2009/09/19

Laura Gibson's Phantom Nostalgia


ローラ・ギブソンの資料漁りをしていたところ、「INDIEFOLKFOREVER」というちょっとイカさない名前のブログに彼女が寄稿した文章を見つけたので、以下に訳出してみました。名作ファースト・アルバム『If You Come to Greet Me』制作時のエピソードと共に、お気に入りの曲や作品を紹介しています。「ノスタルジア」への自覚的な視点など、その独特の創作姿勢の一端に触れることができるのではないでしょうか。にしても実家にあった祖父母の古い手紙を読みながら曲作りをはじめたなんて、ちょっと出来すぎなくらいの話。1ヵ月後に一緒に来日するイーサン・ローズもそうですが、その意識的な懐古趣味の背景が気になります。そう言えば、あのハリー・スミスが生まれたのも、彼らふたりが暮らすオレゴン州ポートランドだったんですよね……。
『If You Come to Greet Me』に入っている曲を書きはじめたのは、1ヶ月間の帰省中、家族と過ごした田舎の小さな町(オレゴン州コキーユ)でのことでした。普段はポートランドに住んでいるのでクリエイティヴな新しい音楽には日々接していますし、それはそれでもちろん素晴らしいことなんですが、時にトゥーマッチに感じられたのも確かです。ポートランドのアパートに手持ちのレコードは置いたまま、私はコキーユの図書館で貸し出し可能な音楽だけに制限してみました。私が聴いたのは昔の音楽のアンソロジーでした。フォーク/デルタ・ブルースの素晴らしいアンソロジーがあって、そこで私はスキップ・ジェイムスやミシシッピ・ジョン・ハート、エリザベス・コットンに出会ったんです。彼らは、私のオールタイム・フェイヴァリットになりました。その生き様はもちろん、彼らのギター演奏を聴きながら、私はいろいろなことを学びました。

コキーユにいた1ヶ月間、私はまた、祖父母が30~40年代にやり取りした手紙を読みながら時間を過ごしました。祖父はその時、航海に出ていたんです。その手紙の束を読み、ふたりが手紙を書いている様子を心に描くと、なぜかスウィング・ジャズやドリーミーなワルツが背景に流れてきました。その手紙にぴったりのBGMは、これまたコキーユ図書館で見つけたビリー・ホリデイやエラ・フィッツジェラルドでした。祖父母が実際そのような音楽を聴いていたかどうかはわかりませんが、しかし、それ以外にないような気がしたんです。アルバムに入っている「Nightwatch」は元々、祖父母が残した手紙を読み、ふたりがペンを走らせている様を思い描きながら、その背景に流れる曲を想像して作った曲なんです。自分が生まれる前の音楽を聴いているときに感じる幻影のノスタルジア(ファントム・ノスタルジア)が私は大好きなんです。私の曲はほとんど、ある種のノスタルジアから生まれているといえるでしょう。


イノセンス・ミッションはずっと私のお気に入りバンドのひとつでした。ドンとカレンのペリス夫妻は、天性の言語感覚と洞察力を持っているんでしょうね。ハッピーでもありサッドでもあり、どの曲もひと口では括れないのです。ノスタルジアのようでもあるし、何かの憧れのようでもあるし、と同時に甘美なようでも、胸がうずくようでもある。言うなれば、春を待つ冬のようなんです。彼女の書く曲には独特の親密さがあるけど、それも、ロマンティックなものから、わが子を思う気持ちを思わせるもの、神に祈りを捧げるようなものまでとても幅広い。その親密さが何なのか私はいまだにつかめないけど、それでも確かに感じられるんです。


