2011/01/31

ジャド・フェアからの連想ゲーム

5年前のジャド・フェアの来日には同行者が3人いた。ステージを共にするランバーロブことロブ・エリクソン(ブレクタム・フロム・ブレクダムのケヴィン・ブレクダムのお兄さん)と、そのパートナーのステファニー・マンキンス(来日時はちょうど妊娠中で大変そうだったけど、その後無事に出産。今や立派な二児のママ)。それから、ビデオ・クルーとして一緒にやってきたデーモン・オバニオン。彼は雑誌『Thora-Zine』最盛期を支えたひとりで、テキサス・パンク・シーンに欠かせないひとりだったらしい。さらに、バットホール・サーファーズのギビーとは義兄弟の仲とのこと。「次はギビーの来日をセッティングしてくれよ、な」なんて笑顔で話しかけてくれたことを今でも時々思い出す。そのデーモンは帰国後1年もしないうち、2007年の春に急逝してしまった。そのこともあって、あのジャド・フェアのツアーは強く印象に残ってる。


ジャドとランバーロブが口から奇天烈な音を発し、それをリアルタイムでループさせていく。異常な躁状態のDIYビート音楽。最初の公演は大阪のブリッジだったが、サウンドチェックのとき、最初の数分でびっくらこいてしまってニヤニヤが止まらなかった。ジャド・フェア、何てかっこいい……。


ジャド・フェアとくればハーフ・ジャパニーズ。ハーフ・ジャパニーズは、70年代にジャド・フェアが弟のデヴィッドとはじめたロック・バンドのこと。どんな歌を歌っていたかというと、例えばこんな歌です。

100万のキッス

予想通りにはいかないもの
でもどっこい、予想以上にうまくいった
すごく、すっごくうまくいったの。ずっと、ずっとうまく、ね
一度ならず傷つけられ
落ち込んだのも二度どころじゃない
だから、君を嫉妬させれば、僕に優しくしてくれるんじゃないかと思ってさ

100万のキッスを100万の女の子に。君にとっておくキッスはもうない
100万のキッスを100万人の女の子に。すべては君のためなんだ

予想通りにはいかないもの
君は全く意に介さず
結局、優しくもしてくれないけど、僕もどうだってよくなった

100万のキッスを100万の女の子に。君にとっておくキッスはない
100万のキッスを100万人の女の子に。すべては君のため
そして、僕のためなんだ


一方のデヴィッド・フェアが書いたエッセイに「ギターの弾き方」というのがある。以前もどこかで紹介した気がするけど、改めてここで訳出してみよう。
ハウ・トゥ・プレイ・エレクトリック・ギター 文●デヴィッド・フェア 
僕は独学でギターを習得した。その楽器が持つ「科学」さえ理解すれば、ギターを弾くことなんてなんてことなかったよ。つまり、細い弦は高い音、太い弦は低い音。そして、調弦ペグのほうで弦を押さえると音が低くなる。あと、速く弾きたかったら手を速く動かして、ゆっくり弾きたかったら手をゆっくり動かすこと。これだけわかればもう弾ける。他の人が使ってる和音の押さえ方とか音の名前とか覚えるのもいいけど、それにも限界がある。数年かけてすべての和音を覚えたからって、それがすべてなわけじゃない。むしろ、和音のことなんて考えなければ選択肢は無限に広がるし、たった1日で君はギターをマスターできるんだ。
伝統的にギターには一番上に太い弦が張ってあって、下に行くにつれて細い弦が張られている。でも、思い出してほしいのは、せっかく自分のギターを持ったんだから、自分が好きなように弦を張ればいいということ。僕は、普通に全部違う太さの弦を張るのが好きだけど、兄貴は全部同じ太さの弦を張っていた。そうすれば、もっと簡単になるからね。どの弦を鳴らしても、それが欲しい音なんだ。
ギターのチューニングなんて、そもそもおかしな考えだ。ある位置まで調弦ペグを巻かなきゃいけないってことは、それ以外の位置はすべて間違ってるってことになる。でも、そんなのばかげてる。何で全部誤りになっちゃうんだ? 自分のギターなんだし、それを弾くのは君だろう? どんな音にしようと、すべては君の好きにしていいんだよ。事実、僕は音のためにチューニングなんてしないんだ。僕がペグを巻くのは、全部の弦を同じぐらいの張り方にするため。僕のオススメはエレキ・ギターだね。エレキはボディの共鳴にそれほど頼らないから、ペイントしてもOKだし、アンプのつまみを全部10にしたりできるから、アコースティックよりエレキのほうがずっと幅広い音を手に入れられるからね。弦を軽くたたいただけで窓ガラスがブルブル震えるんだから、アンプのボリュームを10にして弦をバタンとやった日には壁のペンキが剥げちゃうかもしれない。
最初に僕が買ったギターはシルバートーンだった。その後、僕はフェンダーのテレキャスターを買ったけど、どんな種類のギターを買おうが、どのみちネックの片方に調弦ペグがついている限り大差ない。数年前、ネックの反対側に調弦ペグがついてるギターも登場したけどね。弾いたことないから想像でしかないけど、音は別として、どうも見た目がよくないよね。あんなギターを持ってる自分を思い浮かべるだけで馬鹿っぽい。そういうこともプレイに影響しちゃうかも。ギターなんて、馬鹿みたいな気持ちになるために持つものじゃない。僕がそもそも言いたかったのは、片手にピック、片手にギターを持てば、幾ら小さな体の動きでも世界を制することができるってことなんだ。 

