが「Caillou」を。さらにB面に裏返すと合唱隊のうんどらを迎えたテニスコーツが「Autel Rustique」を「まよっちゃか」として披露しています。オレンジ色の透明盤、さらにスリーヴは広げると大きなポスターに。オレンジと若草色の2色印刷もマクラウドらしい一品です。

スリーブは広げるとこのような大判ポスターになります。

そして「DECAZES/ZICMUSE」名義のカセットのほうは『La mer nous appelle』というタイトルで16曲収録、タイタニック号の沈没から100年の日に録音されたもののようです。本作もCD盤『クモコクド』とセットになる作品のようで(タイトル曲は『クモコクド』に収録されています)、ARLT(アールト)のエロイーズ・ドゥカーズとの共作となります。なお、ジャケットはマクラウド自ら1枚1枚活版で印刷したもの。これまたファン心をくすぐる一品です、よね。


と、どうですか皆さん! 余りに特典が豪華過ぎてちょっとためらっちゃったぐらいなんですが、マクラウドにもあらためてご意見うかがい、そしたら「やっぱりこの機会に『クモコクド』をぜひ手にとってもらいたいんだ!」というわけで、上記の2アイテムを特典としてお付けすることになったのでした。

アーティスト名:ル・トン・ミテ
タイトル:クモコクド(雲国土)特典付き
ご注文数が予定数に達しましたので受付を終了いたします。
発売日:2012年12月15日
カタログ番号:SDCD-013
価格:1,890円(本体1,800円)
パッケージ:A式紙ジャケット(シングル)
収録曲数:37曲

ただ、それぞれ数に限りがございます。というわけで最初の先着25名様には7インチとカセットをセットで、次の先着25名様(つまり26~50番目にご注文いただいた方)には7インチのみお付けします。最初の25名様、その次の25名様とも予定数に達しましたので受付を終了いたします。ありがとうございました!

ご予約/ご購入を希望される方は「info.sweetdreams@gmail.com」まで、1)お名前、2)郵便番号+ご住所、3)電話番号、3)ご希望の商品名、4)ご希望の枚数、5)希望のお支払い方法(指定の銀行口座へのお振込み、もしくは現金書留)をお知らせください。折り返し、スウィート・ドリームス・プレスより送金先などを添えた確認メールをお送りします。

また、PayPalをご利用の方は、上にある「Add to Cart」ボタンをご利用の上、通常のショッピング同様の方法でご送金ください。どちらも入金の確認をもってご予約成立とさせていただきます。もちろん、スウィート・ドリームス・プレスのほかの商品を併せてご購入いただくことも可能です。

なお、発送日ですが、実はマクラウドさん、今7インチのポスター・スリーブを1部1部頑張って折っているようです。多少、作業が遅れているようで発送が『クモコクド』のリリース日を過ぎてしまう可能性がございますので、あらかじめご了承ください。

では、ご予約・ご注文、じゃんじゃんお待ちしてます! メリー・クリスマス!

2012/12/06

ル・トン・ミテ(マクラウド・ズィクミューズ)のショート・インタビュー


マクラウド・ズィクミューズ、ひいてはル・トン・ミテについてこれ以上言葉を費やして説明するのも無粋ではありますが、彼のこれまでの歩みや思想を少しでもつかんでもらうために簡単なインタビューをしてみました。日本の音楽のこと、そしてこの度1枚のアルバムとしてまとまった「クモコクド(雲国土)」のこと、また音楽そのものについて彼の考えを端的に知る良い機会になればと。にしてもマクラウド、やっぱり面白い人だなあ。

■日本の音楽や文化に造詣が深いあなたですが、興味を持つようになったきっかけは? 2003年にマヘル・シャラル・ハシュ・バズが米西海岸ツアーを敢行しましたが、そのときに彼らと出会ったことも大きな契機のひとつだったのでしょうか?
□日本との最初の出会いは地図を通してだったね。子どものころ部屋中に地図を貼っていたんだ。日本やいろんな国、山や丘や湖の地理を思い浮かべながら何時間も過ごしたな。それにおじさんからの沖縄土産も。好奇心を誘う物、神秘的な物、宝石箱とか仮面とかね。つまり、そうやって子どものときから自分の内に種が植えられたんだね。
 で、十代になると音楽への興味が芽生えて、最初に耳なじんだ日本の音楽が坂本龍一がデヴィッド・シルヴィアンとやっている作品だった。それから図書館や何かで働くようになって日本の「伝統的な音楽」をもっと聴くようになって、日本の音楽は自分の音楽愛の大事な一部になっていったんだ。そしてまたそれは僕ら人間がどのように自分たちを表現するかについてのひとつの調査だった。すべてを備える文化などなく、自分たちの耳をアフリカ、アジア、アメリカ、ヨーロッパに大きく開くことで学べることが多くあるんだよね。
 日本のアンダーグラウンドのアーティストは知っていたし、オリンピアに住んでるときに日本の友達も数人できた。そういう点でも北西部の音楽シーンには感謝してる。特にザ・カーテンズ(元ディアフーフのクリス・コーエンのグループ)とアリントン・デ・ディオニソ(元オールド・タイム・レリジョン、現マライカット・ダン・シンガ)を通して僕はディアフーフとそのシンガーであるサトミさんと出会えたんだからね。あと、シアトルにいたNaっていうバンドも好きだったし(日本からの留学生で構成されたグループ。僕が野村和孝さんと知り合ったのも彼らを通してだった)、二階堂和美さんもアメリカをツアーしていた(2003年)。もちろん2003年のマヘル・シャラル・ハシュ・バズのツアーは重要だったね。そのときに工藤冬里さんとマヘル・シャラル・ハシュ・バズの面々に会って、ル・トン・ミテとしてオリンピアで共演したんだ。
 そのコンサートのあと、彼らはKレコーズの「大部屋」と、そのとき僕が作業していた隣の活版工房でレコーディングしたんだ。そうして必然的にさやさん、植野さんと知り合って(そのときテニスコーツはオリンピアでは演奏しなかった)、大谷直樹さんや皆さんとも知り合えたんだ。僕は遅くまで起きてて、彼らのノリは自分たちのとはちょっと違うなって感じてた。でもなぜか彼らのことは家族みたいに思えたんだよね。工藤さんはバスーンのソロ・コンサートに来てくれて、僕も録音に参加しないかって声をかけてくれたんだ。こうしてお互いでシェアし合うリレーションシップがはじまったんだよね。超自然的経験だった。

■ル・トン・ミテはそもそもどうやってはじまったんですか?
□ル・トン・ミテはパンク・ロックの理想主義の持続を目指してはじめたんだ。僕にとってパンク・ロックは音楽の自由、音楽の新しいつくり方を見つけることだった。それは個人的な音楽で、楽器の弾き方の探求でもあったね。そういったものが自分にとってのパンクだった。ベースとギターを何年も弾いて革新的「ノイズ音楽」をつくったあと、逆に「ノイズから生まれた音楽」をつくってみようって思いついたんだ。それが1998年のことだった。1本のカセットをまずはリリースしてね。そのときのグループは僕だけだったんだけど、2台のカシオSK1と2台のマイクロカセット・レコーダーではじめたんだ。そこから「虫の食った(古くさい)トーン」を表わすためにこの名前「ル・トン・ミテ(仏語で「虫の食った音色」の意味)」を思いついた。アーカンソーのリトル・ロックでコンサートを2回やって、それからオリンピアに引っ越して時々コンサートをやるようになって、でも、そのころはそれぞれのライブにテーマがあってひとつひとつが全然違ってた。1回のパフォーマンスのためだけに曲をつくってね。ダンテの『神曲~地獄篇』、水位の上昇(「ヴェニスへの備え」)や『フラットランド~多次元の冒険』っていう本をテーマにしたり、ちなみにマヘルとのコンサートは火星がテーマだった(火星大接近の時期だった)。そうして2004年には曲を演奏するようになってツアーもはじめ、このプロジェクトがよみがえったんだ。だから生まれは南部だけど育ちはオリンピアなんだよね。

■『クモコクド』というタイトルは「八雲立つ出雲の国」を思わせるのですが、あなたは実際に日本にきて出雲地方を旅行されてましたね。出雲に限らず、あなたにとって日本の田舎の魅力はどういうものですか?
□アメリカ/ヨーロッパでホーボーだった数年を終え、ある美しい間違いがあって僕は日本にやってきた。僕がそれまで暮らしたオリンピアや他の町と似ているかどうかは意見が分かれるだろうけど、僕はすぐになじんだんだよね。山々、海、それから興味を惹かれる人たちに。杉は子どものときに過ごしたレッドウッドの森を思わせたし、すべてのものがふさわしい場所にあるように見えた。僕にとっては森や海岸は自分をリフレッシュさせ新しい自分に生まれ変わる場所なんだ。においや景色、苔も巨木もすべてが僕をリフレッシュさせてくれる。時々、迷子になって道を外れて、クモの巣や岩、木や竹藪を見つけるのも素敵なことだしね。人間は人口の多い町に住んで、他の空いた空間は野生に任せるべきじゃないかな。幾つかの点で田舎暮らしは世界中どこも似通ってるよね。時間の流れがゆったりとして仕事はもっと肉体的なものになり、季節の移り変わりにも敏感になるしね。
 僕にとって『クモコクド』は田舎と都会の両方。日本、ベルギーとアメリカの間にあるどこかの土地のことで、他人と分かち合った復興と内省の体験なんだ。

■活版印刷の職人、パフォーマンス・アーティスト、レコード・レーベルのスタッフ、グラフィック・デザイナー……あなたはとても幅広く活動されていますが、その中でも特に音楽に惹かれる理由は何ですか? 音楽でしか託せない感情、音楽でしか表現し得ないものとは。
□そうだね。僕はたくさんのプロジェクトに関わってる。人生は種々の体験と芸術の積み重ねなんだ。それらはみな等しく重要で同じように僕の人生を形成してくれた。
 音楽も卓絶したアートのひとつだね。時間の外側で存在していて、僕の場合、音楽を奏でると「クモコクド」のようなところ、もはや時間が存在しない場所に足を踏み入れてしまうんだ。だから僕のつくる曲は短いのかもね。時間の感覚がなくなって30秒の曲でも演奏していると2時間ぐらいに感じちゃうのさ。どうしてだかわからないけど。
 これもまた自分にとって音楽が重要な理由のひとつなんだ。特にル・トン・ミテについて言うとそんなに多くの美学的な決定事項はなかったんじゃないかな。僕の個人的思想をシェアできる唯一の方法がこれだったんだ。だから、すべての曲がそれぞれ違う方法で扱われているのかも。それぞれが独立した物語、1冊の日記帳のそれぞれの記述みたいなものなんだ。全部の日が同じわけじゃないけど、同じひと続きのものだろう。多分、僕が「フィーリング」を表現できる唯一の方法が音楽なのかも。この儚いつかの間の瞬間瞬間を表現し、生きる方法が音楽だったんだ。

「解除」と「奔放」のエクステンデッド展示



「解除」と「奔放」のエクステンデッド展示
目白・ブックギャラリー ポポタム(03-5952-0114)
東京都豊島区西池袋2-15-17
会期:~12月9日(日)
時間:正午12:00~7:00pm(金曜日は8:00pmまで)

12月2日(日)までパルコ・ブック・センター渋谷店内プレスポップ・ギャラリーとブックギャラリー・ポポタムで開催していたジュヌヴィエーヴ・カストレイの展示品の一部を12月9日(日)まで目白ブックギャラリー・ポポタムの書店スペースの一角に展示させていただくことになりました。好評だった「解除」/「奔放」展の作品を実際に見て触れて買える、これが最後のチャンスとなります。どうぞお見逃しのないように!

