2010/04/30

It's a Sweet World


タイトル:It's a Sweet World(スウィート・ワールド展カタログ)
カタログ番号:SDBK-008
発売日:2010年4月30日
サイズ:A4版
ページ数:8ページ
付録:ニキ・マックルーアの切り絵作品を両面に印刷したA4版大判カード/ポストカード4枚(タラ・ジェイン・オニール、アイダ・パール、冨岡映里、松井一平)、バッチ1個(ダヴィン・ブレイナード/2種のうちひとつ封入)

定価:800円+税 現在在庫切れ
2010年4月29日~5月9日まで、京都のトランスポップ・ギャラリーで開催されたスウィート・ドリームスのスウィート・ワールド展を記念して制作したオマケ盛りだくさんの小冊子。8ページのカタログには、出品者の紹介やダヴィン・ブレイナードのインタビュー、俵谷哲典のコミックやセス・ハイのテキスト、コラムなどを掲載。ニキ・マックルーアの出品作品を両面に配した大判カードやポストカード(4枚)、ダヴィン・ブレイナードのバッチを1個封入したお楽しみ袋仕様です。

2010/04/29

A Sweet World of Sweet Dreams 2

タイトル:スウィート・ドリームスのスウィート・ワールド展のその2


会期:2010年4月29日(木)~5月9日(日)
会場:京都・トランスポップギャラリー(075-723-1780)
住所:〒606-8203 京都市左京区田中関田町22-75
時間:正午12時~午後7時(水~土)
正午12時~午後6時(日)

会期:2010年5月21日(金)~5月23日(日)
会場:東京 立川・ギャラリーセプチマ
住所:〒190-0004 東京都立川市柏町3-8-2
会期:2010年5月21日(金)~5月23日(日)
時間:正午12時~午後7時

イベントその1
2010年5月22日(土)
開場/開演:午後4時
入場料:1,000円
出演: Tenniscoats, My Pal Foot Foot, the teachers, 本松洋子
DJ:タナK
ホスト:Mt. Shadows (Shibata, Hatano, Fukuda)

イベントその2
2010年5月23日(日)
無料/午後3時頃から
ホスト:Mt. Shadows (Shibata, Hatano, Fukuda)
ゲスト:吉本栄

2009年6月、東京の「NOW IDeA by UTRECHT」で開催した「スウィート・ドリームスのスウィート・ワールド展」、その続編を開催します。スウィート・ドリームスという雑誌のようなムックのような本の3D版とでも言えるこの催し。縁の深いアーティストの作品展示を中心に、前回はチーム・キャシーと共同で私たちの発想の素になったレコードや書籍を集めてみましたが、今回はそのささやかなマーケット・バージョンとでも言いましょうか、なるべく手軽に買える値段のグッズを可能な限り集め、作品を見るだけじゃなくショッピングもお楽しみいただけるようにしてみました。どの商品も、なかなか現物を手にする機会が余りないものばかり。新緑の爽やかな季節、またとない機会ですので、どうぞ会場までお出かけください。お待ちしております。

参加アーティスト

ニキ・マックルーア(米・オリンピア)
Nikki McClure
毎号『スウィート・ドリームス』の表紙を飾る切り絵アーティスト。スリーター・キニーやザ・クラブスなど米北西部の人気バンドの作品を彩り、最近では二階堂和美のアルバム『ニカセトラ』のジャケットを手がけたことでも知られています。また、その精緻な切り絵を使った毎年のカレンダーは、今では定番商品としてインディー・ロック・ファンならずともおなじみの一品。今回はその作品の展示だけではなく、カードや作品集、トートバッグにTシャツなど様々な商品を集めてみました。

タラ・ジェイン・オニール(米・ポートランド)
Tara Jane O'Neil
本展示とクロスフェードするように、5月6日から全7公演のツアーがはじまるシンガー・ソングライター/サウンド・アーティスト。今回で5回目の来日ということからも、スウィート・ドリームス/マップにとっては非常に縁の深い存在と言えるでしょう。絵画作品の展示も今回で3度目。その不安定な描線が、得もいわれぬメランコリアを運びます。なお、作品以外にもTシャツやカードなど、チープ・アート・フォー・プア・ピープルを合言葉に、手ごろな商品を用意してくれるようです。