イイゾ、イイゾ!

ジャドとデヴィッドのフェア兄弟がどこかでひょんなことから拾ったものは、なにも、ふたりだけが特別に持っているものじゃない。例えばこんな風に……。


時にはこんな風に……。


そして、例えばこんな風に。それはつまり、君と自分のために100万のキッスを送ることなんだろう。……なんてね。

2011/01/28

PayPalのショッピングカートを導入しました

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今までも海外からのメイルオーダー希望者の方にはPayPalで対応させていただいていましたが、遅ればせながら、ウェブサイトのリニューアルにともない、PayPalのショッピングカートを導入してみました。PayPalのアカウントをお持ちの方は、今までよりずっと簡単にご注文・お支払いいただけますのでどうぞご利用ください。もちろん、PayPalのアカウントをお持ちでない方、もしくはPayPalでのお支払いを希望されない方は今までどおりメールでご注文いただけます。詳しくはこちらをご覧ください。どうぞよろしくお願いします。

2011/01/26

Jad Fair + Tenniscoats Japan Tour 2011



ジャド・フェアとテニスコーツのジャパン・ツアー2011

2006年4月以来、5年ぶりにジャド・フェアがやってきます。1974年、弟のデヴィッドと共に自宅居間のソファーでハーフ・ジャパニーズなる秘策を解禁。以来30年以上にわたって、シンガー、ギタリスト、ビッグ・スマイル、丸眼鏡、グラフィック・アーティストとして旺盛に活動を続けてきた彼の交流録には、ダニエル・ジョンストン、ヨ・ラ・テンゴ、モーリン・タッカー、ティーンエイジ・ファンクラブ、ジョン・ゾーン、ソニック・ユース、テリー・アダムス(NRBQ)…と錚々たる名士がずらり。とはいえ、それが何でしょか?と言わんばかりに飄々と、彼はDIYアート守護神のひとりとして夢のようなインターナショナル・ポップ・アンダーグラウンドを築き上げてきました。

そして、そのネットワークの進行形のひとつとして、今回のツアーでは全6公演中4公演にテニスコーツの出演が決定! こちらもまた広がる空のような秘策中の秘策だけに、夢の顔合わせと言えるでしょう。場内のそこかしこで、何かほほえむようなビッグ・バンがあること必至です。

さらに同時期に来日中のps xoも3公演でお目見え。こちらは、グレン・ブランカ~ライス・チャタムとの交遊が示すとおり、硬質なニューヨーク・スタイルで勝負。もちろん、おにんこ!、ICHI、nobuki nishiyama、ASUNA、CAVEMAN、オオルタイチ+ウタモ、M.A.G.O.、わすれろ草……、各会場、すばらしい共演者たちとの間にも、大いなる交歓を呼ぶことが予想されます。

こんなに妙ちきりんなのに、なんでこんなに笑顔になれる? 世界が愛するジャド・フェアおじさん、そして、テニスコーツはじめ新しい仲間たちとの饗宴を、みんなで祝福しましょう!

(3月5日、3月11日の公演にはテニスコーツは出演いたしません。あらかじめご了承ください)

Jad Fair (MySpace)
Tenniscoats (MySpace)

ウェブサイトをリニューアルしました


さて、もうお気づきのようにスウィート・ドリームス・プレスのウェブサイトをリニューアルしました。まだまだ未完成な部分も多いですし、多分、いろいろいじくったこの数日間、なんだか妙なことになってるなと思われた方も多いことでしょう。また、試行錯誤が続くと思うので、これからも当分ご迷惑をおかけすると思います。先週から、ワードプレスとかいろいろ試してみましたが、なんだかよくわからないので、一番簡単にもともとのブログをバージョンアップすることにしました。これでレンタルサーバー代も節約できるし、シンプルが一番かなと。今までにあった商品カタログは、左のサイドバーに本やCDなどのフォーマット別に分けておきましたので、一覧されたい方はそちらからどうぞ。ご注文は今までと同様、当分の間はメールにてお知らせいただく形ですが、もうちょっと手軽に買えるようにしたいなと思ってます。

