2008/02/28

INTRODUCING... GEOFF SOULE



今回は、タラ・ジェイン・オニールのバック・メンバー(ドラムス、ギター、キーボード他)として来日するジェフ・ソールを紹介しましょう。ちょうどこのツアーの概要を決めようとしていたときのこと。まずそれは、このツアーを、タラの完全なソロ演奏にするのか、前回のミラーとのコンビネーションのように、誰かとのダブル・ヘッダーにするのか(候補に挙がっていたのはヤナ・ハンターでした)、それとも誰か、自分の演奏をサポートしてくれるミュージシャンをひとり呼ぶか、この3つのうちどれにしようかという相談だったんですが、そのとき彼女からジェフ・ソールをメンバーとして連れて行くのはどう?と打診されたのでした。こちらとしては「え、ジェフ・ソール……誰?」ってなもんだったんですが、「彼はファックってバンドをやっていて……」と聞くに及び、「ああ、ファックっていたなあ!」と膝を打った次第なのです。とはいえ、彼らが90年代にマタドールやスメルズ・ライクからリリースした作品のジャケットの感じをなんとな~く覚えていたくらいで、こちらにあるのはちょっとローファイ気味のギター・バンドというような頼りない記憶だけ。その後、中古盤店で見つけた際に1枚2枚と揃えていったんですが、いや、これがなかなか。いま聴いても相当ですゾ! よく例えられるのは、ぺイヴメントとかアンレストになるのでしょうが、どことなく、キャンパー・ヴァン・べートーヴェンやヴァイオレント・ファムズ、ジップコード・レイピスツとかシュリンプ・ボート、もちろんヨ・ラ・テンゴなんかも含まれるグランジ以前の正しきアメリカン・アンダーグラウンドの軽妙さ、みたいなものが感じられて、そこがまた愛しい存在だなあとあらためて感じ入ったのでした。ともあれ、彼らは1993年にカリフォルニア州オークランドで結成。その後、サンフランシスコに移ったり、いまではジェフはポートランド在住なので、メンバーそれぞれ居住地こそバラバラかもしれませんが、サイトは絶賛稼働中だし、まだまだ「世界1最低な名前を持つバンド」のひとつとして旺盛に活動中の模様です。

そして、そのファックでドラムを叩いているのが、今回来日するジェフ・ソールその人。彼は、スーパーメガコーポレーション(「超巨大企業」……って)なるレーベルも運営し、そこから、ソロやファック他、メンバーとして関わっているウィンターミトゥンズ、ザ・ダブル・ユー、サッド・ホースなどなどのバンドの作品を活発リリース中で、なかなか面白い存在感を放つ人物です。レーベルのサイトでは、写真にあるビンの中に食パンのタグ(開け口を絞るところに使われるU字型のプラスチックのあれね)が、何枚入っているか賭けてみようコーナーがあったり(ちなみに勝者はタラのビデオ作品にも登場している舞踏家のフレッド・ネモで26ドルを獲得!)、カビの生えたレモンをe-ベイに出してみたり、と、かなりヤッちゃってます。最近のプロジェクトであるサッド・ホースも、ヤンチャなガレージ・パンク・ブルースでカッコ良いし、ツアー終了後「ジェフ・ソールのライヴが良かったね!」と囁かれる声があちこちから聞こえてきそうな予感が早くもしたり。また、今回、いろいろと彼の作品も物販スペースに並ぶと思いますので、こちらもどうぞお楽しみに。また、タラとのツアー終了後、ソロでお目見えする公演がひとつ決まるかもしれません。こちらも決定次第お知らせしますので、どうぞお楽しみに! それまでは、ファックの「Monkey Doll」(↑)と、ジェフ・ソールの「Who's A Thirsty Gnome」(↓)を聴いてみてください。

2008/02/20

TJO 2008 TICKET ON SALE NOW !!



遅くなりましたが、東京・町田2公演のチケットを、なぎ食堂warszawaLINUS RECORDSDISK UNIONの各店舗に配券し終わりました。ご購入を希望される方で各店舗のお近くにお越しの際にはぜひご利用ください。取り扱い各店の詳細は「スウィート・ドリームス」のウェブサイト、そのトップ・ページの「EVENT」欄でご覧になれます。また、東京公演のチケットは、チケットぴあローソンチケットでも2月23日(土)から発売開始しますので、「tjo2008@gmail.com」への前売りチケット予約とあわせ、ぜひご活用ください。とくに町田公演の前売り予約は出足好調。このペースでいくと公演前に受付終了となる可能性がございますので、どうぞお早めに!

