2012/01/13

レイチェル・ダッドが見た2011年の日本

先日の旧グッゲンハイム邸でのライブより。スティールパンにICHIくん、コントラバスに稲田誠さん、
パーカッションに山路智恵子さん、クラリネットに亀井奈穂子さんを迎えて。

さて、レイチェル・ダッドが1月2日に自身のブログにアップした記事(こちら)を以下に訳してみました。彼女が昨年から日本で過ごす中で体験したもの、感じたことがまとめられています。今、レイチェルは日本の女性アーティストたちの紹介記事をイギリスのあるウェブサイトに依頼されてまとめているそうです。それも記事が書き上がったら、いつか何らかの方法で訳して紹介できるといいなと思っています。ともあれ、2011年にレイチェル・ダッドが見た日本をお届けします。

個人的な年頭所感あれこれ:日本の反原発運動と音楽、集うことのパワーについて

新しいカレンダーの1年に向けて、私たちは365.25日のつま先旋回をしてきました。さて、私の個人的な考えをあれこれアーカイブして、振り返って熟考し、将来に備えるときがやってきました。

多分、このブログは自分の考えをとどめておく試みなんだと思います。苦闘と変化のときにある日本、そして全世界を貧乏旅行中のイギリス人女性による。

繰り返し頭に浮かび続けたテーマの多くは、もちろん地震と津波の余波にある日本と関連があるものでした。生命の喪失、人々がお互いに見せ合う親切心や思いやり、そして、福島原発が海中や大気中、土壌中へ放射性物質を流出させる一方、多くの人が抱く反原発感情の高まりについて。


原子力発電と日本

そもそも日本には、その原子力の歴史が始まった時点から当然常に強い反原子力の気運がありました。約21,000人の命を奪った原爆による大量虐殺は今でも生々しい記憶としてあるのです。

アイゼンハワー米大統領が1953年に「平和のための原子力」を演説して後、日本政府も原子力発電を取り入れてきました。地震が引き起こす事故の可能性にもかかわらず、今では原子力発電は電力の30%を占めています。

2007年、原子炉にダメージを与えたマグニチュード6.8の地震があり(訳注:新潟県中越沖地震と、それに伴う柏崎刈羽原子力発電所での事故のことだと思われる)、原子力発電に反対する声が高まりましたが、それも日本政府と電力会社の「原子力は安全」とするキャンペーンに鎮圧されてしまいました。2007年の事故以来、東京電力(福島原発事故の責任を負う日本最大の電力会社)は原子炉格納容器の堅牢性を誇っています。

発展する日本の反原発運動

しかし世界中が見守る中、この大事故は東京電力が隠し通せるほどのものではありませんでした。そして「原子力は安全」キャンペーンもなくなり、強い反原発運動が盛り上がっています。私はしばしば「ホウシャ(放射)」という言葉を耳にしました。人々はそのことについてよく話し、彼らは自分たちの音楽やアートの中で抗議の意を表しています。また、反原発運動に集中するため、本業をあきらめた音楽家や俳優もいるそうです。


福井県敦賀市の海近くに、小さな子どものいる私たちの友達が暮らしています。そこは1981年に起きた放射能漏れ事故を40日間隠蔽するなど、一連の事故の歴史を持つ原子力発電所の近くです。最近、その施設を所有する日本原子力発電株式会社に対して住民が訴訟を起こし始めていますが、その友達は状況がそう簡単ではないことを説明してくれました。雇用のため地域社会が発電所に依存しきっているのです。経済的にうるおい、人々も(特に所有地を高値で売る地主は)新しい豊かなライフスタイルに慣れてしまいました。つまり反原発運動に対する地元の抵抗もあるのです。多くの人が変化を望んでいますが、そうではない人たちもいるのです。

名古屋での原発停止請願書とマルが作ったバッヂ

時折の風力発電の収穫、ゆっくりとでも増大している?

テレビで流されるドキュメンタリーと広告が太陽光発電キャンペーンの発展を示している

私たちはそこまでタフだろうか?

私はまだ漢字が読めません。だからとり逃していることも多いでしょう。それでも時々カフェやお店で「節電」のポスターを目にします。これは私たちみんなが持つべきすごく理にかなったアイデアではないでしょうか? 私たちは贅沢と快適さに囲まれて育った怠惰な世代ではないでしょうか? 私たちはこういったガジェットの全部を持たせようとする電力会社に簡単に操られているのではないでしょうか? 私たちはこういった不必要なガジェットのスイッチを今すぐオフにすべきじゃないでしょうか?

カチッ。
(卓上ランプを消す)

ポンポンポン。
(ラップトップの画面の明度を下げる)

ガンバッテ。
(さあレイチェル、頑張って)

(一例として)政府がパチンコの会社を促して、電気を暗くし、消費電力を抑えさせるべきではないでしょうか? パチンコは日本において最大の金満企業のひとつですが、と同時にコンビニエンス・ストアが追走する最大のエネルギー消費企業のようにも思われるのです。これは単なる私の推測ですが。

???
??

パチンコの会社は政府に大きな影響力を持っている?