Genevieve Castree - 4 Buttons Set


ジュヌヴィエーヴ・カストレイ 缶バッヂ4個セット
サイズ:直径約3センチ
売価:800円+税
ご購入はこちらから
ジュヌヴィエーヴ・カストレイの『Débarrassée(解除)』展と『Décomplexée(奔放)』展のために制作されたバッヂ・セットを5セットだけ、こちらのスウィート・ドリームス・プレスのメイルオーダーで販売します。アブストラクトなパターンから、本人曰く「スウィート・ビーンズ」という豆の赤ちゃんが空間に浮かんでいるもの、そして『解除』展のメインテーマだった火山をモチーフにした絵など、ちょっと変わっていて可愛いバッヂ・セットです。この機会をどうぞお見逃しないように。

2012/11/30

Introducing McCloud Zicmuse' LE TON MITÉ

ル・トン・ミテとは? マクラウド・ズィクミューズとは?

急告! 急告! もしくはたっぷりと息を吸って海の向こうのレコード・レーベルよろしく「この度我々は光栄にも…(We proudly annouce the release of...)」なんて出だしから始めてみましょうか。ともかくもうすぐ、12月15日(土)にスウィート・ドリームス・プレスは1枚の新しいCDアルバムをリリースすることになりました。本年最後の1枚です。で、それは何かと言いますと、じゃーん、それでは紹介しましょう。ル・トン・ミテことマクラウド・ズィクミューズさんです!

熱心な『Sweet Dreams』誌の読者諸兄にあられましては、きっと頭の隅で彼のそのユニークな名前を覚えていらっしゃるかもしれません。まずは2008年発行の第2号に彼の秘蔵「期限付き国家プロジェクト」のアイデア・ノートが、そして第3号で彼はスウェーデンの野外音楽フェスティバルをレポートしてくれていますし、ということでマクラウドさんは頼もしいレギュラー寄稿者のひとりでもあるのです。さらに第4号には「はじめる人」というシリーズの中で彼が仲間とはじめた活版印刷工房のことを訊いたり、おまけに同じ号には植野隆司さんの連載小説(?)「ボサノヴァ(ツアー番外編)」にもひょっこり登場していて、こうなるとすっかりスウィート・ドリームスに欠かせない仲間のひとりと言ってもいいでしょう。

『Sweet Dreams』のバックナンバーもぜひ読んでみて。面白いよ!

にしてもマクラウド・ズィクミューズとは何者か? 彼のことを初めて知ったのは2004~05年? ある日「友達のニキ・マックルーアに君のこと聞いたよ」って小さな字を律儀に並べた手紙を添えてル・トン・ミテのCD『Tickets to Real Imaginary Places』が送られてきたのでした。そのCDのクレジットにはニキ・マックルーアとその家族、ロイスダニー・ササキ、そしてディアフーフのサトミちゃんなどなど馴染みの名前が多く並んでいて…。そして2007年に開催された7e.p.の5周年記念イベント、その出演者だったマヘル・シャラル・ハシュ・バズテニスコーツの面々と楽しそうに演奏に興じるメガネ男、それがマクラウドさんだったわけでした(でも、その場ではそれが昔CDを送ってきてくれた人とは気づかなかったんだけど、ね)。


ここでちょいとル・トン・ミテ流ギター・ソロを

ともあれ、米アーカンソー州に生まれてオリンピアの迷門エバーグリーン大学に学び、活版印刷を習得しつつ音楽活動も並行させ、その後ヨーロッパに渡って現在ではベルギーのブリュッセル在住。オテル・ラスティークという多分ギャラリーのようなゲストハウスのような場所を奥さんのアンさんと切り盛りしたり、クラムド・ディスクのスタッフとして働いていたりする神出鬼没の愛らしいオジさんというかお兄さんというか、とにかく、それがマクラウドなのです。

そして、彼のソロ・プロジェクトであるル・トン・ミテ、その最新アルバムである『クモコクド(雲国土)』を「光栄にも!」スウィート・ドリームス・プレスからリリースさせていただくことになりました。まずは1曲、アルバムの収録曲を聴いてみてください。「Autel Rustique」っていう曲です。



ディアフーフ、マヘル・シャラル・ハシュ・バズ、テニスコーツ、元ディアフーフのクリス・コーエンのカーテンズ、先日来日していたフィル・エルヴラムのマウント・イアリカール・ブラウ、彼が交歓してきた幾つものバンドたち、そしてメンバーのひとりとして関わる大阪のダルガリーズコンゴトロニクス世界選手権に名を連ねるオケ(HOQUETS)など、とにかく、ちょっと楽しくなること請け合いのカラフルでキュートなアヴァン・ポップ、それがル・トン・ミテなのです。


アルバム『Belgotronics』よりHOQUETSの「Couque de Dinant」を

そして、今回この『クモコクド』のリリースを記念してマクラウドさんから凄いクリスマス・プレゼントが届きました。なんと! アルバムを予約/購入いただきました先着25…まに、ガ、ガガ…。ピーガー。…インチ・レコ…ガガガ・ガ。〆〇…カセッ…⊂⊇…ガー。⇒⊥…∠∬…ザザザ-。∫√…≒∇≡ガ…リガリ。ガ・ガ・ガ、ΩΦ…をお付け…δザー。э¶℃♂…∥ヾゝ…ガ、ガ…。……あれ、電波の調子がちょっと悪いようですね。では、そのスペシャルな特典についてはまた時間をあらためてお伝えしましょう。それではさようなら、さようなら、またすぐに。

つまりマクラウド・ズィクミューズさんとはこんな人です。

2012/11/27

ジュヌヴィエーヴ・カストレイのインタビュー(後編)

写真はギャラリー・セプチマのジュヌヴィエーヴ・カストレイ、サウンドチェック中の様子

前編に引き続き、英リーズのジン/ブログ「Colouring Outside the Lines」に掲載されていたジュヌヴィエーヴ・カストレイのインタビューをお届けします。後半は質問もさらにシリアスに、実は今回あえて訳さなかった部分もあって、そこでは長々とした質問にジュヌヴィエーヴ本人も引いちゃってる瞬間が見受けられますが、それはまた彼女の作品の読者層/オーディエンスのシリアスさを反映していると言えるかもしれません。

そういえば今回一度だけ立川のギャラリー・セプチマでライブ・パフォーマンスを披露してくれた彼女ですが、お世辞ではなく「あんなに楽しいライブは初めてだった」と何度も何度も言ってくれたのも、今から思えば未知な音楽にオープンでフレンドリーなセプチマのお客さんのお陰だったのかも。どうしても彼女を紹介する際にはフィル・エルヴラム(マウント・イアリ)のパートナーであることが先に立ち、ことあるごとにそのことの不満や悩みを打ち明けてきた彼女だけによい気分転換になったのかもしれません。

ともあれ今回の展示もついに日曜日(12月2日)まで、ぜひひとりでも多くの方に彼女の作品を実際に見ていただければと思います。また、今回は特別に通常より安価な値段で作品も販売しています。これも彼女が愛する日本のオーディエンスへの恩返し。二度とないこの機会ですので、どうぞお見逃しないように。よろしくお願いします! なお、展示の概要についてはこちらをご覧ください。


パルコブックセンター渋谷店での「解除」展で販売中の陶製火山


■あなたの作品の多くにある注意深く入り組んだ細部は否が応でも目を惹きますし、もはや完璧主義とさえ言えるかもしれません。アートにおける、さらにあなた自身の作品の中にある完璧主義についてどう思いますか?
□仕事中の私を見てイライラしちゃう人も周りにはいるみたい。すごく時間をかけているから。他人から見たらもう十分完成しているように見えるのにまだ描き込もうとしてるなんてどうかしてると思っちゃうんでしょうね。ただ、細部に深く深くのめり込んでいくのは、私にとってはメディテーションみたいなものなの。そうすることで癒やされることに気づいたのね。

■アートワークに生命を吹き込むということでは、そのビジュアル面だけにあなたの全人生、全思考を語らせるのは難しくないですか? あなたの作品には画集付のレコードがありますが、音楽を付随することでより深い次元、知覚上の生命が感じられる一方、ドローイングに音楽を足すこと、もしくは音楽にドローイングを足すことは人に大事なポイントを見誤らせることになるんじゃないかという気もします。ひとつのプロジェクトにおける音楽/ビジュアルのクリエイトは両方同時に立ち上がるものですか? それとも音楽をドローイングに翻訳したり、またはその逆の方法で出来上がるものでしょうか?
□私は描きながらいつも小さなメモに注釈を書きつけてるの。心に浮かんだいろんな考えを紙片に書いていくんだけど、その中には音楽にまつわるものもあってね。答えは半々かな。描いているときに音楽のことを考えたり、音楽をつくっているときにドローイングのことを思いついたり。それによく歌を歌うし。

■あなたの作品の多くは「L'Oie de Cravan」という詩の出版社から発行されていますね。ビジュアルと書かれた言葉、口に出して読まれる詩の関係性についてどう考えていますか?
□自分の絵を詩の出版社から発行するなんてちょっと格好つけ過ぎだって思われる気もするけど、ドローイングも広義の詩だと思うことにしてるわ。

■あなたの次の作品はあらゆる種類の戦争と衝突がテーマになるとお聞きしました。現代以上にアートが近所のコミュニティーと地球の最果ての両方に同時にインパクトを与える時代はなかったと言われています。現代は自分たちの周囲であれ遠くの場所であれ、影響を及ぼし、物の見方を問い、政治的/経済的な意味、社会的身分や立場に頼ることなくアートを通して自分たちの周りの世界に作用する能力と機会に恵まれるようになりました。この見方をあなたはどの程度賛同しますか?
□私を含めた多くのアーティストは単にアートをつくる以上のことに加担していると思う。でも私は世界のありようについてアートの世界ではまだ十分に語られていないように感じています。アーティストたちは世界のあれこれについて特に関心を寄せている人たちだと思うけど、実際には一体何をやってるのかしら? どこに目をつけてるのかな? 自分のマイスペースのアカウントのことでいっぱいだったりして? それともソニック・ユースの掲示板? 子どものとき自分が好きだったテレビ番組のコンプリートDVDコレクションとか?