カイル・フィールド(米・サンフランシスコ)
Kyle Field
残念ながら来日はキャンセルになってしまったものの、2008年5月に東京で「カントリー・クエスチョンズ」展を開催したミュージシャン/イラストレーター。深い幻想性をたたえつつ、絶妙にポップなドローイングは世界各地で展示をされ、今ではすっかり人気アーティストのひとりに。今回は、プリントにTシャツ、カードにスケートボードのデッキ(!)などが上陸予定。すべて販売する予定です。また、音楽家としても、今後、驚きの大ニュースが控えているらしいとか(?)。

ジュヌヴィエーヴ・カストレイ(米・アナコーテス)
Genevieve Castree
1981年、カナダ、ケベック生まれのイラストレーター。コミックとアートの境界を越える精緻な描写が熱狂的な人気を集めている彼女の作品は、これまでに3度、国内でも展示されてきました。また、ウォーヴやオ・パンという名前での音楽活動も継続中。本年3月にも来日し、マウント・イアリの国内ツアー最終日に参加、素晴らしいパフォーマンスを披露していました。今回は4月14日~25日まで同ギャラリーで開催される「魔法使い」展では展示しなかった作品を特別に寄せてくれました。

チーム・キャシー(日・東京)
Team Kathy
『スウィート・ドリームス』創刊の大きなインスピレーションのひとつとなった東京のジン・レーベル。『Kathy』や『Carson』、『Romangetic Island』や最近作の『Opshop+Wheatpaste』まで、硬軟取り混ぜ、意識は高く、しかしユーモアも忘れない充実した内容のジンを発行し続けています。『スウィート・ドリームス』本誌にも毎号雑誌内ジンとして寄稿中。前回の「スウィート・ドリームスのスウィート・ワールド」展では、彼らと一緒に「141」というジンを制作したのでした。

冨岡映里(日・東京)
Eri Tomioka
「the teachers」なる名前で活動している布小物雑貨アーティスト。手芸でもありアートでもある、そして、とにかく楽しいキュートな作品の数々は、まず手にしてみてこそ真価を発揮。同じ名前でクラシックギターを爪弾き、M.A.G.O.の片割れとして大いに気を吐く。日本各地のセレクトショップやギャラリーで見る者を虜にしてきた商品や作品を、このスウィート・ワールド展にも寄せていただきました。『スウィート・ドリームス』第2号にインタビューも掲載しているので読んでみてね。

セス・ハイ(日・東京)
Seth High
『スウィート・ドリームス』創刊時から、評論ともフィクションともつかぬ独特の原稿を寄稿してくれている東京在住のアーティスト。本誌以外にも『勇猛果敢なアイダのものがたり』ではアイダの対面インタビューを、『Oh Portland, So Much to Answer for』では(一部架空の)ポートランド史を寄稿してくれるなど、写真、テキスト、ドローイングといった使用メディアの違いを超えて精力的に活動中。今回も、見る者に絶妙な「?」の痕跡を残していく作品を展示してくれる予定です。

俵谷哲典(日・東京)
Tetsunori Tawaraya
2UP、デモンストレーションズといったエクストリームなバンドの一員としても活動中のアーティスト/コミック作家。『スウィート・ドリームス』誌上でも、今まで奇天烈なコミックを寄稿してくれているのでお馴染みでしょう。アーティストとして、これまで世界各地で作品を展示。その近未来原始を幻視したような不思議な作風は、前回のスウィート・ワールド展でもひときわ目を惹く存在でした。今回も新作コミック原画などで、ぐにゃりと時空を捻じ曲げてくれること請け合いです。

松井一平(日・愛知)
Ippei Matsui(payone.exblog.jp)
自身や親交の深いバンドのレコード・ジャケットを手がけたり、また、いろいろなグループ展やジンに参加しつつ、時間の経年変化のようなものを美しく霞んだイラストや版画などに取り入れてきたアーティスト。2006年には東京での個展にあわせ、図録『なまえがない』を制作。もちろん、言うまでもなく、スウィート・ドリームスよりサード・アルバム『SANDO』を発表したTEASIのボーカル/ギターとしても知られ、最近は新バンド、わすれろ草のメンバーとしても活動している。