ともあれ、早いもので、彼女の来日まで残り1ヶ月強となりました。今後は「タラ・ジェイン・オニール:ジャパン・ツアー」強化月間として、彼女や、今回のツアーの顔ぶれのあれこれを、こちらで紹介していこうと思っていますので、何とぞお付き合いのほどを。

まず、上の映像。一昨年にリリースされた通算5枚目のソロ・アルバム『In Circles』収録の名曲「Need No Pony」を自宅のキッチン・コンサートからご紹介しましょう。このクリップは『In Circles』の国内盤にもボーナス映像として収録されていたものです。制作はクリスティーナ・デイヴィーズ(モイスト・プロダクションズ)によるもので、彼女は、過去2回、タラの来日ツアーに同行していたので覚えている方もいらっしゃるかもしれません。ちなみに彼女は、フィメール・パンク・ディスコ・バンド、ハーフ・シーズ・オーバーのメンバーでもあり、過去にはチーム・ドレッシュのドナ・ドレッシュとデイヴィーズvs.ドレッシュなるバンドを組んでいたこともある、今と地続きのライオット・ガールのその後を軽快に体現している存在でもあります。にしてもこの「Need No Pony」。途中で出てくる空に飛んでいくようなスティール・ギターや、いくつもの弦が揺れているような音で背景を覆っていくアルバム・バージョンも素晴らしいのですが、こちらのシンプルなアコースティック・バージョンもなかなか。どうしても見ごたえという点では、バンド編成の彼女に軍配を上げる向きが多いですが、どうしてどうして。このような映像を見ると、ソロでギターを弾き語る姿こそ、彼女の真骨頂であるような気さえしてきます。もちろん、バンドあり、アブストラクトなノイズあり、歌あり、弾き語りあり……。そのすべてがあってこそのタラ・ジェイン・オニールではありますが。
また、ちょうどおあつらえ向きに、ソウル・ジャンクやエリック・ギャフニー(セバドー)、渋いところでニュージーランドの怪人、アラステア・ガルブレイスなんかを取り上げているダン・コフーン氏主宰の好ブログ「FREQUENSYSQUARED」に彼女のインタビューが掲載されていたので、こちらに(当然無許可で……)翻訳してみました(拙訳にてスミマセン)。そんなに特濃のインタビュー内容ではありませんが、彼女の今までとこれからをかいつまんで知るには良い内容だと思います。ご興味のある方はぜひ読んでみてください。自身のソロ作品の音楽的な面を訊かれた途端、にわかに寡黙になるのが彼女らしいと言えば彼女らしい。そういえば『map』の創刊第1号、その最初のページの掲載アーティストもタラ・ジェイン・オニールだったのですが、そのときも、照れ隠しなのか、のらりくらりと質問をかわした妙な返答を送ってきてくれた覚えがあります。

2008/02/15

LOST VINYLS

ここで「おっ」と面白そうな展示のお知らせをひとつ。明日2月16日(土)から3月2日(日)まで、広尾のギャラリー「UNIVERSAL MARGINAL」で開催される「LOST VINYLS: LEGEND OF FRANKIE HOI」がそれでして、なんでも、自身のカッティング・マシーンを用いて、70年代初頭より数々の自主制作盤を(しかも、各タイトル多くて30枚ほどのプレス枚数だとか)発表してきた謎のアジア系プエルトリカン・アーティスト、フランキー・ホイの足跡を、その貴重極まりないレコード・ジャケットやフライヤーを網羅して辿っていく、という展示らしいのです。プレス・リリースによれば、パンク~ハードコア~ヒップホップ~メタル~レゲエと、各シーン形成の裏には必ず彼の姿があったとか……。にしても、現在は、ワイオミング山中にて隠遁中、地元のミュージシャンとカントリーを奏でているというんだからタマラナイ。一体、フランキー・ホイとは何者なのか? 果たしてどんな音楽をレコード盤に刻みつけていたのか? 僕も時間を見つけて観に行こうと思っています。ちなみに、そのコレクション提供者には、TEASI他のメンバーとして知られる松井一平くんの名前も。また、企画・制作のステンスキの一員である佐藤穣太くんは、その昔「I DRINK MILK」という最高のフリー・ニューズレターを発行していた人物で、僕は、そのペーパーに大いに感化されて「GIDDY UP」というペーパーを作ったのでした。 もう10年も前の話かあ……(笑)。ともあれ、展示の詳細はこちらまで。ぜひ!