こちらもパルコブックセンター渋谷店での「解除」展に出品中のスウィート・ビーンズちゃん
ちょうど空豆ぐらいの大きさで3個1セット、か、かわいい…

■あなたの作品とあなたのアーティスティックなアイデアの多くは、読者への支援の視覚化、楽観主義、元気づけ、誠実な励みといったものになっています。衝突もしくは無衝突への希望からインスパイアされたプロジェクトを進めることで、あなたは自分の読者に何を伝えたいのでしょう?
□私が使う「不屈の愛(タフ・ラブ)」っていう言葉の意味は、つまりそういうことなの。これは今現在私のお気に入りの言葉でね。私にはずっと好きだったふたりの作家がいて、それは昨年惜しくも亡くなってしまったジェイン・ジェイコブスとヘレン・カルディコット博士なんだけど、ふたりともとても教育的な声を持っていたの。どちらも耳の痛いことでも一人ひとりに直接語りかけるような母親的な部分があって、私が耳を傾けたいのはそういう言葉なのよね。「あなたの長い人生、つらい労働を通して得た収入はずっとあなたのもの。あなたは妥協しなければ生きていけないような人間のひとりじゃない」なんて言われるより「そうよ、希望はあるわ。でも世界を変えるには私たちがお互い妥協して歩み寄ることも必要よ」って言われる方がずっとましでしょ。

■最後にあなたはずっとアート/コミックのワークショップに関わり、誰もがコミックをつくることができるという信条をサポートしてきましたよね。ほかのアーティストたちと結びあうこと、彼らの創造性をインスパイアすること、自分のアイデアと共に過ごすことを皆に促すことで授かったものがあるとすれば、それは何でしょう? 
□自分ではこういうワークショップみたいなことをもっとやらなきゃと思ってる。私がやることを学ぼうと、またどうやってそれをやるかということを学ぼうとしている見知らぬ人の前で歩き回ったり、一緒に座ったりしていると、とても素晴らしい気持になれることがある。最高なのは自分のコミックについて一切話さなくていいということね。話すべきは彼らのコミックについてなんだから。

2012/11/26

Gofishトリオ~久喜・立川・下北沢ライブのお知らせ


Gofishの関東ツアーがようやく決まりました。新春成人式のよき日、1月中旬の3連休に埼玉の久喜市、東京の立川市、そして東京の世田谷区を回ります。どの会場もスペースの制約上、お客様の人数が限られますのでぜひお早めのご予約を。立川のギャラリー・セプチマは賑やかにバンドを囲んで、そして下北沢の富士見丘教会では着席でじっくりゆっくりたっぷりと。くつろいだカフェ・クウワの雰囲気もあわせ、それぞれのライブを心ゆくまでお楽しみください。

もちろんどの公演もGofishはアルバム『とてもいいこと』の根幹をなすGofishトリオ(テライショウタ稲田誠黒田誠二郎)としての出演となります。さらに今回は同じく『とてもいいこと』に客演しているASUNAも帯同します。一度と言わず、二度、三度と見てもらいたいGofishトリオのアルバム・リリース後初の関東ツアー、どうぞ皆さまお見逃しないように!


いなかまちにおんがくがなりひびく その16
1月12日(土)埼玉・久喜 カフェ・クウワ(0480-31-9976)
埼玉県久喜市菖蒲町新堀483/JR・東武久喜駅もしくはJR桶川駅よりバスで菖蒲仲橋下車徒歩10分
出演:Gofish(テライショウタ+稲田誠+黒田誠二郎)、ASUNA、yojikとwanda柴田聡子
BGM選曲:DJぷりぷり(浅草橋天才算数塾
開場 5:00pm/開演 6:00pm
料金 2,300円(予約)/2,500円(当日)*どちらもドリンク代別
お問い合わせ/予約:カフェ・クウワスウィート・ドリームス・プレス

逆まわりの音楽 その3
1月13日(日)東京・立川 ギャラリー・セプチマ
東京都立川市柏町3-8-2/多摩都市モノレール砂川七番駅より徒歩2分
出演:Gofish(テライショウタ+稲田誠+黒田誠二郎)、ASUNA、popoAmephone's attc
DJ:坂田律子(pagtas
開場 4:30pm/開演 5:00pm
料金 2,000円(予約)/2,300円(当日)
お問い合わせ/予約:スウィート・ドリームス・プレス安永哲郎事務室ギャラリー・セプチマ

よかんのじかん
1月14日(月・祝)東京・下北沢 富士見丘教会
東京都世田谷区代沢2-32-2
出演:Gofish(テライショウタ+稲田誠+黒田誠二郎)、ASUNA、うんどら(テニスコーツさや+合唱隊)
開場 4:30pm/開演 5:00pm
料金 2,300円(予約)/2,500円(当日)
お問い合わせ/予約:スウィート・ドリームス・プレス
協力:富士見丘教会、Flysound、Taguchi

2012/11/14

ジュヌヴィエーヴ・カストレイのインタビュー(前編)



UKリーズのジン/ブログ「Colouring Outside the Lines」に掲載されていたジュヌヴィエーヴ・カストレイのインタビュー記事をここに訳して掲載することにしました。彼女の考えや活動の背景、日常の様子を垣間見ることで、少しでも彼女の作品や音楽に関心を持っていただければと思ってます。文中にも触れられているように、愛らしく精緻な造形と自然世界、どこか暗く悲しみを湛えた景色/政治観が融合した作品世界は彼女にしかなし得ない最大のもののひとつです。今週からはじまるふたつの展示と一度きりのライブ・パフォーマンスにぜひご期待ください! 展示についてはこちら、ライブについてはこちらをどうぞ。

掲載誌「Colouring Outside the Lines」の表表紙(上)と裏表紙(下)。
「線の外側に色を塗る」っていうタイトルもいいよね!


インタビュー:メラニー・マディソン

ロケーション:元々はカナダのモントリオール出身で今はワシントン州アナコーテスに住んでいます。

自分のアートをどう形容しますか?:くよくよしていて、いつか「確固とした愛」に到達できることを祈っている。

最近の仕事:スイスのドロゾファイルという出版社でのふたつの小さなプロジェクト。

バイト:仕事を特にしていないけど、家にいるときは毎日12時間は絵を描いてます。

好きなもの3つ:よく料理し、よく食べ、よく寝ること。

嫌いなもの3つ:ガソリン・スタンドで売ってるような物しか食べ物がないこと、栄養が足りていない気がすること、7時間以下しか睡眠時間がとれないこと。

日々のインスピレーション:質の良いラジオ番組(かかる音楽というわけではないです)

尊敬する人やアーティスト:ジェイン・ジェイコブス、ギー・バウチャー、悪魔に魂を売ることなく美しく意味あるものを作り続けている人々から成る頑強でインディペンデントなグループ。

仕事をするときに聴くお気に入りのアルバム:今はグルジェフの作品と工藤礼子さんの『Fire Inside My Hat』。でも、最近はインスト音楽をよく聴いてる。

このインタビューは2007年1月に執り行われました。

■やぁジュヌヴィエーヴ、ご機嫌いかが? 最近どうしてる?
□ハロー! 今この瞬間ならとても調子いいわよ。2年がかりの作品がようやく完成したの。コンスタントにツアーに出ていたし、今までやった仕事のなかでもいちばんややこしいものだったけど、それも全部終わり。『Tout Seul dans la Foret en Plein Jour, Avez-Vous Peur?』っていうレコード付きの本なんだけどね。今は次の仕事にとりかかっているところ。ドロゾファイルっていうスイスの小さな出版社が出す2冊のシルクスクリーン印刷の本で数ページやることになったの。ひとつはいろんな作家との共同作業、もうひとつはソロでね。

「今まででやった仕事のなかでもいちばんややこしかった」。ウォーヴ名義でKレコーズより発表したアルバム『Tout Seul dans la Foret en Plein Jour, Avez-Vous Peur?』のアートワーク、この精緻な描き込みを見よ!

