2011/10/05

Introducing Rachael Dadd(その2)


レイチェル・ダッドのニュー・アルバム『バイト・ザ・マウンテン』のリリースまで、あと10日となりました。特典CD-Rもまだまだご用意できますので、ぜひ、スウィート・ドリームス・プレスのメイル・オーダーをご利用ください(ご利用方法についてはこちらを)。さらに、今回は特別にレイチェル・ダッドが長らく所属していたレーベル、エンジェルズ・エッグを主宰されている飯島直樹さんがやってらっしゃるレコード店、東京・下北沢のディスクショップ・ゼロでも、その特典CD-Rをつけていただくことになりました。特典の販促効果云々はともかく、レイチェル・ダッドという素敵なシンガーを日本に紹介し長く交流を結んでこられたことに対して少しでもサポートできたら幸いです。それに、そのCD-Rには飯島さんのお子さんとレイチェルとの、本当に愛らしいセッションが収録されているんです。タイトルは「雪だよ」。まだ雪が降るには早すぎますが、きっとこれから雪降りの日に思い出してうっとりするんだろうなと今から楽しみな1曲です。ぜひお楽しみに。もちろん、この特典CD-Rは数が限られていますので、お早めにスウィート・ドリームス・プレスかディスクショップ・ゼロ(こちら)でご予約いただければ幸いです。

というわけで、その飯島さんとレイチェルとの出会いについては『バイト・ザ・マウンテン』の氏によるライナーノーツ(必読です)にも詳しく書いてありますが、イギリスの音楽サイト、スパイラル・アース(こちら)のインタビューに、レイチェルが日本について語っている箇所がありましたので、抜き出して簡単に訳出してみました。

レイチェルが住んでいたブリストルの町並み
□日本と言えば、どうやって日本とのつながりが生まれたんですか?
◆それもまたケイト(注:ホエールボーン・ポーリーのパートナー、ケイト・ステーブルズのこと)のおかげなんです。つまり、90年代初頭に活動していたサイケ・フォーク・バンド、ジェシ・モーニングスターがメンバーだったムーンフラワーズから始まる一連のミュージシャン同士の結びつきがきっかけというか。その作品(ホエールボーン・ポーリーの『Recording with the Window Open』)のことが、エンジェルズ・エッグというレーベルを運営している飯島直樹さんのアンテナに引っかかってすごく気に入ってくれたみたいで、それに彼は元からブリストルに縁が深かったんです。レーベル自体、ブリストルの音楽にとりわけ強いレーベルなので、ジェシがケイトを紹介し、今度は私が紹介されたというわけなんです。
□ブリストルの人がことさら日本で受け入れられるような回路があるんでしょうか。
◆ブリストルの音楽に限られたものではないし、私がプレイする音楽はそもそもいわゆるブリストルの音楽とはまったく別物ですけれどね。ダブステップの音楽家/DJのロブ・スミスなんて明らかに異なる回路にいますから。私はギャラリーでアンプも使わずにバンジョーを弾いているような人間ですけど、唯一の接点がそのレーベルなんです。
□では、あなたのマイスペースに上がっていた木製の舞台に立つあなたの映像は、あれもギャラリーでのライブですか?
◆いえ、あれはエキサイティングなギグでした。すごく有名な美術家の奈良美智さんという人がいるんですが、彼が私の音楽を気に入ってくれたみたいで、自分がやっているカフェに来て演奏しないかと誘ってくれたんです。あの場面で私の背景にある木製の小屋は、そのカフェの真ん中に運んできた彼の作業場のインスタレーションなんです。
□日本語で歌ったことは?
◆ええ、1曲あります。初めて日本にやってきたとき、日本語の言葉をまとめたらきっと自己紹介に役立つんじゃないかと思ったんです。私は何も話せませんでしたから、一緒にツアーした人が、私が英語で書いたものに独自の解釈を加えて簡単に訳してくれて、それを歌いました。ザ・ハンドのアルバム『Little Feet Running』に入ってる曲がそれです。
□日本で歌うのは怖かったですか?
◆いいえ。家族や友達の前で演奏するときのほうが怖いぐらいです。家から遠く離れると、かえって緊張しなくなります。それに日本の人たちはアメージングで、いつも受け入れてくれるし、とても愛らしい。だから難しく感じることはないですね。
文中に出てくるホエールボーン・ポーリーの『Recording with the Window Open』

また、友達のKくんから、こんなサイトがありますよと教えてもらったのが、以前のレイチェル・ダッドのライブの模様を詳細に綴ったキャッツ・ベリー・レコーズのサイト(こちらこちら)。フタを開ければ、ついこの前湯島での一献に同席していた宮田京之亮さんのウェブサイトでした。生演奏を見て/聴いていて小さなアイデアのつながりが生まれていくさまを、実にうまく書かれています。ぜひ、こちらも読んでみてください。

さらにフォー・フォークズ・セイクというイギリスの音楽サイトで、今年のベスト・アルバムを決めるシュマーキュリー賞にフリート・フォクシーズの『Helplessness Blues』やレジャー・ソサエティの『Into the Murky Water』などと共にレイチェル・ダッドの『バイト・ザ・マウンテン』がノミネートされました(記事はこちら)。ちなみに、そこで彼女は『バイト・ザ・マウンテン』の制作過程についてこのように話しています。
フォー・フォークズ・セイク:つくっているときから、このアルバムは特別だと思っていましたか?
レイチェル・ダッド:制作中の経験そのものがとても特別なものでした。素晴らしい音楽家の人たちと出会い、さらに日本でその人たちと録音できてすごく幸運でした。その録音場所がまた特別なものでした。冬の北日本、雪の札幌、そして春には海を丘から臨む古い家で。日本で出会った人から学んだことは、すべてのことに感謝の念を持つということでした。だから、そういったことはこの作品にも多く入っていると思います。すべての瞬間とディテールの中に。
同じインタビューではお気に入りのレコードを問われ、レイチェルはベラ・フレックの『Throw down Your Heart』を紹介しています。バンジョーを弾き、歌い、人と話し、ライブが終われば家に「タノシカッター!」と笑顔で帰宅するレイチェル・ダッド。こういったことを理想としてではなく正常なものとするためにも、ぜひ、この『バイト・ザ・マウンテン』を聴いてみてください。では最後に、そのニュー・アルバムにも入っている「Balloon」のビデオを。ユーモラスなストップモーション・アニメ、パートナーのICHIくんも登場する楽しい楽しい映像です。