2008/02/12

TARA JANE O'NEIL JAPAN TOUR 2008



ず~っとお伝えしたかった特大ニュースがあるのですが、ようやく本日発表と相成りました! タラ・ジェイン・オニール、4回目となる来日ツアーの決定です。ファック(!)のドラマーであり、マルチ演奏家/ソロ・アーティストとして活躍するジェフ・ソールを従えた今回の来日公演、そのジェフ・ソール自身のソロ・セットはもちろんのこと、名古屋以降の4公演でロンドン在住の注目ハーピスト/シンガー・ソングライターのセラフィナ・スティアも帯同するという、これ以上ないゴージャスな組み合わせとなりました。さ・ら・に、タラ・ジェインたっての希望で二階堂和美も京都・町田の2公演にお目見え! もちろん、マルオト(名古屋)、THE MEDIUM NECKS(松本)、helll(東京)、齋藤紘良(町田)という充実の共演者陣も含め、1公演だけだなんて堅苦しいこと言わず、2公演3公演と味わってもらいたい内容となること請け合いですので、皆様、ぜひ足をお運びくださいませ。開場・開演時間、チケット料金などの詳細は当スウィート・ドリームスのウェブサイト、「EVENT」欄をご覧いただければ、と。ともかく、女性オルタナロック・アーティストだとか、もしくはフォーキーなルーツ指向のシンガーだとか、または、早すぎたフリーフォーク・アーティストだとか、彼女が、そんな簡単に括られるような一面的なタマじゃないことを、ぜひステージから実感していただければと思います。どうぞお楽しみに!

map presents Channel 23
TARA JANE O'NEIL JAPAN TOUR 2008


SAL CULTURE
3月29日(土)大阪 大阪城野外音楽堂
出演:タラ・ジェイン・オニール 他

3月30日(日)京都 アバンギルド(075-212-1125)
出演:タラ・ジェイン・オニール/二階堂和美/ジェフ・ソール

4月2日(水)名古屋 KDハポン(052-251-0324)
出演:タラ・ジェイン・オニール/ジェフ・ソール/セラフィナ・スティア/マルオト

nami to kami vol.12
4月3日(木)松本 群青(0263-34-1006)
出演:タラ・ジェイン・オニール/ジェフ・ソール/セラフィナ・スティア/THE MEDIUM NECKS