■あなたは15歳のときから本気でコミックを描きはじめ、自分でジンもつくりはじめたそうですね。振り返ってみて、そういう早い時期にアートの世界に足を踏み入れ、しかも制作環境と創造性の両方を備えたことは今のご自身の創作活動にどのぐらい重要だと思っていますか?
□いちばん大切なのは、すごく若いときに始めたからこそだったってこと。昔は今みたいに自分を疑うようなこともなかったし、何かをする前にいちいち考えることもなかった。最初はアングラなコミック作家によくある小っ恥ずかしいコミックをつくってたけど、18歳になるころには自分の周りにあるようなコミックではなく、みんなが読みたがるようなコミックでもなく、まるで絵を描くようにコミックを描いているような気持ちになってきたの。今は自分が自分であることにも、自分がつくったものにも違和感を感じなくなったかな。

■あなたはかねてから自分のドローイングはご自身の日常における妄想の混交だと主張されてこられました。ご自分の個人性やしばしば抽象的な独り言を使うことで、あなたは自分の作品のある部分は「内省的」だと思っていますか? それとも自分の作品はもっと普遍性を帯びていると信じていますか?
□分からないわね。そういうことは読む人に決めてもらうべきじゃないかしら。もう自分のことについてあれこれ人に話すのはやめようと思っているの。自分の作品は他の誰もを含んだものにしたいしね。私が願うのは読んだ人に「これってまるで自分のことみたい!」って思ってもらうことなの。「きっとこれは作者である彼女のことだよね?」なんて思われるよりもね。

■「We're Wolf」や「Pamplemoussi」といった作品におけるアートワークは「美しくも恐ろしい」と形容されてきました。悲しみと幸せの両方を備え、もしくは暗くひと気のない風景に強烈にインスパイアされたり、このような多様な世界において心に響くアートをつくり上げることは、あなたにとっては極々自然にできてしまえることなのでしょうか? 対照的な認識のポイントを融合させられる作品をつくる際、もっとも興味をそそられる点はどのようなものですか?
□私は単に極端な人間なんじゃないかな。ある悲しみを私はずっと引きずっているように感じてます。いつもくよくよしていて、この悲しみに愛着のようなものすら感じているんです。ただ、自分の中から出てくるものは全部、自分で意図しているよりも柔らかい形で吐き出されるのよね。元々もっと暗いはずなのに。

これもジュヌヴィエーヴ・カストレイの代表作のひとつ。
レコード付の画集の『Pamplemoussi』

■あなたのドローイングの多くは自然環境と自然動物たちの美を描いています。しかし、あなたにとって重要なのは、オブラートにくるまれた表現の多い現実世界のありのままの姿、自然世界の残忍さを映し出すことなように思えます。これは正確な見方でしょうか?
□自然世界は残忍よ。だけど、私たちが住んでいる都市よりも活気に満ちていることも確かなの。私にとってはいつもそう。余りにもみんなが自然を美化しすぎていることは確かにそうね。そういうロマンティックな考えに囚われてエンターテインされないようになればいいのに。もっと本物の生を生きないと。

■自然環境について言えば、あなたの作品のどの程度がそれについての反応としてつくられていますか? そして、そういった作品を育んだカナダの環境からどのぐらいインスパイアされているのでしょう。こういう質問をするのは、私にとってあなたのアートは、以前カナダに行ったときに体験した穏やかで澄み切っていてデリケートな繊細さを視覚化したもののように感じるからです。
□あなたが言った私のドローイングの一部分は、カナダってこういう感じかなっていう私の「考え」から来たものではあると思う。でも、カナダ人の大部分はアメリカ国境のすぐ近くで暮らしているし、自分たちの国を実際に見てはいないんじゃないかな。北極圏に足を踏み入れたのも私の場合カナダではなくてノルウェーでのことだったし。だから、私はあまり自分の国のことを分かってないの。

■あなたの作品は非常に細かくて精巧に描かれています。その細部と微妙な筆さばきはページ上の絵に命を吹きこみ、ページ自体を探っていくような感覚すらありますね。30センチ角の『Pamplemoussi』など大きな判型での作品のほうが描きがいがありますか?
□私は大きな紙に描くのがすごく不得手なの。いつも余白をとろうとしちゃうのよね。だから一種の挑戦でもあるの。すべてを細かい描き込みで埋め尽くそうとしたこともあるけど、どうしても余白を残しちゃうのよね。そのほうが気持がよくて。

(続く)

2012/11/13

Gofish Go Fishing!! ライブ/ツアーのお知らせ


アルバム『とてもいいこと』リリースに続くGofish(含:トリオ編成)のライブが少しずつ決まってきました。まずは11月中旬に関西で2公演(神戸・京都)、その後12月15日に鳥取公演。そして(!)待望の東京/関東近郊も来年1月で調整中、近日中に幾つかお知らせできそうです。以下、Gofishトリオのライブ情報をアップデートしていきますのでぜひスケジュール帳にお加えください。

『とてもいいこと』を既にお聴きになっている方も、また、まずはライブを見てからアルバムを聴いてみようかなという向きも。ともかくフロントにテライショウタ、そのかたわらにはコントラバスに稲田誠、チェロに黒田誠二郎を配したトリオのGofishのライブが特別なものであることは確かです。時間がゆっくりと息を吸い、そしてたっぷりとはき出される様子を見るような希有なアンサンブルをぜひ間近で体験してください。彼らは本当にすごいんだから、本当だよ!

SHOS 11(Gofish『とてもいいこと』発売記念)
11月17日(土)神戸・塩屋 旧グッゲンハイム邸(078-220-3924)
神戸市垂水区塩屋町3-5-17
出演:Gofishトリオ、ASUNAかきつばた
DJ:金本武志(蒼月書房
出店:喫茶ゆすらご山路製めん移動喫茶キンメ
音響:西川文章
開場 6:30pm/開演 7:00pm
料金:2,500円(予約)/2,800円(当日)
予約:旧グッゲンハイム邸SHOS

11月18日(日)京都 喫茶ゆすらご(075-201-9461)
京都市上京区仁和寺街道七本松西入二番町199-1
出演:Gofishトリオ、ASUNAヨダサチエ
開場 6:00pm/開演 6:30pm
料金:2,000円(予約)/2,300円(当日)
予約:喫茶ゆすらご(定員25名)

12月14日(金)大阪・南船場 epok(06-6263-1133)
大阪市中央区南船場1-1-12 企業交流プラザビル4F
出演:Gofishトリオ、Water Fai
出店:喫茶ゆすらご
開場 7:30pm/開演 8:00pm
料金:2,000円(+ドリンク代)

12月15日(土)鳥取 ボルゾイ・レコード(0857-25-3785)
鳥取市新町201上田ビル2F
出演:Gofishトリオ、3月33日tanaka sings empty orchestra、ロンサムパイロット
出店:喫茶ゆすらご、食堂カルン
開場 6:30pm/開演 7:00pm
料金:2,000円(予約)/2,300円(当日)
予約:ボルゾイ・レコード

いなかまちにおんがくがなりひびく その16
1月12日(土)埼玉・久喜 カフェ・クウワ(0480-31-9976)
埼玉県久喜市菖蒲町新堀483/JR・東武久喜駅もしくはJR桶川駅よりバスで菖蒲仲橋下車徒歩10分
出演:Gofish(テライショウタ+稲田誠+黒田誠二郎)、ASUNA、yojikとwanda柴田聡子
BGM選曲:DJぷりぷり(浅草橋天才算数塾
開場 5:00pm/開演 6:00pm
料金 2,300円(予約)/2,500円(当日)*どちらもドリンク代別
お問い合わせ/予約:カフェ・クウワスウィート・ドリームス・プレス

逆まわりの音楽 その3
1月13日(日)東京・立川 ギャラリー・セプチマ
東京都立川市柏町3-8-2/多摩都市モノレール砂川七番駅より徒歩2分
出演:Gofish(テライショウタ+稲田誠+黒田誠二郎)、ASUNA、popoAmephone's attc
DJ:坂田律子(pagtas
開場 4:30pm/開演 5:00pm
料金 2,000円(予約)/2,300円(当日)
お問い合わせ/予約:スウィート・ドリームス・プレス安永哲郎事務室ギャラリー・セプチマ

よかんのじかん
1月14日(月・祝)東京・下北沢 富士見丘教会
東京都世田谷区代沢2-32-2
出演:Gofish(テライショウタ+稲田誠+黒田誠二郎)、ASUNA、うんどら(テニスコーツさや+合唱隊)
開場 4:30pm/開演 5:00pm
料金 2,300円(予約)/2,500円(当日)
お問い合わせ/予約:スウィート・ドリームス・プレス
協力:富士見丘教会、Flysound、Taguchi

The Kinsella Family Japan Tour 2013

1月15日(火)名古屋 得三(052-733-3709)
名古屋市千種区今池1-6-8 ブルースタービル2F
出演:ジョーン・オブ・アーク(ソロ)、バースマーク、Gofishトリオ
開場 6:00pm/開演 7:00pm
料金:3,500円(前売)/4,000円(当日)*ドリンク別
チケット : 得三チケットぴあ(Pコード:185-288)、7e.p.

3月8日(金)名古屋 KDハポン(052-251-0324)
名古屋市中区千代田5-12-7
出演:松竹谷清、Gofish、石原ヨシト
DJ:Connyaku aka 村上ゴンゾ
開場 7:00pm/開演 7:30pm
料金 1,800円(予約)/2,000円(当日)*ドリンク代別
予約:会場

4月12日(金)京都 喫茶ゆすらご(075-201-9461)
京都市上京区仁和寺街道七本松西入二番町199-1
出演:アニス&ラカンカ、Gofishトリオ(テライショウタ+黒田誠二郎+稲田誠)
開場 6:00pm/開演 7:00pm
料金 2,000円(予約)/2,300円(当日) 定員25名
予約:会場

nami to kami vol.37
4月13日(土)松本 hair salon群青 (0263-34-1006)
松本市中央 3-5-10
出演 Gofishトリオ(テライショウタ+黒田誠二郎+稲田誠)with ASUNA、THE END
開場 7:00pm/開演 7:30pm
料金 1,800円(予約)/2,300円(当日)(+ドリンク代)
予約:会場、tonico(0263-34-6621)、主催者(namitokami@yahoo.co.jp

よかんのじかん
4月14日(日)名古屋・今池 バレンタイン・ドライブ(052-733-3365)
名古屋市千種区今池1-9-3 西今池ビルB1
出演:Gofishトリオ(テライショウタ+黒田誠二郎+稲田誠)、ASUNA
開場 6:30pm/開演 7:00pm
料金 1,800円(予約)/2,300円(当日)*ドリンク代別
予約:会場

ジョセフィン・フォスター&ヴィクトール・エレーロ ジャパン・ツアー2013
4月19日(金)名古屋 KDハポン(052-251-0324)
名古屋市中区千代田5-12-7
出演:ジョセフィン・フォスター&ヴィクトール・エレーロ、Gofish
開場 6:30pm/開演 7:30pm 料金 3,500円(予約)
予約:会場、ウィンドベル

nakabanの旅するブックシェルフ(オープニング・イベント「おとひかりこえて」)
4月27日(土)名古屋 ON READING(052-789-0855)
愛知県名古屋市千種区東山通5-19 カメダビル2A
映像:nakaban 音楽:Gofish
開演 7:00pm 料金:2,000円(定員25名)
予約:会場