ダヴィン・ブレイナード(米・デトロイト)
Davin Brainard
ヒズ・ネーム・イズ・アライヴのレーベル、タイム・ステレオを根城に、カラフルでラヴリーなステンシル作品を発表するアーティスト。彼のアートが彩る多くの作品の中にはアイダのリミックス盤『Shhh』も含まれ、スウィート・ドリームスの『勇猛果敢なアイダのものがたり』にも作品を寄せてくれています。デトロイトのギャラリー、UFOファクトリーの運営にもかかわり、プリンセス・ドラゴンマムの一員でもある異能の人。今回もいろいろ楽しい作品を送ってくれるとのこと。

アイダ・パール(米・ニューヨーク)
Ida Pearle
2008年にアイダという素敵なバンドの初来日を記念して刊行したCD付ブック『勇猛果敢なアイダのものがたり』の表紙アートを手がけてくれた才女。アイダの準メンバーとしても知られ(ヴァイオリンを担当)、そのアイダのアルバム『The Braille Night』や、アイダのシンガー、エリザベス・ミッチェルのキッズ・アルバム『You Are My Little Bird』でも、彼女の愛らしい貼り絵があしらわれていました。今回はプリントやグリーティング・カードを出品してくれる予定です。

以上のほか、もちろんスウィート・ドリームスの既発表作品の販売もあり。また、上記の参加予定作家とも少なからず縁のあるKレコードの主宰者、キャルヴィン・ジョンソンが選曲したレア曲満載のゴキゲンなミックス・テープも各種入荷予定。さらにロック・ファン必見、米ロスアンジェルス在住のドキュメンタリー映像作家、ピーター・チャンのDVDなんていうしろものまで。展示作品はもちろん、どの商品も数に限りがございますので、お早めにお買い求めください。再入荷の予定は、今のところありません。

無事終了いたしました。たくさんのお客様にお越しいただき、誠にありがとうございました。

2010/04/25

スウィート・ワールド展のお知らせ


さて、下の投稿で『スウィート・ドリームスのヒビ』の下にチラリ見えていた絵は、おなじみ米ワシントン州オリンピア在住の切り絵アーティスト、ニキ・マックルーアの作品なのでした! で、なぜそのモノホンがこちらにあるのかと言いますと、そうです。「スウィート・ドリームスのスウィート・ワールド展」のその2を、ジュヌヴィエーヴ・カストレイ展でお世話になった京都トランスポップ・ギャラリーで開催させていただくことが決定したのです。

毎号『スウィート・ドリームス』の表紙を飾っている上記のニキ・マックルーア作品のほか、カイル・フィールド(リトル・ウィングス)、タラ・ジェイン・オニール松井一平(TEASI)、ダヴィン・ブレイナード(プリンセス・ドラゴンマム、タイム・ステレオ)、俵谷哲典(2UP)、アイダ・パール(元アイダ)、冨岡映里(the teachers)、ジュヌヴィエーヴ・カストレイ(先日の「魔法使い」展で未展示の作品)、チーム・キャシー、ステファン・マクブルーム(セス・ハイ)……、以上11組、スウィート・ドリームス縁のアーティストたちの作品を展示・即売しちゃいます。

ちなみにニキ・マックルーアの作品は額付き25万円と少々お高うございますが(見ていただければそれも納得なのよ)、数百円、数千円と、お手ごろ価格の作品、商品もどっさりあるのでご安心を。もちろん、ただ見ていただくだけでも十分楽しい展示になるようにしますのでお楽しみにね。なお、ニキ・マックルーアについては、作品だけでなく、Tシャツやポスター、画集、カード、バッグなどなど、その人気商品の数々を可能な限り取り寄せましたっ。価格もバイオリンピアで送料出して注文するよりも安くなるような設定にしてますので(何より実物が見れるし、ね)、ぜひこの機会をお見逃しなく。

ニキの切り絵って近くで見ると、浮き上がっているところがあってとても立体的。ちょうどゴールデンウィークですし、京都めぐりがてら、ぜひ出町柳まで足を伸ばしてみてはいかがでしょうか。

スウィート・ドリームスのスウィート・ワールド展のその2

2010年4月29日(木)~5月9日(日)
時間:正午12時~午後7時(水~土)
正午12時~午後6時(日)