2011/01/21

探し物をしています

スウィート・ドリームスでは、今、探し物をしています。昨年5月16日(日)、町田の簗田寺で開催した「はるでら」、出演者のタラ・ジェイン・オニールと二階堂和美さんが共演したセットをビデオ撮影した方はいらっしゃらないでしょうか? もちろん探し出してとっちめてやろうなんてぇことではありません。実はこのふたり、2008年、2010年と、タラの来日のたびに共同で録音してきました。そして、ようやくそのアルバムが完成しそうなのです。もちろん、国内盤はスウィート・ドリームスより、また、アメリカでもとある優良インディ・レーベルから今春リリースされることが決まりそうでして、つきましては、あのお寺のシーンを使ってビデオをつくりたいなとタラさん。が、こちらでオフィシャルに録画を手配したわけでもなく、どなたかお客さんの中で録画された方はいないかなーと、こういうわけです。大したお礼はできませんが、もし録画された方がいらっしゃいましたら、ぜひこちらまでご連絡ください。どうぞよろしくお願いします!

上の素敵な写真はこちらのサイト「どうしてエスキモー?」のさちこさんよりご提供いただきました。どうもありがとうございます。

2011/01/13

Take a look inside... Warmers!!

さて、ご報告がおそくなっちゃいました。ごめんね。かねてよりお伝えしています「Warmers(ウォーマーズ~小さな冬の展覧会)」絶賛開催中です。上は、そのオープニング・レセプションの様子から1枚。出品作家のひとり、アンディ・ジェンキンスくんが、ひとり静か~に角砂糖を積み上げているところです。が、あまりに楽しくて酔っぱらっていたせいか、ほかによい写真がなく……、なので、アンディが撮ったこちらをごらんいただければと思います。ね、みんな楽しそうでしょ。

2011/01/08

Warmers


タイトル:ウォーマーズ
カタログ番号:SDZ-002
発売日:2011年1月8日
ページ数:32ページ
定価:420円(税込)
SOLD OUT
Warmers(ウォーマーズ~小さな冬の展覧会)小冊子

京都のトランスポップ・ギャラリーで開催された「Warmers(ウォーマーズ~小さな冬の展覧会)」に併せて制作したジン。展示作品から15点と、ウォーマーズにかかわるさまざまなエッセイやインタビュー、コラムを収録。でたらめなエッセイ「昭和26年のウォーマーズ」(福田教雄)を手始めに、ミシシッピのコミック「ウォーマーズ」、キュレーターであるヴィクトリア・ロングのインタビュー、ピニョン・ピニョン(福井県敦賀市)で開催されたオリジナル・ウォーマーズ展についてのエッセイ(喜多村純)、さらに、吉本栄、荒田光一、ASUNA、福田がウォーマーズのサウンドトラックとして10曲ずつ選びコメントを寄せるほか、出展作家のプロフィール等を掲載。で、ウォーマーズって一体なんなのよ? その答えはここにある……のかはわかりませんが、出品作家の中には、!!!のアルバム『Myth Takes』のカバー・アートを手がけたケヴィン・ホーイマンや、元ラヴェンダー・ダイアモンドのロン・リージ・ジュニアなど人気作家もチラホラ。それら、USインディー・ロックに接するDIYアート・シーンを日本海の曇り空越しに眺めてみました。

Warmers


ウォーマーズ~小さな冬の展覧会

A small show of art from some kindred spirits.
Friends and collaborators. Housemates and people who have never met.
Art gathered from across America: Upstate New York. Pittsburgh. Philadelphia. Central Virginia. California. Mississippi.
Winter is tough. Winter will fade you.
Snow blows in drifts and makes it hard to see.
Come inside. Get out of the cold.

「ウォーマーズ」は、同志の集まりによる小さな展覧会です。また、友達、協力者、同居人、まだ会ったことのない人同士による小さな展示会です。
作品は、アメリカ各地から集められました。ニューヨーク州北部、ピッツバーグ、フィラデルフィア、ヴァージニア中央部、カリフォルニア、ミシシッピ。
冬はつらく、あなたの気持ちを落ちこませてしまうでしょう。
吹き寄せる雪で視界も狭まります。
だから、さあ、中に入ってきて。ここで寒さをしのいでいってください。

2011/01/07

HAPPY NEW YEAR 2011

遅くなりましたが、皆様、明けましておめでとうございます!

さて、2011年のスウィート・ドリームスは、明日、1月8日(土)からはじまる「Warmers(ウォーマーズ~小さな冬の展覧会)」展のサポートからはじまります。そして、2011年のスウィート・ドリームス最初の一品は、その「Warmers」展にあわせたジンとあいなりました。