
で、そのパット・グラハムなる人物。彼はまず、グレン・E・フリードマン、シンシア・コノリーと並び、パンク~ハードコアの現場型フォトグラファー御三家のひとり、と紹介するのがきっと筋でしょう。とくにディスコード~シンプル・マシーンズ所属のDCエリアのバンドのライヴ写真に定評がありまして、そうだと知らなくても、彼が撮ったフガジやメイク・アップ、ジューン・オブ・44やモデスト・マウスの写真、きっとどこかで見たことがあるのでは? もちろん、その写真はさまざまなバンドのアルバムやシングルのカバーにも使われ、昨年にはアカシック・ブックスから『Silent Pictures』という写真集(↑)が発行されていますので、ぜひ興味ある方は手に取ってみてください。
なお、彼は2000年にロンドンに移住し、現在は、写真家/デザイナーであり、公私に渡るパートナーでもあるメラニー・スタンデイジと共に、96ギレスピーというギャラリーを経営しています。そのギャラリーでは、ここでもよく紹介するタラ・ジェイン・オニールやラングフィッシュのダニエル・ヒグス、ティム・カーなどなど、彼ならではのコネクションが窺えるアメリカのアーティストの作品を多く展示していますので、ロンドンを訪れた際にはぜひ覗いてみてください(って行ったことないけど:笑)。ちなみに、その内部の様子は下の映像で少し覗けます。96ギレスピー内部でのタラ・ジェイン・オニールのインタビュー映像なのですが、インタビュアーがグランジ・ブームの火付け役として知られるジャーナリスト、エヴァレット・トゥルーというのも見モノ(彼が『Melody Maker』で働いていたとき、サブ・ポップの要請でシアトルに赴き、彼の地の「グランジ」シーンを取り上げたことが、ブームの大きな引き金のひとつになったのでした)。決して豊かとはいえない髪の毛をタラに切られちゃってますが(笑)、彼が発行していた『Careless Talk Costs Lives』、すごく良い雑誌だったな、と、あらためて。ともあれ、パット・グラハムの写真は、下のデヴィン・ブレイナードやアイダ・パールの作品を含めて、多数、『勇猛果敢なアイダのものがたり』に盛り込んでいますので、どうぞご期待ください、ネ!