問い合わせ:トランスポップギャラリー
〒606-8203 京都市左京区田中関田町22-75
ph: 075-723-1780

2010/04/18

「スウィート・ドリームスのヒビ」配布中

ようやく晴れたこんな日には、ちょうどこんなイベントもあったりして楽しいもの。そして、タラ・ジェイン・オニールのフライヤー兼フリーペーパーとして「スウィート・ドリームスのヒビ」っていうのをつくってみました。今回は、ライアン・フランチェスコーニのインタビューや、TEASI『SANDO』に寄せられたコメントなどを紹介しております。早速ニューズレターでお知らせしたところ(メイリングリストご希望はこちらを)、送付希望のご連絡を次々といただき、どうもありがとうございました。というわけで、まだ配布しきれていない東京の一部の店舗を残して早々に在庫切れ。というわけで、新ネタも仕込んだことだし、早速、次の号も作っておりますので「欲しい!」という方はこちらに送付先をメールしてください。送料はサービスさせていただきますが、その分、ちょっと多めにお送りしますので、お仲間やお好きなお店に配っていただけると嬉しいです。で、次の新ネタは? ヒントは、上の写真にありますー。あれ、どっかで見たような切り絵が……。

2010/04/15

京都でのジュヌヴィエーヴ・カストレイ展、開催中

京都トランスポップ・ギャラリーでのジュヌヴィエーヴ・カストレイ展「魔法使い」、昨日より無事に開催しております。ぜひぜひ皆様お誘いあわせの上、覗いていってくださいな。日本版も作った「ウー」というタイトルのコミック原画に、ひと回り大き目なサイズの近作、作家曰く「くもの巣」という手芸オブジェ(これ、1,500円と3,000円というお手ごろ価格です)などを展示・(一部)販売中です。もちろん、もう残り少なくなってしまったコミック「ウー」もまだあります。売れ残ったら、スウィート・ドリームスのウェブサイトでも販売しようかなーと思ってたんだけど、東京でのペースを考えると、どうかなー、ぎりぎりなくなっちゃうかも。なので、ゴキョウミある方はお早めにどうぞ。では、25日までの会期中、どうぞよろしくお願いします!

2010/04/14

Q&A: Tara Jane O'Neil



もし「タラ・ジェイン・オニールの来日なんて5回目だし、今まで何回か見たから、今回はまあいいかな……」なんて思っている方がいるとしたら、さて、となると困ったなと頭を抱えてしまうわけです。何度も呼ぶのは、つまりは(要らない)箔をつけたくないからで、もちろん大会場できちんとパッケージされた、一生の思い出になるようなコンサートも悪くはないけど、そういうものだけじゃなくて、何度も何度もひとつながりになった体験を自分に重ねられるような、そういうのがあるのも素敵なんじゃないかなと思うんですよねっ。というわけで、タラ・ジェイン・オニールのジャパン・ツアー2010、絶賛前売り予約受付中です(くわしくはこちらの「EVENT」ページで)ので、改めてよろしくお願いします!

というわけで、最近のタラのことを知るのに格好のインタビューがこちらにあったので訳出してみました。インタビュアーはダグラス・ウォーク。スウィート・ドリームスからの『勇猛果敢なアイダのものがたり』で寄稿してくれたポートランド在住の音楽ライターで、実は90年代にダーク・ビラヴド・クラウドってナイスなレーベルをやってた人なんですねぇ。だから、タラも勝手知ったる仲ということで、打ちとけた楽しいやり取りになっています。特に「グランジ女」云々のくだりとか、ちょっと吹き出しちゃった。ぜひ読んでみてください。あと、今回の来日でも、観客の皆さんと一緒にジャムに興ずるシーンはよくあるはず。そちらも楽しみに来てくださいね!
Q&A: TARA JANE O'NEIL
タラ・ジェイン・オニールは、つまり、ひとりの女性の創造的竜巻のようなものである。彼女は、過去15年にわたって印象深いディスコグラフィーを築き上げてきたシンガーであり、マルチ演奏家であり、ソングライターであり、インプロヴァイザーであり、また、ヴィジュアル・アーティストでもある。1994年、ロダンの一員としてレコード・デビューを果たして以来、彼女はドリンキング・ウーマン、ザ・ソノラ・パイン、レトシン、ザ・キング・コブラのメンバーとして活動しつつ、セバドーからマイケル・ハーレーまで、幅広い人たちとのコラボレーションを重ねてきた。そして過去10年、彼女はまた、柔らかく瞑想的な一連のソロ作品を制作している。最近作である『A Ways Away』は、ここ数年のコンスタントなツアーにおいて、ライヴの場で度々披露されてきた楽曲を記録した作品となっている。我々「eMusic」は、現在の彼女のホームベースであるオレゴン州ポートランドで彼女とコーヒーを挟んでテーブルについた。曰く「エクスタティック・タンバリン・オーケストラ」なる名前の観客巻き込み型ジャム・セッションのこと、カラオケ愛、グランジ嫌悪、そして秘密の分身カントリー娘などについて話を訊いてみた。