4月4日(金)東京 渋谷オ・ネスト(03-3462-4420)
出演:タラ・ジェイン・オニール/ジェフ・ソール/セラフィナ・スティア/helll

はるでら
4月5日(土)町田 簗田寺
出演:タラ・ジェイン・オニール/二階堂和美/ジェフ・ソール/セラフィナ・スティア/齋藤紘良

問い合わせ先:mapsweet dreamstjo2008@gmail.com

2008/02/08

CARSON ZINE #02

ちょうど一週間前『スウィート・ドリームス』第1号でも大好評連載ページでお馴染みのチーム・キャシーの1/3であるDIRTYさんより、とても嬉しい郵便物が届いた。僕はそれ以来、その中身をずっとカバンの中に入れて持ち運んでは、ことあるごとに見入っていたため、せっかく送ってもらったのに僕のは早くもくたびれた感じになっているのだが、そのせいでまた手放せなくなるような、そんなブツなのだ。さて、それは、コピー機で複写されて、ホッチキス止めされた20ページほどのリーフレットで、表紙に「CARSON ZINE」いうタイトルが落ち着いた書体でレイアウトされている。「#02」とあるので、当然、これが第2号。第1号は、いつだったか、松本のP-HEAVYというバンドのライヴを見に行った時に、そのメンバーのチフミちゃんからDIRTYさんを紹介された時にいただいたことを覚えている。で、もちろん、当然のように第1号も、僕のはちょっとヘタっている。ともあれ、そのDIRTYさんのパーソナル・ジンである『CARSON ZINE』の第2号が、実に久しぶりに完成した、というわけなのだ。これは、ちょっとしたことだ。「ちょっとした」と書いて気づいたのだが、この言葉、「ちょっとした贈り物」のように「ささやかな」という意味で使うことが多いけど、「これはちょっとした見物だ」のように「侮れない」みたいな意味で逆説的にも使えるし、そういう意味でも『CARSON ZINE』は「ちょっとした」ものと言えるかもしれない。ジョン・ウォーターズ映画のファンならなじみ顔のクッキー・ミューラーや、ブラットモービルのアリソン・ウルフのこと。エミリー・ディキンソンの姿や、ぼくも大好きな映画『タイムズ・スクエア』からの1シーン。友達と作ったというクロス・ステッチでのメッセージには大文字の「KEEP ON LIVING」の3ワード。そして「でもやるんだよ」の横断幕。それぞれを、それなりに紹介したり解説したりしたものならたくさんあるだろうけど、ぼくが上気してしまうのは、そのトピックが何であれ、他ならぬ彼女が、それらをどのように受け取って冒険に乗り出したか、ということが誌面から溢れているからに尽きるだろう。こうやって鼓舞されることって、あらためて大事だなと思うし、この「鼓舞」は「バトンを渡される」という意味にもなり、「笑わされた」や「泣かされた」「考えさせられた」はもちろん、「友達に電話した」だとか「バンドを組んでしまった」になってもいいし、「体重が5キロ減った」なんてことにはならないけど、ひょっとしたら「仕事を辞めちゃった」ってことにだったらなりかねないものなのだ。さて、なので僕はこれから……。『CARSON ZINE』は、ここここで手に入るようです。ぜひ!

2008/02/05

3 NEW SENSATIONS

さて、今年になってちょこちょこ気になるバンドがいるので、こちらでちょこっとご紹介。『スウィート・ドリームス』第2号までの余興、というか場つなぎ……、間食……? もっと適当な言葉がある気もしますが、まあ、そのようなものとして一寸。まず、今年いちばんの衝撃といったらこれ。ドラッグ・シティからEP「Body Language」のリリースを4月に控えているイスラエル、テル・アヴィヴのバンド、モノトニックス。ボーカルのアミ・シャレヴのルックスからして、フィル・ライノット(シン・リジー)かテッド・ニュージェントかラモス瑠偉かってなぐらいの野獣味ですが、その見かけに反することなく、ライヴとなるとやたらゴミ箱に入っちゃうわ、シンバルに火をつけるわ、ドラム解体して観客のもとにお届けしちゃうわ。その上、バスドラムを観客が持ち上げて、その上にドラマーよじ登り「バンザ~イ!」。で、観客大盛り上がり、と、映像を見る限り最高なんです。なんだか入りこむスキがないように感じてしまっていたイスラエルという国の実際に、もちろん、そのごく一端でしょうが、このように最高の一端があるのを見つけたことで、自分にとってもなにかの一端になる。そんなバンドかもしれません。

次は、ちょっと落ち着いて、シークレットリー・カナディアン傘下のデッド・オーシャンズからのデビューが決まった米ノースカロライナ州ラーリーの3人組、バウアーバーズを。元々、チコンデロガという名前のインディー・トリオをやっていたフィル・ムーアが、ノースカロライナ自然科学博物館に雇われて渡り鳥を追跡する仕事に就いたことが、このバンド結成のはじめの一歩。誰もいない森の中のトレイラーハウス、そこにヘンリー・ソローよろしくひとりぼっちで生活する日々がはじまったわけですが、そこにガールフレンドで絵描きをしているべス・タキュラーがやってきて、フィルの隣で絵を描きはじめる。ちょうどチコンデロガの解散も決まっていた頃、最初は手慰みだったのでしょう、ベスもアコーディオンの弾き方だとかマーチング・バンド・スタイルのバスドラムだとかを覚えて、こうしてバウアーバーズが活動を開始するわけです。もちろん、そのアコースティックで素朴な佇まいも素敵なんですが、驚いてしまったのが彼ら、そのトレイラーの近くに築100年の納屋を手に入れ、自分たちの手で──電気工具をいっさい使わずに文字通り「手で」──その納屋をリフォームしている、ということ。窓をくわえ、扉をくわえ、1階の床面積45平米という「ちょうど良いサイズの」生活の場を作り上げているらしいのです。小さなソーラーパネルでの発電と薪ストーブ、堆肥トイレ。まだトレイラーの中で寝起きしているというふたりですが、最近は温度も氷点下になっているようで、それはそれで大変そうではありますが、こうしたシンプルな日常生活が、彼らのアートを裏支えする最も大きなものなのでしょう。まずはこちらで彼らの愛らしい演奏風景をご確認ください。