はるでら
5月6日(月・祝)東京・町田 簗田寺(りょうでんじ)
東京都町田市忠生2-5-33
出演:Gofishトリオ(feat. ASUNAレイチェル・ダッドICHINoahlewis' Mahlon Taits井上智恵カルテット三富栄治フジワラサトシ
飲食:なぎ食堂、給湯室
開場 3:00pm/開演 3:30pm 料金 2,500円(予約)/3,000円(当日)
音響:Flysound
予約:スウィート・ドリームス・プレス
協力:簗田寺、saitocno

Tsuchihashi Ghetto Sound System

5月11日(土)愛知・豊田 斑屋(0565-27-2747
愛知県豊田市土橋町8-18
出演:Ohayo Mountain RoadGofish、オシロスコッティ
DJ:CONNYAK aka 村上ゴンゾ、Y'men
FOOD:ホロホロ市
開場/開演 7:00pm 投げ銭

5月18日(土)京都 喫茶ゆすらご(075-201-9461)

京都市上京区仁和寺街道七本松西入二番町199-1
出演:柴田聡子、Gofish、アンデルセンズ
開場 6:00pm/開演 6:30pm 料金 2,000円(予約)/2,300円(当日)

6月15日(土)新潟 正福寺
新潟市中央区西堀通7番町1548
出演:Gofishトリオ with ASUNA加藤りま
出店:喫茶ゆすらご
開場 6:00pm/開演 6:30pm 料金 1,800円(当日券のみ)
主催:ANTI Music + experimental rooms
問い合わせ:info@experimentalrooms.com

6月16日(日)金沢 JO-HOUSE 石引店076-222-5960)
石川県金沢市石引2-7-10
出演:Gofishトリオ with ASUNA白い汽笛
開場 5:00pm/開演 5:30pm 料金 2,500円(学生500円割引) *ドリンク代別

Have A Good WEEKEND! ~深谷ロック・フェスティバル特別編~
8月3日(土)埼玉・深谷 JR深谷駅ギャラリー1
出演:Gofishトリオ、スカート突然段ボールPENOミツメ
開場 12:30pm/開演 1:00pm
料金 2,000円(予約)/2,500円(当日)
予約:BREAK


METEO NIGHT 2013
8月4日(日)東京・渋谷 O-WESTO-nest7th Floor東京都渋谷区円山町2-3
出演:Gofishトリオほか多数開場 12:00pm/開演 1:00pm
料金 3,500円(予約)/4,000円(当日)*ドリンク代別

8月5日(月)東京・池袋 ミュージック・オルグ03-5954-4909)
東京都豊島区南池袋1-20-11-B2
出演:Gofishトリオ、柴田聡子
開場 7:00pm/開演 7:30pm
料金 2,300円(予約)/2,500円(当日)

高尾小フェス2013
8月11日(日)京都・南山城村 旧高尾小学校
京都府相楽郡南山城村
出演:Gofishトリオ+ASUNA、テニスコーツ加藤りま、夏の大△ 他
開演 11:30pm(終演予定8:30pm) 料金 2,000円(当日のみ)
企画・運営:高尾小フェス実行委員会(contact@takaofes.com

HOP KEN
8月31日(土)大阪・南船場 epok(06-6263-1133)
大阪市中央区南船場1-1-12 企業交流プラザビル4F
出演:Amephone's attc、Gofishトリオ、マイクロふとし(森山ふとし+栗原ペダルオシロスコッティ
DJ:金本武志 ほか
開場・開演 6:00pm 料金 2,000円 *ドリンク別

よかんのじかん
9月1日(日)名古屋 KDハポン(052-251-0324)
名古屋市中区千代田5-12-7
出演:Amephone's attcオシロスコッティ半野田拓+亀山佳津雄(TEASI)、Gofishトリオ
DJ:CONNYAK a.k.a 村上ゴンゾ
開場 6:30pm/開演 7:00pm 料金 1,800円(前売)/2,300円(当日)*ドリンク別

NAMASTE NIGHT Vol.3
9月6日(金)神戸・塩屋 旧グッゲンハイム邸(078-220-3924)
神戸市垂水区塩屋町3-5-17
出演:Gofishトリオ、山本精一、YOSHITAKE EXPE UNIT
出店:喫茶ゆすらご

2012/10/25

逆まわりの音楽 その2


ギャラリー・セプチマの協力のもと、安永哲郎事務室と共同でお届けする「逆まわりの音楽」、先月に続き「その2」の開催が決定しました。

今回は僕らの周りの健康不良少女たちが揃い踏み、今回の来日で唯一のライブとなるジュヌヴィエーヴ・カストレイに、あたたかく韓国ツアーを終えたばかりの加藤りま、アルバム『マコメンタリー』が好評のマコメロジーと、素ナプキンのかよちゃんを含むトリオ、ル・キャッツの4組! さらに、DJブースからはパグタスの坂田律子とミディアム・ネックス/ヘルの飛田左起代がにらみを利かせる、とこんな案配なのです。

またいつものようにあんな人たちがお酒を出したり、こんなものをモグモグしてるかもしれませんが、そこはそれ。いちいち書かなくてもその辺りは標準装備のギャラリー・セプチマへどうぞお越しください!

逆まわりの音楽その2

11月17日(土)立川・砂川七番 ギャラリー・セプチマ
(東京都立川市柏町3-8-2/多摩都市モノレール砂川七番駅より徒歩2分)

出演:ジュヌヴィエーヴ・カストレイ加藤りまマコメロジー、ル・キャッツ

DJ:坂田律子(pagtas)、飛田左起代helll

開場 4:30pm/開演 5:00pm 料金 1,500円

2012/10/19

解除と奔放:ジュヌヴィエーヴ・カストレイ展のお知らせ


 このスウィート・ドリームス・プレスを立ち上げて最初に発行したもの、そりゃ『Sweet Dreams』の創刊号デショ?と思われる方も多いかもしれませんが……、「ブー!」、実はジュヌヴィエーヴ・カストレイというカナダ人女性コミック作家/イラストレーター/シンガー・ソングライターの『仮面』というタイトルの展示カタログでした。ちなみにその数日後にはBEST MUSICの問題作『Music for Supermarket』をリリースしてスウィート・ドリームス・プレスはレコード・レーベルとしてもスタートしますが(まさかそれがずっと続くことになるなんて!)、ともかく何かと縁の深い彼女が来月四度目の来日を果たします。

今回は東京の2会場でイラストレーション作品と小さな愛らしい陶製人形を展示する予定です。きっとまた、精緻で、動きがあって、女性の活力が隅々から感じられるパンクな作品群になることでしょう。どちらもささやかな展示ですが、ぜひ見にいらっしゃってください。

また、作品はすべて販売し、過去スウィート・ドリームス・プレスが制作したあれこれなどの品を始め、レコードや作品集なども店頭に並ぶ予定です。来春にはドラウン&クオータリーという北米オルタナティブ・コミック界を代表する出版社よりコミックも発行されるようですし、今後ますます活躍が期待される作家のひとりとして、ぜひお見知りおきください。あと、そうそう、彼女は凄い音楽家でもあるんですよ。それについてはまた後ほど!

「解除」と「奔放」 ジュヌヴィエーヴ・カストレイ展

「解除」と「奔放」、どちらの展示作品も同じ時期に制作されました。ひとつはずっと悩まされていた闇から解き放たれる女性がテーマで、激しい色彩を持つ作品が中心となります(パルコブックセンター渋谷店での「解除」展)。それは小さくても避けられない爆発のようなもので、大きな熱量をはらんだものでした。もうひとつは、その後大きな自由を得た同じ女性についての作品になります(ブックギャラリー ポポタムでの「奔放」展)。彼女は過去に囚われることなく、夢のような境地、美を手にします。なお、どちらも小さなドローイング作品と小さな陶器人形の展示となります。

Both exhibitions work together around the same theme. One is about a woman who got rid of some of the darkness that was bothering her (Débarrassée, at PRESSPOP). It has volcanic colors. Like small necessary explosions. A lot of heat. The other exhibition, (Décomplexée, at POPOTAME) is about the same woman having gained a lot more freedom. She is not so tied down to her past, she is in more of a dream-like state. Available to beauty. Both exhibitions feature small drawings and small porcelain sculptures.

ジュヌヴィエーヴ・カストレイ(Geneviève Castrée):1981年、カナダ、ケベック生まれのイラストレーター/コミック作家/音楽家。現在は米ワシントン州アナコーテス在住。夫はザ・マイクロフォンズ、マウント・イアリといった名前で活動する人気インディー・ミュージシャンのフィル・エルヴラム(2012年11月に日本ツアーが予定されている。ツアー日程はこちら)。これまでにカナダのL'Oie de Cravan社より『LAIT FRAPPÉ』、『ROULATHÈQUE ROULATHÈQUE NICOLORE』、『PAMPLEMOUSSI』の3冊、Reprodukt社より『DIE FABRIK』という作品集/コミックブックを刊行し、2013年初頭にはDrawn & Quarterly社よりコミックの発売が予定されている。これまでの国内展示は三度、2006年の『若き血潮』展と2007年の『仮面』展が目白のブックギャラリー・ポポタムで、2010年には京都のトランスポップ・ギャラリーと目白のブックギャラリー・ポポタムで『魔法使い』展を開催している。なお、ゴッドスピード・ユー!ブラック・エンペラーのメンバーなどが参加した音楽作品をアメリカのKレコーズなどからリリースしている。


Débarrassée 解除
パルコブックセンター渋谷店(03-3477-8736)
東京都渋谷区宇田川町15-1 渋谷パルコpart1 B1F
会期:11月15日(木)~12月2日(日)
時間:10:00am~9:00pm

※店内「PRESSPOP GALLERY」ショーケースでの展示となります。同時開催TCAF Presents "Canada Comic Arts"展(主催:有限会社プレスポップ)


Décomplexée 奔放
目白・ブックギャラリー ポポタム(03-5952-0114)
東京都豊島区西池袋2-15-17
会期:11月16日(金)~12月2日(日)
時間:正午12:00~7:00pm(金曜日は8:00pmまで)
定休日:月曜日