友達のひとりがこのアルバムを貸してくれました。ベッドに寝転びながら何度も何度も聴き返したことを覚えています。その時、このアルバムで演奏している人たちに『If You Come to Greet Me』に参加してもらうことになるなんて、まったく予想していませんでした。オーケストレーション/インストゥルメンテーションにおけるアダムとレイチェルのセンスには脱帽。彼らの音楽を聴いたことで、私の中にあったどんなサウンドのレコードを作りたいのかという見方にまったく新しい視点が持ち込まれたんです。私は、ここにあるトランペットとヴァイブの音の虜になって、特にアダムの曲に心をつかまれました。多分、私は映像寄りの人間なので、曲を書いたり聴いたりしていると、小さなサイレント・フィルムが心の中で投影されちゃうんです。彼はきっと、自分の曲が特別な空気感・環境を浮かび上がらせるよう気を使っているんじゃないかしら。ノーフォーク・アンド・ウエスタンを聴くと、頭の中にいつも1枚の絵、ひとつのキャラクターやシーンが浮かんでしまうんです。市バス、埃っぽいサロン、外国の街並み……みたいな。


M.ウォードは特に『Transfiguration of Vincent』(アルバム全体として)を。彼の歌声にある別世界のような質感が大好きなんです。それに、彼はもっとよいギター奏者になろうと私をインスパイアした人でもありました。M.ウォードは、私の大きな影響源のひとりなんです。

ドロリアン(これまたポートランドのバンド):『Not Exotic』収録の「The Light Behind My Head」も、私のお気に入りの曲のひとつです。
さて、約一ヵ月後に迫ったローラ・ギブソン&イーサン・ローズの来日ツアーをぜひお楽しみに。全公演、こちらでチケット予約も絶賛受け付け中です。詳細はこちらの「EVENT」ページをご覧ください。

2009/09/12

Tokyo is Dreaming


映画『ローズ・イン・タイドランド』の原作者にしてハウ・ゲルブの舎弟、ミッチ・カリンの公私共に渡るパートナーである映像作家、ピーター・チャンの新作がイギリスのバーウィック・アポン・トウィード・フィルム&メディア・フェスティバルでプレミア上映されることが決まったようです。タイトルは『Tokyo is Dreaming』、彼らふたりが日本に住んでいた一昨年、東京で撮りためた映像をまとめた詩的な一品に仕上がっているようです。全編、キャレキシコのジョン・コンヴァーチノによる撮り下ろし新曲が使用されていることも話題ですが、さらにオープニング曲を我らがM.A.G.O.が務めていることにも注目(上の予告編トレイラーがその曲です)。ちなみにピーターは、LAで暮らす日本人シンガー、品川寿夫さんのドキュメンタリー『I Want To Destroy America』も手がけていて、こちらも相当面白いです。また、M.A.G.O.と言えば、9月21日に下北沢mona recordsで盟友ピジョンズとのライヴが決定。なんとコケッシーズの曲もやるそうですヨ! 

2009/09/09

そ・し・て……!



上はことあるごとに紹介してきた大好きな曲、2000年代のポートランド・クラシックスのひとつ、ローラ・ギブソンの「Hands In Pockets」ですが、さて…、そのローラ・ギブソンと、数年前にスモール・セイルズの一員として来日していたイーサン・ローズとの組み合わせでの来日ツアーが決定しました! 来日に併せて、HEADZからふたりのコラボレーション・アルバム『ブリッジ・キャロルズ』もリリースされるということなので、ぜひ皆様、お楽しみに。ツアーのスケジュール等の詳細は、こちらの「EVENT」ページをご覧になってください。イーサン・ローズは、その楽曲がガス・ヴァン・サントの映画『パラノイドパーク』に大きく使用されたことも話題でしたね。いやあ、楽しみ!

2009/09/08

And More Tour !!