そして最後に紹介するのが、2000年の映画『あの頃ペニー・レインと』出演で注目を集めた女優のズーイー・デシャネルとM.ウォードによるニュー・ユニット、シー&ヒム。ふたりの出会いは2006年、映画『The Go-Getter』のサウンドトラック用にリチャード&リンダ・トンプソンの「When I Get to the Border」をカバーしたことがきっかけだったそうですが、その後、お互いの懐メロ趣味な音楽観が共通することもあって急速に仲良くなったのだとか。過去、マルーン5のミッキー・マデンや俳優のジェイソン・シュワルツマンなど、数々の浮名を流してきたらしいズーイーだけど、もしや……。ま、それはともかく、ズーイーが日ごろコツコツと書き、録り溜めていた自作曲をM.ウォードに聴かせるうち……というのが、このユニットの出発点。公開が待たれるジャニス・ジョプリンの伝記映画『The Gospel According to Janis』の主役(つまりジャニス役)に抜擢されたズーイーだけに、その歌唱力は折り紙つきだとは思いますが(でも、ルックスはまったくジャニスじゃない……)、いや、これがなかなか素敵で聴き惚れてしまった次第。確かにレーベルからのプレス・リリースにあったように、ダスティ・スプリングフィールドとかリンダ・ロンシュタットとか、往年のアメリカン・ポップスの屈託のなさ、明るさが持ち味と言えそうなシー&ヒム。相変わらず湿度たっぷりのM.ウォードのエレクトリック・ギターもキブンだなぁ。と、このふたりのデビュー・アルバム『Volume One』はマージ・レコーズから3月18日にリリースが予定されています。それまでは、こちらで収録曲の「Why Do You Let Me Stay Here?」がダウンロードできるので、ぜひご一聴を。

2008/02/02

Happy Birthday, Cal...

下の文章はボストンの音楽愛好家が運営する「Bradley's Almanac」、1月27日(日)のエントリーを訳したものです(拙い意訳にて失礼……)。元々、昨年アイダのニューズレターを通してJロビンスの愛息のことを知りましたが、このエントリーが書かれた日がちょうど、そのカラムちゃんの2歳の誕生日だったんですね。こちらからも微力ながら「誕生日おめでとう!」と、この少年に伝えてあげられれば、と思います。もし、以下の文章を読んでご興味を持たれた方は、ぜひこちらにて、カラムちゃんへ捧げられた18曲の素晴らしいライヴ・トラックをダウンロードしていただき、そして、少しでも寄付していただければ幸いです。

2年前の今日、ジャネットとJロビンスは、音楽に溢れた自分たちの世界へと息子のカラムを迎え入れた。カルちゃんにとっては、ジャネットもJもただのママとパパでしかないのかもしれない。だけど、僕らにしてみれば、その子は紛れもないロック・スターを両親に持っていることになる。Jはいままで、ジョウボックスバーニング・エアラインズガヴァメント・イシューといった影響力抜群のバンドでプレイしてきたのだし、ジャネットともどもチャンネルズの一員なのだ。Jは、素敵なバンドを録音したりミックスしたりするため、ボルチモアのマグパイ・ケージ・スタジオで作業しているのだが、録音スタジオをうろうろすることなんて、うらやましいことにこの小さな少年にとっては、大したことじゃないのかもしれない。