※ポポタムギャラリーにて同時開催
11月20日~25日 9square個展「11がつのこべや」
11月27日~12月2日 清水美和個展「あめのふるひのねことさかな」

企画・制作:スウィート・ドリームス・プレス
協力:有限会社プレスポップ(「解除」展)、ブックギャラリー ポポタム(「奔放」展)

2012/10/10

せいれつ



こちらに引っ越してきてもう1年半ぐらいかな。今ではうちの食卓で並んでご飯を食べていても見慣れた光景のひとつになってきた松井一平くん(TEASI、わすれろ草)の個展が古巣の名古屋で開催されることが決定しました。

3月には上原のNo.12 Galleryで「ぞうえん」、会期を重ねるようにして高円寺・音飯で「しゅくず」、9月には浅草橋・天才算数塾で「やせい」、さらに渋谷ヒカリエのaiiimaで「高い山」分室での展示……と、なんと本年5つ目の展示です。ぜひ足をお運びください。

松井一平個展『せいれつ』
ippei matsui solo exhibition "seiretsu"

ON READING(052-789-0855)
名古屋市千種区東山通5-19 カメダビル2A
会期:10月31日(水)~11月19日(月)
時間 12:00-20:00
定休日:火曜日

2012/10/03

Nikki McClure - 2013 Wall Calendar


『Sweet Dreams』誌の表紙でもお世話になっている米ワシントン州オリンピア在住の切り絵作家、ニキ・マックルーアのカレンダーを今年もごく少数ですが仕入れることにしました。こちらも下のGofishのアルバム『とてもいいこと』と同じ頃に発送できそうです。まずは20部のみ。どうぞお早めにご注文ください。

ニキ・マックルーア 2013年ウォール・カレンダー
サイズ:12インチ×12インチ(LPジャケット・サイズ)
入荷予定日:2012年10月12日
売価:1,800円(税込)
SOLD OUT
ニキ・マックルーアについては『Sweet Dreams』第2号で長いインタビューを掲載していますが、米太平洋岸北西部の音楽ファンの家に行くと本当に驚くぐらいみんな彼女のカレンダーを愛用しているんですよね。今では大きな美術館で個展を開いたり、オリンピアの町のマンホールのデザインを依頼されたり(たしかそんなことを言ってました)、パタゴニアのTシャツに切り絵が採用されたり、そういえば二階堂和美さんのアルバム『ニカセトラ』のジャケットもニキの切り絵でした…と、もはやその人気は北西部に限らず全国区になっているかもしれませんが、それでも、彼女の作風とワシントン州の自然が切っても切れない関係にあることは来年のカレンダーを見ても一目瞭然です、よね。そんな「我らが町のアーティスト」、ニキ・マックルーアのカレンダーです。


2012/09/27

Gofish - とてもいいこと


アーティスト:Gofish(ゴーフィッシュ)
タイトル:とてもいいこと
カタログ番号:SDCD-012
発売日:2012年10月15日
収録曲数:8曲
パッケージ:A式紙ジャケ(ダブル)

定価:2,000円+税 
ご購入はこちらから
弦楽二重奏に浮かぶ静けさのシンガー・ソングライター
テライショウタ=Gofishの嘘のような本当の音楽

 はじまりはコントラバスとチェロとアコースティック・ギター、そして木訥としたテライショウタの歌声。どこか飄々とした軽み、温かみさえある室内楽タッチの「そらのかけら」で幕を開けるGofishのサード・アルバム『とてもいいこと』が完成しました。
 「ふたつの月」をピークとしてゆっくりゆっくり深度を深め、時折息苦しいほどに明度を落とす瞬間を経ながら、しかし、最後にはいつものように背中で手を振り、ひとり来た道を帰っていく……。『とてもいいこと』の妙味は、例えばそんなところにあります。

 前作『あたまのうえ』(コンペア・ノーツ)に続き、録音・ミックス・コントラバスに稲田誠(ブラジル、PAAP、バイクモンドほか)、そして、チェロに元細胞文学、現ゆすらごの黒田誠二郎を迎え、さらにドラムに山本達久(M4)、また、オルガンのドローンでasuna(M6)も参加。特にストリングスのアレンジを分け合う稲田・黒田とのトリオは、もはやひとつのバンドと言えるほど。それぐらい、このトリオでの楽曲には特別な輝きが備わっています。

 弦楽二重奏+シンガー・ソングライターというありそうでなかったトリオ編成の曲にも、語りかけるような歌い口が浮かぶフォーク・マナーの曲にも、さらにNICE VIEWでのテライショウタの姿が背中合わせに感じられる極限までのロング・ブレスにも、そのどれもに過度な装飾をひかえ、奇をてらわず、しかし目をそらさず、真っ直ぐ真っ直ぐに目標を見据え射抜いていくどう猛さのようなものが実は息をひそめているのです。
 古今東西の「ウィズ・ストリングスもの」でもなく、パストラルなプログレッシブ・ロックでもなく、ジョニ・ミッチェルの『夏草の誘い』でもなく……、Gofishトリオの頭の中以外、多分どこにもなかったシンガー・ソングライター・アルバムがここに誕生しました。嘘のような本当の音楽、小さな声でしか言いませんが、案外、小さな声にこそ真実があるのです。

Tracks
1. そらのかけら
2. 夢の速さ
3. ちいさくなれる
4. 迷路
5. 滑走路
6. ふたつの月
7. とてもいいこと
8. 明滅


Gofish - 夢の速さ by Sweet Dreams Press

2012/09/18

ナイーム・アモールのショート・インタビュー

ツーソン近郊のサワロ・サボテン

 この春にリリースされた1枚のアルバム、ジャイアント・サンドの拡張版とも言えるジャイアント・ジャイアント・サンドのアルバム『Tucson』。僕は2枚組の輸入盤アナログ・レコードを買ったのだが、それぞれのレコードを入れたスリーブには歌詞とオペラのト書きが掲載されていた。まだ全部を読み切ったわけじゃないけど、その歌劇はこうやって幕を開けるらしい。

ジャイアント・ジャイアント・サンドのアルバム『ツーソン』
国内盤はディスク・ユニオン~ファイアー・ジャパンより
ツーソン:カントリー・ロック・オペラ 
幕が上がるとサワロ・サボテンのたくさんのシルエット。サボテンの背後に巨大な黄金のミラー・ボールの太陽が昇る。朝となり舞台上の照明も明るくなり、サボテンがゆっくりとワルツをはじめる。何度か旋回したのち、その真ん中にひとりの人間がいることがわかるように離れていく。 
気のいい男の子のような白髪交じりの男が現われる。 
そして…。 
オペラがはじまる。
猫が群がるハウ・ゲルブ(ジャイアント・サンド)

この白髪交じりの男というのはやっぱりハウ・ゲルブか、な。悪魔のように角度のある眉毛にぼさぼさとかき上げた髪。そして、深い深いため息のような歌声。砂漠のルー・リードとかなんとか、それはともかく、あらためて自身が暮らす米アリゾナ州の町の名前をタイトルに、その気候や植生、人間模様や悲喜こもごもをオペラにまとめるなんて…。やっぱり舞台のある音楽っていいな。

とまれ、その現実のツーソン・ロック・オペラに欠かせないバイプレイヤー、ナイーム・アモールのことをより知ってもらうために、簡単なメール・インタビューをしてみました。アルバム『ダンソン』のサブテキストとしてどうぞ読んでみてください。個人的には60年代のシチュエーショニストのひとりが関わっていたというジェネラシオン・カオのことが気になったりも。とにかく、簡単なやりとりとはいえ、その一筋縄でいかない感じが、ところどころからでも感じてもらえれば幸いです。

にしても、リリースしたばかりの『ダンソン』ですが、本人自ら「似非ブラジル音楽」というように本場じゃない音楽家のちょっとしたいかがわしさが大きな魅力です。ツーソン周辺の渋いオルタナティブ・カントリー・ロック・ファンはもちろんだけど、むしろウィークエンドとか一時期のヴィック・ゴダード、ジャズ・ブッチャーやマックス・エイダー、それこそエブリシング・バット・ザ・ガールやスタイル・カウンシル、キッド・クリオール&ザ・ココナッツなんて懐かしい面々と並べて聴くのもオツだったりするんですよ、ね。ともかく、アルバム『ダンソン』についてはこちらをご覧ください。


『ダンソン』を言葉にすれば、似非ブラジル音楽の正統派ナイーム・アモール的アルバム、って感じかな。

■まずはあなたの子ども時代のことを教えてください。どんな音楽を聴いて育ったのか。そして今でも強く印象に残っている思い出があれば。
□パリ(18区)で育ち、両親は芸術家、父はパリ国立高等美術学校の教師だった。母も美術の教師で若いときはダンサーだったらしい。そんな両親が持ってるレコード、クラシックやジャズを聴きながら、ラジオでかかる当時のヒット曲も好きで聴いてたね。それに俺には音楽好きの親戚がたくさんいたんだ。祖父母、おじさん、おばさん、それからいとこ。休暇になると集まってみんなで演奏したもんだ。老いも若きも下手も上手も一緒にね。そこでは音楽をシェアすることが大事だった。ベストを尽くしてよい時間を過ごし、美味しい料理にありつくことがね。

■『ダンソン』の収録曲「Le Revenant」で、あなたはボードレールの詩に曲をつけていますね。セルジュ・ゲンズブールの60年代初頭の曲にも「ボードレール」という曲がありました。
□まさにその曲がそもそものアイデアの始まりだった。で、最初は単なるエクササイズで「Le Revenant」に曲をつけてみたんだよね。でも、そのエクササイズに手応えを感じてそのままアルバムをつくってみたんだ。ゲンズブールの影響はフランスにいると免れ得ない。どんな音楽のジャンルだろうが気にしないっていうことを彼のような人から学んだんだと思う。ただ自分の音楽をつくるだけ。『ダンソン』を言葉にすれば、似非ブラジル音楽の正統派ナイーム・アモール的アルバム、って感じかな。他にフランス人アーティストだと、レオ・フェレ、イヴ・モンタン、ボリス・ヴィアンといった名だたるシンガー、それ以外にもバーバラ、アンリ・サルヴァドール、アンリ・クローラ、ジャンゴ・ラインハルトといった人が好きだね。