最近は幾つバンドやってるの? ソロでもライヴやるけど、ミラーのバンドでもツアー回ってるよね?
去年のCMJでは、アイダに参加して、カスタネッツで弾いて、ミラーでもやったし、さらに自分のソロもあった。楽しかったわよ。94年に初めてニューヨークに引っ越したとき、私なんかまだぺいぺいの下っ端だったけど、みんなに「尻軽バンド女」なんて言われてたっけ。そんときは、何のことなのか全くわかんなかったけどね。でも年をとってちょっとは慎重になったわ。年老いた体に残された体力には限りがあるし、なるべく有効に使わなくっちゃね。

ずっとアメリカ国内を転々としてきてたけど、今はようやくポートランドに落ち着いた感じ?
そうね。自分でもびっくりしてる。ミシシッピにいたころなんて、誰も私が好きな音楽なんて見向きもしなかったのにね。でも反対に、私、グランジってやつが大っ嫌いなんだけど、困ったことにポートランドの人ってグランジ大好きなのよね。めちゃくちゃ入れ込んじゃってさ。ま、それが文化ってものなのかもね。

でも、君がいたロダンだって、グランジにくくられかねなかったよね。
ロダンは断じてグランジじゃ、な・い・で・す! メンバーみんなグランジなんか大嫌いだったわよ。そういえば3年前かな、マイケル・ハーレーやアイダとウッドストックでライヴやったんだけど、ライヴ後、フリークアウトした年上の男がやってきて「君の演奏中、詩を書いてたんだ」なんて言ってくるのね。で「あら素敵、読んでくれる?」、「もちろん、ありがとう。じゃ、君に捧げるね」って。その男、ちょっとビート詩人風だったんだけど、その詩に何回も何回も何回も何回も「グランジ女」って言葉が出てくんの! 最後にお世辞で「本当にいい詩ね……。でも、なんで私がグランジ女なのかな?」って訊いたら、その男「君を見ていたら自然に言葉が!」だって。「全然、ち・が・い・ま・す!!」って言ってやったわよ。

君はポートランドでは、もはやカラオケ・レジェンドになってるね。去年のエクスペリメンタル・フィルムメイカー・カラオケ・スローダウン(実験映画作家が集まってカラオケするイベントか何か?)で、オリビア・ニュートン・ジョンの「ザナドゥ」を歌ってめちゃくちゃ盛り上げてたよね。
生まれてからあれほど盛大な拍手を受けたことなんてなかったわ。4,000人の観客の前で演奏することもあるけど、あれがいちばん盛り上がったな。最高だったわ。