「おっ!」と嬉しいツアー情報がひとつ舞いこんできました。Kレコーズからのリリースでも知られるオリンピアの良心、デニス・ドリスコルの初来日です。招聘するのはPWFL Powerとしてアメリカで音楽活動を続けていた野村和孝氏が新しく創設したレーベル、ハーフヨーグルト。デニス・ドリスコル他、ESPからのリリースで知られるアシッド・フォーカー、エド・アスキュー(!)なんてとんでもない人もリリースのラインナップに加わっているというから、これは面白くなりそうですヨ! ともあれ、デニス・ドリスコル、ぜひライヴに足を運んでみることをオススメします。良いうた歌うんだよナァ……。
9月17日 熊谷モルタルレコード
Dennis Driscoll、Cap Lori、金子どうして(from UHNELLYS's)

9月18日 高円寺マッチングモゥル
Dennis Driscoll、澤部渡 from スカート、大野慎矢

9月19日 南青山NOW IDeA by UTRECHT
Dennis Driscoll、門脇英之 from マーシャルの猫

9月20日 秩父 松田さんのばあちゃん家
Dennis Driscoll、Kate Sikora, Cap Lori、ポスポス大谷

9月21日 高円寺マッチングモゥル
Dennis Driscoll、Cap Lori from Seattle, Smiley (Clover recs)

9月22日 日光ランカトルグカフェ
Dennis Driscoll、Cap Lori

9月23日 仙台 Green Cafe Records
Dennis Driscoll、Cap Lori、Qurage、山内桂

9月24日 山形蔵オビハチ
Dennis Driscoll、Cap Lori, Qurage、山内桂

9月25日 宇都宮ゲットユアドリーム
Dennis Driscoll、Cap Lori

9月26日 東京 幡ヶ谷bar sem nome
Dennis Driscoll、Cap Lori、工藤冬里 of Maher Shalal Hash Baz

2009/09/07

Issue #3 Back In Stock

在庫切れのため、ご迷惑をおかけしていましたスウィート・ドリームス第3号ですが、予定通り(泣)返本がありました。20冊程度ですが、在庫を確保しましたのでご希望の方はどうぞ。また、通販特典でおつけしている俵谷哲典作豆コミックも4部ほど残っていますので、お早めに! メイルオーダーの方法についてはこちらをご覧になってください。

2009/09/04

Tour ! Tour ! Tour!


スウィート・ドリームス誌上でもレギュラー寄稿者としてお馴染みの植野隆司さんと俵谷哲典くんが、それぞれのバンド、テニスコーツ2UPで海外ツアー中です。テニスコーツは最高の共作アルバムをリリースしたばかりのパステルズとUK、さらにニカさんを加えてオーストラリアにも足を伸ばすよう。また、2UPは米西海岸をドタバタと。ポートランドでは、昨年、タラ・ジェイン・オニールと一緒に来日したジェフ・ソールのバンド、サッド・ホースとの共演が決まったみたい。いいな、いいな。それぞれのツアー日程は以下のとおり、チャンスがあったらぜひ!
Tenniscoats + The Pastels UK Tour
9.4 Moseley Folk Festival Birmingham, Midlands
9.5 Thekla Bristol, Southwest
9.6 Bush Hall, London

9.7 Point Ephemere, Paris (w/ Morning Star)

NikaSaya + Tenniscoats Australia Tour
9.11 Serial Space, Sydney
9.12 Brisbane Festival 2009, Brisbane Powerhouse
9.13 The Brisbane Hotel
9.18 Empress Hotel, Melbourne
9.19 CHAPTERFEST!, the Tote Hotel, Melbourne
9.20 Toff In Town, Melbourne

2UP US West Coast Tour
9.11 Soda Bar, San Diego CA
9.12 Zaiko Bar, San Diego CA
9.13 The Smell, Los Angels CA
9.14 Huffin House (755 E. 10th St.), Oakland CA
9.15 Hemlock Tavern, San Francisco CA
9.16 Alex's Shack (215 Storey St.), Santa Cruz CA
9.17 Dance Mirror Institute (6108 SE 46th St.), Portland OR
9.18 TBA, Portland OR
9.19 Fun Castle, Sacramento CA
9.20 Che Cafe, San Diego CA