■アメリカに移住して15年が経ちますが、それでも自分の中に残っているフランス性のようなものがありますか?
□俺は実際の自分以上にフランス人っぽくしようとしないから、驚く人も少なくないみたいだね(多分がっかりさせてるかも)。アメリカではベレー帽をかぶって口ひげを生やしたほうが人気者になれるからね。俺が自分のフランス性を感じるのはその感受性の点かな。ものごとの見方の違いや距離感、分析することへの強い情熱…。でも同時に俺はアメリカを正確に見ることができないんだ。アメリカにはワールドワイドな影響力があって、僕みたいなひとりのフランス人の中にもアメリカがある。移住してもう15年も経つしね。アメリカの文化ということでは、少なくとも音楽について言えばフランスよりもスポンテニアスで、フランスほど分析的な面は少ないように思う。ここで暮らして四六時中演奏してきたし、僕もアメリカのレベルに達したんじゃないかな。

■あなたが以前やっていたウィッチズ・ヴァレー、ジェネラシオン・カオといったバンドについて教えてください。
□ウィッチズ・ヴァレーはなかなかのサイケデリック・パンク・ロック・バンドだったよ。余り理解されなかったけどね。今でも聴けるアルバムが1枚あるはずだ。ジェネラシオン・カオは、単なるバンドというよりも大がかりなプロジェクトだった。役者や音楽家を交えた学生の一団だったんだ。60年代の状況主義者(シチュアシオニスト)だったマルク・オー(Marc'O)も関わっている政治運動のひとつでね。演者としてステージでどう動けばいいのかをそこで学ぶことができたし、音楽的にも作曲家のジャン・シャルル・フランソワと即興を主題に6年間仕事をすることができた。

■ちなみにマリアンヌ・ディッサードとはどうやって知り合ったのですか?
□ジェネラシオン・カオを通して知り合ったんだ。結局実現しなかったけど、彼女はジェネラシオン・カオのツアーをオーガナイズしようとしたんだよね。でも、俺はツーソンに移っちゃったから…。

■では、アモール・ベロム・デュオは?
□トーマス・ベロムもそのジェネラシオン・カオのメンバーだったんだ。で、一緒にツーソンに行かないかって誘ってね。で、俺と一緒に来ることになったってわけ。アモール・ベロム・デュオは2002年に活動をやめちゃったけど、いつか何かやろうぜっていつも話し合ってる。ただ、なかなか時間と機会がなくてね。

■そもそもツーソンに移り住んだ理由は? ツーソンのどんな点があなたを惹きつけたのでしょう?
□ツーソンだったら毎日プレイできるからね。家にいたままでも練習できるしさ。小さな町の利点だけじゃなく、大都会のダイナミズムもあるしね。もちろん60年代のキャデラックで町を流したりした日には…。

■15年前と今のツーソンに違いはありますか? 特に音楽シーンにおいて大きな変化はあったでしょうか?
□変化はいつもある。いろんな店がなくなって、新しくオープンして、出て行く人もいれば新しく移ってくる人もいる。ただ、一番大きく変わったのは世界そのものじゃないかな。2001年の9.11からすべてが変わっちゃったし、インターネット革命が人々の暮らしや音楽の体験方法を変えたしね。

■最後にハウ・ゲルブ(ジャイアント・サンド)、キャレキシコのジョン・コンヴァーティノやジョーイ・バーンズといった人たちについてコメントをいただけますか?
□ここに移ってきて最初に知り合った3人のことだね。ジョーイ・バーンズは最初に会ったとき、まだジャイアント・サンドでベースを弾いてた。キャレキシコはまだなくてね。彼のオープン・リールで、僕とマリアンヌ・ディッサードの曲を幾つか録音したんだよね。その後、彼らとは数え切れないほどの共同作業をしたよ。3人ともみんな素晴らしい音楽家で、最高に素敵な人間たちだ。

ツーソンを見て驚け、という言い回しがあるのだとか。

逆まわりの音楽 その1


さようなら。さて、スウィート・ドリームス・プレスは安永哲郎事務室と新しいライブ・シリーズを始めます。題して「逆まわりの音楽」。その第1回をご存じギャラリー・セプチマで10月13日(土)に開催します。歌、ギター、ゴルジェ、バグパイプ、ドローン、サイケデリアで巡るパラレル・ワールド・ミュージック。もしかしてもう一組出演者が増えるかもしれませんが、まずは概要を。ぜひ覗きに来てください。それではこんにちは。


逆まわりの音楽 その1

10月13日(土)立川・砂川七番 ギャラリー・セプチマ
(東京都立川市柏町3-8-2/多摩都市モノレール砂川七番駅より徒歩2分)

麓健一BAGPIPE BLASTOSHELLLAMEPHONE'S ATTC
DJ: Satoshi YashiroToki Takumi

開場 3:00pm/開演 3:30pm 料金 2,000円(1ドリンク込)

2012/09/12

Naim Amor - Dansons


アーティスト:ナイーム・アモール

タイトル:ダンソン
カタログ番号:SDCD-011
発売日:2012年9月15日
収録曲数:12曲
パッケージ:A式紙ジャケ(シングル)
歌詞対訳・アーティスト本人によるショート・エッセイ付き

定価:1,800円+税
ご購入はこちらから
アリゾナ発デザート・ロック・シーンに舞い降りたひとりのパリジャン
ナイーム・アモールが砂漠で夢見たボサノヴァ・レコード

1997年、ひとりのフランス男が海を渡り、砂漠の真ん中に降り立ちました。そこはアリゾナ州ツーソン、男の片手には重そうなギターのハードケース。あとで分かることですが、そこにはスパゲッティ・ウエスタン風味の音響アンサンブルという密輸品が隠されていました。その媚薬はキャレキシコのふたりやハウ・ゲルブ/ジャイアント・サンドらの地元ギャングに手渡され、彼はツーソンきっての辣腕ギター奏者/ソングライターとしてメキメキと頭角を現わします。同時にドラマー、トーマス・ベロムとのアモール・ベロム・デュオ、そのデュオにキャレキシコのふたりを加えたA.B.B.C.といったプロジェクト、また、ソロ・アーティストとしてもこれまで2枚のソロ・アルバムに4枚の「架空の」サウンドトラックを発表し、実は「知る人ぞ知る」以上の充実した活動を彼の地で続けているのです。

そして、この『ダンソン』はナイーム・アモール3枚目のソロ・アルバムとなります。まずはアリ・バホーゾの有名なサンバ「ブラジルの水彩画」を思わせる冒頭の「Creole」をお聴きください。天高く駆け抜けるようなファルセット、途中から加わる口笛もゴキゲンです。ボサノヴァ~サンバのようでいて、ハワイアンやカントリーのニュアンスも随所に、果てはナイーム自家薬籠中の奇妙な音響加工も飛び出し……、とまさに曲名通りの心憎い仕上がり。さらに、テンポの速いサンバ・ジャズにミュゼットのアコーディオン、そこにウエスタン調のトゥワンギーなギター・ソロを被せるという彼ならではのタイトル曲も、エミリ・マルシャンとのデュエットに仕立てた唯一のカバー曲「Our Day Will Come」(オリジナルはルビー&ザ・ロマンティックス)もお聞き逃しないように。

まるでフレンチ・クオーターの喧噪が遠い異国のカルナヴァルに滲んでいくような、懐かしくもいかがわしいポップ・アルバムの愉しみに満たされて……。ぜひ、残暑残るうちに心ゆくまでお楽しみください。ちなみに「ダンソン」とはフランス語で「踊りましょう」という意味だそうですよ。

Tracks
1. Creole
2. Le Revenant
3. Dansons
4. The Day After
5. Time Is Real
6. On Se Tient
7. The Other Step
8. Son Grand Sourire
9. Our Day Will Comee
10. Sparkling Guitar
11. Waltzsamba
12. Si Tot

2012/09/03

秋の空のとてもいいこと


 東京は久しぶりの雨の日が2日続き、そのあとにすっかり当たり前のような顔で秋がやってきました。またこれから暑い日もあるのでしょうが、そこはそれ、秋の空です。

 さて、スウィート・ドリームス・プレスは10月15日にGofishのアルバム『とてもいいこと』をリリースします。このアルバムの音をショウタくんにもらって聴きはじめたのが6月だったので、ことしの夏は丸ごとこの『とてもいいこと』を聴いて過ごしました。その間に自宅/事務所を引っ越して新しい町にやってきたのですが(といっても隣の駅だけど)、今までよりも少し町中の部屋を借りたせいで朝起きて聞こえてくる窓外の音も聞き慣れず、実はいまだに旅行先のような気持ちでいます。でも不思議と、そういう地に足がつかない状態で聴く『とてもいいこと』はとてもいいものでした。じっくりじっくりゆっくりゆっくりと体が何かになじんでいくときに、とりわけこんな音楽が近くにあったことはとても頼もしいことです。かけがえのない作品って例えばこういうふうにそうなっていくんだね、きっと。

 それでは『とてもいいこと』とはどんなアルバムか。まだ皆さんには今すべてを聴いていただけないのに、ここでくどくどと説明するのは生殺しというか、まるで意地悪をしているような気分ですが、下記に作品の紹介用に書いた文章を掲載してみます。もし、実際に作品を手に取って耳にするまで必要以上の情報は要らないという方はここまで。もし、無駄に妄想を膨らませたい酔狂な方がいらっしゃったらどうぞ先へお進みください。


Gofish - 夢の速さ by Sweet Dreams Press


2012/08/31

松井一平個展『やせい』



本年3~4月にNo.12 Gallery(東京・上原)で開催された「ぞうえん」、重なるようにして始まった3~5月の「しゅくず」(於:東京・高円寺の音飯)に続く松井一平(TEASI、わすれろ草)の個展がはじまります。

タイトルは「やせい」、会場は浅草橋の天才算数塾です。春の展示は激しい雨の日もありましたが、あっという間にあれから4カ月、この激しい暑さの中、一平くんがつくりあげた作品が展示されます。上の写真を見る限り今回は立体作品がメインになるのでしょうか? ともあれ、作品のひとつひとつにそっと耳を傾けて見てください。会期中には作家本人も在廊していることが多いと思います。その人柄に触れる楽しみもご一緒に。

松井一平個展『やせい』
浅草橋天才算数塾(080-5084-0721)
東京都台東区浅草橋2-5-8
9月1日(土)~11日(水)
時間:正午~7:00pm
※入場時1ドリンク・オーダー(500円)をお願いします。

お問い合わせ:浅草橋天才算数塾

セプチマの<ポップ・アンダーグラウンド・ショーケース2012>



突然ですが、マップ/コンペアノーツ/なぎ食堂の小田晶房さんと「きのしー」こと木下夕希ちゃんの日々の妄想と夢と希望が現実化した<ポップ・アンダーグランド・ショーケース2012>なるライブ・シリーズのクロージング・パーティーをスウィート・ドリームス・プレスとギャラリー・セプチマでお手伝いします!