じゃあ、エクスタティック・タンバリン・オーケストラについて教えてくれる?
最初はノースキャロライナのグリーンズボロだったかな。2006年のツアー中のことよ。バンドのメンバーが体調を崩してツアーを抜けることになったんだけど、まだ2公演残ってたの。で、足元のタンバリンを踏んで演奏する曲が1曲あったんだけど、たまたま予備のタンバリンが2つあったし、すごく孤独な気分だったから、そのタンバリンを観客に渡して……。それが始まりだったんじゃないかな。この2年間、ポートランドでもよくライヴはやっているけど、2005~2006年は特に大編成での即興ジャムセッションをよくやっていたの。その2つのアプローチを並行してやっていたとき、大人数で打楽器を一緒に演奏することもあって、それがすごくよくってね。まるでゴスペル音楽か何かみたいだった。
そうして、タンバリンを詰めたカバンを持って旅に出るようになって、それが本当に楽しくて。それに文化を計る物差しとしても面白いのよ。パリだと、観客は座ったままで、ライヴでうっとりして静かに聴き入ってる感じなのね。そこにタンバリンを回しても、みんな床に置いて何もしようとしないの。びっくりよ。
一方、2年前にイスタンブールに初めて行ったのね。みんな歌詞をちゃんと覚えていて、すごくエキサイトしてたから、きっと私の曲は違法ダウンロードで聴いてるんだと思うけど、ともかく、そこにタンバリンを手渡すと、普通、セッションなんて長くても大体1曲分に収まるものだけど、トルコじゃ何と45分も続いたの! 最初、その曲を普通に演奏して、途中で伴奏をお願いしたんだけど、どっかの瞬間にスイッチが入っちゃったのね。それから延々ジャム・セッション。いかに観客や地域の違いが大きいかを見せつけられたわ。ある意味、リスキーだけどね。だって、ライヴに没頭している最中にタンバリンを投げられたりしたら、そんなの嫌だ、興味ないよって人だっているもんね。でも、それが功を奏するときもあるの。もう何年もやってるし、普段は同じことを繰り返すのは嫌いな性質なんだけど、これだけは飽きずにやってるわ。

アルバム『A Ways Away』には、ここのところずっとライヴで演奏していた曲も入ってるね。数年前に出た画集『Wings, Strings, Meridians』の付録CDに入ってた「Pearl Into Sand」の別バージョンとか。
ずっと演奏してることもあって、この曲はまさに一心同体って感じなの。ステージで煮詰めていった曲だしね。作曲には長い時間がかかるほうだけど、こういう感じで仕上げた曲って余りないの。この曲からライヴを始めるんだけど、ショーに向けてのスペースをつくるには使える曲なのよね。そういう意味では「Dig In」もそう。レコードでは最初の曲だけど、ライヴだと一番最後に演ってるの。前作から3年が経ってるけど、この作品はすごく気に入ってる。持ち曲の形をじっくり変えていったせいもあるんじゃないかな。

自分で書いた曲の中で、気に入っていても自分っぽく響かない曲ってあったりする?
そうそう。あるのよね! このアルバムをつくってたとき、そういうことをよく思ったわ。1曲1曲に個人的な目的はあるけど、必ずしもリリースされなければならないってわけじゃない。ちょうど自分が描いてるドローイングみたいなものね。そこに積まれてる絵はただのドローイングに過ぎなくて、世界に向けて発表するためにあるわけじゃない、みたいな。気に入った楽器の演奏はたくさんハード・ディスクに入ってるんだけど、まだその演奏が鳴るべき会場は見つけられてないの。
それに、その場のノリでカントリーを演ったガレージ・バンドのファイルもたくさんあるのよ。自分の中に、そういうカントリー音楽用のキャラクターがいるの。現実世界では知られていないけど、ちゃんとそこに存在してるのよ。名前はロンダ・ペイチェック。ロンダ・ペイチェックは、ある日チャンスをつかむの。リンダ・ロンシュタットを思わせる70年代のカントリー・ロック歌手。でも、彼女には誰も知らない秘密の愉しみがあって、それはアコースティック・ギターの小曲を演奏することなのね。でも、ある日彼女は死んでしまう。ナッシュビルのスターの多くがそうだったような、ひどい死に方でね。そうして、その秘密の曲がリリースされて、多くのヒップスターたちに愛されることになるのよ。

2010/04/12

ジュヌヴィエーヴ・カストレイの新着映像を



明後日から京都のトランスポップ・ギャラリーで始まるジュヌヴィエーヴ・カストレイの「魔法使い」展ですが、東京は目白のブックギャラリー・ポポタムでのオープニング・パーティーの様子を、我らが波田野州平監督(ギャラリー・セプチマ)が撮影&編集してくれたのでご紹介。彼が、今、進めている「ナイト・ピープル」という映像日記のひとつ、ということにもなるのでしょうか。終演後、そそくさとパートナーのフィル・エルヴラムのもとに向かってハイタッチ。そんなシーンにも心あたたまります、ね。この後、ちょうど来日中のダーティー・プロジェクターズ一行も加わって、いや、あの夜は楽しかったナ。というわけで、残念ながら京都での展示に彼女のパフォーマンスはございませんが、あの細かいイラストだけでも見物ですので、ぜひいらっしゃってください。物販もいろいろありますヨ!