しかし、こちらでも詳しく書かれているように、生後8ヶ月で、カルは遺伝病のひとつである乳児脊髄性筋萎縮症と診断されてしまった。治療方法の研究が進められてはいるが、現在のところ、治療不可能の難病とされ、そのセラピーや使用する医療器具にかかる費用は高額なものとなるらしい。この可哀想なカルの話が広まると、早速、ロビンズ家の友達、ファンたちは集まり、それは後に数々のベネフィット・ライヴ、素晴らしいコンピレーション作品である『For Callum』、そして、チェロで演奏されたジョウボックスのカバー作品のベネフィット盤へと結実していったわけである

それらのベネフィット・ライヴのひとつに、昨夏、サマーヴィルのPAズ・ラウンジで2晩にかけて開催されたライヴがあった。それは、ボストン地域(そしてニューヨークからも1組)のバンドが集まったものだったが、その企画の趣旨がどうあれ、僕にとっては昨年の音楽的ハイライトのひとつと言えるような素晴らしいものだった。マーク・ロビンソンティーンビートアンレストエア・マイアミフリン・フロン)とドリュー・オドハーティのソロ・セット。アイダのダンとリズによるデュオ、このベネフィット企画のオーガナイザーであるジェフ・ファリーナカラテグローリーテラーズ)とジョディ・ブオナノにより特別に再結成されたシークレット・スターズ。さらにクリス・ブロコウがジェフと、埃をかぶった懐メロ曲をカバーしたのだった。もちろん、フル・バンドの演奏も忘れちゃいけない。その夜に熱い火をつけてくれたヘルムズという強力な3人組。新曲を披露してくれたノイジーなネプチューン。さらに、ドタバタとロックするセリア・ツェディックと彼女のバンドには、1~2曲でヒルケン・マンシーニ(シェファーズファジー)が参加するという嬉しいひとコマもあった。

アイダは、昔の人気曲を数曲と、新作の『Lovers Prayers』からの新曲(彼らがこのとき演奏した「Lolo Sang」はアナログ盤限定のボーナス・トラックである)も披露し、カルのためにチルドレン・ソングもまじえてくれた。シークレット・スターズは、ふたりのベストとも言える曲をマジカルなバージョンで演奏し、ドリューは自身の『Starts』からの曲と、『For Callum』コンピレーションに提供した曲をプレイ。そして、マーク・ロビンソンは滅多に聞くことのできないマサチューセッツ州ローウェルのテーマ曲まで歌ってくれ、2晩にわたる8組のパフォーマンスすべてが特別な瞬間、素晴らしいファン、暖かいヴァイブに満ち満ちていたのだった。

さて、ここで僕は、あなたと取り引きをしてみたい。僕は、このベネフィット公演の音源を皆と分かち合いたいと考えているのだが、すくすくと育っていく息子へのプレゼントとして、このМP3コンピレーション『Happy Birthday Cal』なんていかがだろうか。昨年夏のサマーヴィルのショーで演奏したほとんどのバンドによる18曲が、彼らの好意で並ぶことになったのだ。もし、ダウンロードしてみたい、もしくは、いままでにダウンロードして、すでに僕が録音した曲を楽しんでおられるなら、ロビンズ家のためにペイパルのボタンをクリックして、数ドルでよいのでぜひ寄付してほしい。もし、ペイパルを使われない方なら、デソートのサイトにあるように小切手を送ってあげてほしい。僕もいま、自分の分の寄付をさせていただいたところだ。以下に並んでいる素晴らしい曲の数々を聴いて素敵な時間を過ごすことは、言うなれば僕と一緒に実際のライヴを見ているようなもの。そのチケット代替わりとして何とぞ協力してほしい。

また、ドリュー・オドハーティがカラムちゃんの誕生日を記念して、Eベイでベネフィット・オークションを開催しています。イーヴンスのポスターやシェラックの珍盤、さらにはジェフ・ファリーナのギター・レッスン(!)に、ジョウボックスのチェロ・カバー盤を出しているゴードン・ウィザーズがあなたのお好きな曲をお好きなアレンジでチェロを演奏して録音(!)などが出品されていますので、ぜひご覧ください。Jとジャネットのカラムちゃんブログでも、2歳の誕生日を無事迎えた様子が伝えられています。本当に誕生日おめでとう! カラムちゃん!