出演バンドはこの日を最後にちょいとおめでたい事情があって活動を一時休止する寄り道ライオット・ガールズ、おにんこ!。しかも、ゲストに、な、な、な、な、なんちょ…、いやなんと、stillichimiya(スティルイチミヤ)の屋台骨を支えるMC、BigBenをゲストに迎えたスペシャル・セットでのご登場です。そして『スウィート・ドリームス』の小説「ボサノバ」も大好評、<ポップ・アンダーグランド・ショーケース2012>本編にも欠かせない存在であるテニスコーツ(出演は9月12日・於神保町スタジオイワト)の植野隆司さんもお目見え、この日は演奏にBBQにと大忙しとなるようですヨ。ちなみにセプチマ名物のバーベキューはいつでも食材持ち込み大歓迎。食べたいものをその場で焼き焼きしちゃってください。ジュージュー、モグモグ……。
 ハッ……と気づけばここはバンコク化、カルカッタ化、ムシムシする夕暮れどきには限りなく自由なレゲ~ロックステディに腰がうずくAmephone's attcがお出迎え! さらにスッパパンドのアルバムも楽しみなスッパマイクロパンチョップ! 皆でこのなぞなぞだらけの音楽を心ゆくまで楽しみましょう。
 とここで時間を逆回転、ギャラリー・セプチマの幕開けはいつだってフムフムがホストなのでした。イノセントなガレージ・ロックは時々電圧が不安定、そこは笑って許してね。
 以上5組、出演の順番などお気になさらず頭からしっぽまで丸ごとお召し上がりいただければと。ただ、食べやすい音楽ばかりというわけでもございませんので、万一のどに詰まったら魅惑のバー給湯室へ。この日はちょいとトロピカルなスピリッツを用意するようです。

 といつものような、自分の身の回りに応用がきくセプチマのパーティーです。ぜひお友達や家族を誘っていらっしゃってください。ちょっと遠いかもしれないし、至れり尽くせりのサービスというわけにはいきませんが、自由気ままとまるでご町内のような雰囲気だけはありますヨ。

ちなみにギャラリー・セプチマはこんなところです。庭でバーベキューしたり、スイカ割りしたり、花火をしたり。
ライブ会場というよりは友達ん家のパーティーに顔を出す感覚でどうぞ。

9月23日(日)立川・砂川七番 ギャラリー・セプチマ
(東京都立川市柏町3-8-2/多摩都市モノレール砂川七番駅より徒歩2分)
出演:おにんこ! feat. BigBen (stillichimiya)、植野隆司Amephone's attcスッパマイクロパンチョップ、FUMU FUMU
開場 3:00pm/開演 3:30pm
料金:1,500円
*<ポップ・アンダーグランド・ショーケース2012>の出席スタンプ・カードにハンコ3つで無料
飲食:BAR給湯室、ふるまいバーベキュー(食材持ち込み大歓迎)あり
予約:スウィート・ドリームス・プレスギャラリー・セプチママップこちらの予約フォームより)

なお<ポップ・アンダーグランド・ショーケース2012>のその他の日程については以下をご覧下さい。

Pop Underground Showcase 2012


2012/08/24

Who's Naim Amor?


ナイーム・アモールとは一体誰か? ナイーム・アモールは1997年にアリゾナ州ツーソンにやってきたひとりのパリジャンである。しかも、写真を見る限りはちょっとした伊達男風。彼はギターやヴァイオリンを弾き、ちょっとしわがれた声で歌う。ハウ・ゲルブは「ナイーム・アモールは俺のお気に入りギタリストのひとりさ、以上!」と簡潔なコメントを寄せていたが、彼がツーソンのミュージシャン界隈にとって魅力ある「異分子」であることは確かなようだ。彼こそが「アヴァン・フレンチ・ポップ」とでも言うようなものを、ほかでもない「アメリカーナ」の震源地のひとつであるアリゾナの一都市に持ち込んだのだ。


以前キャロット・トップというシカゴのレーベルからアルバムを2枚リリースしていたアモール・ベロム・デュオというふたり組のことを知っているだろうか。彼らの作品は当時ライセンスされて国内盤にもなっていたし、つまり少しは注目を浴びていたのだろう。フレンズ・オブ・ディーン・マルティネスだとかキャレキシコだとか、荒涼とした砂漠風景を喚起させる目新しいバンドのひとつとして、また、彼の地を代表するジャイアント・サンドが『Chore of Enchantment』という傑作で大きく扉を開いた「アメリカン・ゴシック」なるものに、よりによってフランス人の身分で荷担した風変わりなバンドとして、ナイーム・アモールとドラマーのトーマス・ベロムのふたりは遊星からの物体Xよろしくフランスから舞い降り、すぐにツーソンの音楽シーンで頭角を現わしたのである。

ジャイアント・サンドの傑作アルバム『Chore of Enchantment』(2001年)

今から大体10~15年前、アメリカン・ゴシック、ポスト・ロック、アリゾナ、デザート・ロック、アメリカーナ……、まだたくさん残っていた紙の雑誌のページの端をそういった言葉が賑わしているときに彼らは活動していた。直接的にラムチョップやスパークルホース、デヴィッド・グラッブスやノエル・アクショテとのつながりを持ち上げた評も多かったように思うし(そういった人たちとアモール・ベロム・デュオはツアーしていた)、もちろん、キャレキシコのジョン・コンバーティノ、ジョーイ・バーンズ、ジャイアント・サンドのハウ・ゲルブやニック・ルカ、クレイグ・シューマッハといったツーソン周辺の敏腕ミュージシャンが実際にアモール・ベロム・デュオの作品に参加していることも、彼らを紹介する際に欠かせない便利な情報だったように思う。

アモール・ベロム・デュオの名前を一躍広めた同名セカンド・アルバム(2001年)

ともあれ、ナイームは相棒のトーマス・ベロムと一緒に物好きにもアメリカの砂漠の町にやってきたわけだが、しかし、まったくふたりでやってきたというわけではないらしい。実はアモール・ベローム・デュオにはもうひとり欠かせないメンバーがいた。作詞家としてグループに関わるマリアンヌ・ディッサード、不思議なことに彼女もまた10代でアメリカに渡ってきたフランス人で、ロスアンジェルスに住んでいたときのルームメイトが何とハウ・ゲルブだったらしい。元々映画を学んでいた彼女だが、ロスアンジェルス時代にはアレックス・コックスやグレッグ・アラキといった錚々たる人たちと交流を持っていたようで、1994年にはジャイアント・サンドのドキュメンタリー映画『Drunken Bees』を撮るためにツーソンに行き、そのままこの砂漠の町に居着いてしまったという。

才女、マリアンヌ・ディッサード

しかも、彼女はどうやってかパリ時代のナイーム・アモールと出会い、恋に落ち、人生の伴侶となった(数年前に離婚してしまったようだが)ばかりではなく、2000年代に入るとシンガーとして大きな賞賛を浴び、作詞家としてもフランソワーズ・ブルーに作品を提供するなど、充実した音楽活動を開始するのである。きっと相当な才女なのだろう。ともあれ、シャンソンとフレンチ・ポップをアメリカーナの乾いた水盤に浮かべる、という点では、ナイーム・アモールとトーマス・ベロム、そこにこのマリアンヌ・ディッサードの名前をセットで覚えておくのもいいだろう。


マリアンヌ・ディッサードが制作したアモール・ベロム・デュオのミュージック・ビデオ

なお『スウィート・ドリームス』のレギュラー寄稿家のひとりで日本通、映画『ローズ・イン・タイドランド』の原作者である作家ミッチ・カリンがツーソンにいたのも2000年代初頭だったのだろうか。夜な夜なホテル・コングレスという古いホテルに集まり、バーにたむろして、ステージではハウ・ゲルブやキャレキシコが入れ替わり立ち替わり演奏する……。重いビロウドのカーテンにペルシャ絨毯、ウィスキー、トータスのジョン・マッケンタイアが「ジャイアント・サンドのファンは本当に綺麗な女の人ばっかりで……」とうらやんだちょっと大人のポスト・ロックがそこでは日々展開されていた、のかもしれない。

ツーソンと言えば、このホテル・コングレス

ちなみにまだパリにいたころ、ナイーム・アモールとトーマス・ベロムはウィッチズ・ヴァリーというハードコア・バンドをやったり、ジェネラシオン・カオ(Generation Chaos)という実験的なパフォーマンス・グループに関わったりしていたらしい。彼はまたアモール・ベロム・デュオをABBC(アモール・ベロム・デュオにジョーイ・バーンズとジョン・コンバーティが加わったプロジェクト)というバンドに拡張させ、『Exsanguine』(2006年)『Sanguine』(2009年)『Dansons』(2012年)、以上3枚のソロ・アルバムと日々のスケッチ集とでも言えそうな架空のサウンドトラックを4枚リリースしている。もちろん、キャレキシコやデヴォーチカといったバンドの諸作品への客演もお忘れなく。と、活動の幅は随分広いが、どこかのサイトにナイーム・アモールが自身の音楽を表わした言葉としてこんな言葉が引用されている。「単語ふたつでいうと、伝統と実験、だね」。

2012年リリースされた最新ソロ・アルバム『Dansons』

さて、スウィート・ドリームス・プレスは、彼の3枚目のソロ・アルバム『ダンソン』を9月15日にリリースすることにしました。パリで生まれ、ツーソンで活動する男の、ロンドンの小さなレーベルから出たブラジル風アルバムの日本盤、というわけです。世界を巡り巡って見た夢は巡り巡ってこんな音楽になりました。よかったらおひとつ、その冒頭の曲を聴いてみてください。


Naim Amor - Creole by Sweet Dreams Press