2010/04/10

Genevieve Castree's exhibition goes Kyoto


ジュヌヴィエーヴ・カストレイ 「魔法使い」展が京都に巡回することが急遽、決定しました。

2010年3月、作家の来日に合わせて東京・目白のブックギャラリー・ポポタムで開催されたジュヌヴィエーヴ・カストレイの「魔法使い」展ですが、トランスポップ・ギャラリーさんのご好意で京都でも展示させていただくことになりました。

「ウー」という名前の、少し変わっているけれど、でも、いたって普通の女の子が出くわす日々のあれこれ。気持ちさざめく自問自答、ボーイフレンドとのささいなケンカ、フェミニストか否か、言いたいことが言えなくて……、などなど、ウーの悪戦苦闘を映し出したコミック原画展です。さらに、作家がアナコーテスの家に置き忘れていたらしく(トホー)、東京での展示にはなかったウーのコミック・シリーズの中からの1編も到着。さらに、東京では一瞬で完売してしまった、彼女がやっているウォーヴがKレコードから出した作品集付きLPも6枚ほど入荷しています。というわけで、どうぞお楽しみに!

会場:トランスポップギャラリー(075-723-1780)
〒606-8203 京都市左京区田中関田町22-75
会期:2010年4月14日(水)~25日(日)
時間:正午12時~午後7時(水~土)
正午12時~午後6時(日)
定休日:月・火曜日

2010/04/01

Ryan Francesconi - Parables


アーティスト:ライアン・フランチェスコーニ
タイトル:パラブルズ
カタログ番号:SDCD-003
発売日:2010年4月1日
収録曲数:8曲
パッケージ:特製窓付き紙ジャケット

定価:1,680円(税抜価格1,600円)
ご購入はこちらから
ジョアンナ・ニューサム・バンドの実力派弦楽器奏者から届けられたまるで雨のようなギター独奏集

ライアン・フランチェスコーニは、私を最もインスパイアする音楽家のひとりである。この『Parables』で、彼は、自身の広大な芸術領域、つまり、彼ならではの作曲特性やブルガリアン・フォークの技術/形式両方の熟練、そして、広範なクラシック音楽のバックグラウンドや、聴く者の心をとかすような比類ない名人芸的ギター・スタイルを蒸留し、ミニマリスティックで詩的、精巧にして感動的な主旋律、変奏、自然な対位旋律、フラクタル形の辺境への介入に抽出してしまった。彼が、たった1本の腕でこれらすべての弦を弾いているとはにわかに信じがたい。まるで合奏のようにも聴こえるこの独奏作品は、西アフリカ~バルカン~バロック~ブルーグラスからの影響の、恍惚として、しかし、考え抜かれた調和と言えるだろう。そして、私はこれに似た音楽をまったく何も思いつけないでいる。  /ジョアンナ・ニューサム

世界がそのハープと歌声に恋する才女、ジョアンナ・ニューサム・バンドの弦楽器奏者として、ギターにブルガリアン・タンブーラに、その崇高な神話世界へ宮廷奏者よろしくクラシカルな奥深さを添えてきた実力派弦楽器奏者、ライアン・フランチェスコーニ。これまでRF(アール・エフ)として活動してきた彼が名義を本名に戻した、いわば「素顔」のデビュー作である本作には、まるで、雨や風、陽光、川の流れ……。そんな自然の表情を指先に宿したような、無添加、無加工の極美品となりました。弦楽器の名手として、プログレッシブなトラッド・バンドの一員として活動を続け、米国におけるブルガリアン・フォーク音楽の推進者でもある彼だけに、凡百の「ポスト・クラシカル」風とは奥行きを異にする精緻なギター演奏と流麗な指運びの数々に、きっと本物の輝きを感じていただけるでしょう。

なお、この『パラブルズ』は、スウィート・ドリームスのオリジナル作品となります。

Tracks:
1. Parables
2. Parallel Lights
3. Deep Rivers Run Quiet
4. Palios Karsilamas
5. With Hands
6. Elder Brother
7. Pravo
8. Lost Years


Ryan Francesconi - Parables by Sweet Dreams Press