???
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考える
考える

多くの人が考えている


ポジティビティ、連帯感、音楽

地震の日以来、日本で私は人々がお互いに表わす親切心や思いやりに接してきました。お互いを助け合おうと音楽やその他の活動を通してもたらされたもの、変化を求める我々が必要とするものを勝ち取ろうともたらされたものを。一方、日本は生活するには危険な場所となってしまいましたが、それでも、私はこの地にとどまることを強く望むようになりました。それは、日本人の親切心や連帯感、ポジティビティのためです。

日本での体験を通して、親切心、思いやり、忍耐、協力、ポジティビティといった日本人の価値観を私は今まで以上に理解できるようになりました。多分、これらの特質は、いくつもの自然災害、人的災害を乗り越えるために日本人の精神性に深く染みこんだ特色なのでしょう。それとも、これらは単純に集団におけるバランスとりの役目を果たしているのかもしれません。これだけの甚大な被害と悲しみがあっても復興しようと集まって協力する欲求とでもいうような。


光栄にも一緒に演奏し録音をする機会を持てたベース奏者の稲田さんには5人の子どもがいて、日本全体にとってこの原発の状況がいかにひどいものであるかを教えてくれました。それはまるでみんなの上に重く垂れ込める暗雲のようなものだと。そして、確信に満ちた声で音楽の重要性を話してくれました。

津波の翌週、私は稲田さんと、テニスコーツ、川手直人、地震と津波で壊滅的な被害を受けた仙台出身の驚くべき即興パーカッショニストである山路さんを含めた一群のミュージシャンとふたつのコンサートに出演しました。そのコンサートは大阪に避難した彼女の友達を歓迎するために催されたものであり、家を失ったその友達へのベネフィットでもありました。そのイベントもまたシンプルに皆で集まり、共有し、何か前向きなものをつくるものでした。私たちはさまざまなグループでセッションしました。稲田さん、山路さん、ポポのトランペット奏者の信紀さん、そして仙台から来た9歳の女の子と一緒に演奏しました。その演奏に参加できたことは、私にとってとても特別なことでした。その経験のおかげで私は音楽の大切さを今まで以上に気づかされました。音楽は私たちが集まったり、いろいろな考えや感覚をシェアする助けになるのです。また、音楽は人々が悲しみ、理解し、受け入れることを促します。音楽は力とポジティビティを創造するのです。こうやって何千年もの間、世界中で音楽が鳴らされてきたのでしょう。

旧グッゲンハイム邸のテニスコーツ、津波翌週のコンサート

ICHIと私は、反原発キャンペーンのサポートとして仙台で2月に開催される「おとのわ」でテニスコーツやユンボと出演します。

梅田哲也(パフォーマンス・アーティスト/音楽家)。津波翌週、大阪でのパフォーマンス

津波直後の京都ユーゲにて、川手直人とみちこ

旧グッゲンハイム邸にて。山路さんが新しく発明したパーカッション(風船の中にビーズが入っている)で遊ぶ。

D.I.T─ドゥ・イット・トゥギャザー

私はずっとDIYの信奉者でした。学校では本当に必要なことを教えてくれません。だから、自分がやりたいことをするためには自分で技術を磨き、道具を見つけなくちゃならないからです。友達や同年代の多くも、それぞれの人生において、そういった考えを持ったようです。

今に至るまで、私はほとんどひとりで仕事をしてきました。しかし、この時代の空気感を受けて、私は人と力を合わせ、みんなでやることが大切なように思えてきました。コミュニケーションやシェアリングといった良き経験のためだけでも。人と力を合わせたり、技術やアイデアを共有することから得られるものはとても大きいように思います。日本でもイギリスでもどこでも、最近、活動の中心に据えようと決心したのはコラボレーション活動なんです。ついに郵便を最大限に活用するときがきました。

1月─おにぎりレシピ交換

年が明けて私がやっていることのひとつに、自分でつくったおにぎりのレシピを郵便で送り、相手がつくったおにぎりの写真を送り返してもらう、というものがあります。今日はロージー・プレインから写真が届きました。いいわね、ロージー! もし、この試みに参加したい方がいらっしゃったら、ぜひ住所を「rachaeldadd@gmail.com」まで送ってください(多分1月末までで終わりますが、それ以降も気軽にコンタクトしてください。もしかして、ということもありますよ)。

おにぎり─サンドウィッチよりベター

6月─ユートロフィア展、ロンドン

6月、ロンドンのユートロフィアでICHI、ロージー・プレイン、フランソワ、ディス・イズ・ザ・キットのケイトとジェシとのグループ展が開催されます。参加作家はこれからまだ増えるかもしれません。私たちはワークショップと技術交換会、また、自分たちのさまざまなプロジェクトを紹介し、コンサートも開催します。詳細は随時お知らせします。

日本で知恵を出し合って

日本では、稲田さん、山路さん、それからとあるヒューマン・ビートボクサーなどなどとのコラボレーションだけでなく、3月にこちらで開催予定の展示会に向けて、いろんな友達とテキスタイルのコラボレーションもやっています。それに最近、ニュージーランド出身の新しい友達のデヴィッドとクラリネットの演奏も始めました。彼も、私と同じような理由で日本と恋に落ち、何度も何度も来日しています。20年前にグラフィック・デザイナーとして活動を開始し、展示会をしたり、東京でオルタナティブな音楽会場を運営するアート&デザインの集団を組織していたデヴィッド。都市生活に幻滅し、そんなこんなで彼は鎌倉の山中に引っ越して「田舎デラックス」という地方集団を始めているのです。彼からは自身の旅のこと、パーマカルチャーの一形態を学んだこと、ミツバチについて、粘土オーブンをつくったこと、子ども向けと大人向け両方の音楽/アートのワークショップをやっていること、津波の被災地でやったいろんなことを聞かされました。とても刺激を受ける人です。彼が最近言ったことで、ずっと印象に残っている言葉があります。それは、こんな時代にはみんながチェンジ・サーファー(訳注:変化を乗りこなす人間というような意味か)にならなきゃならないということでした。楽しそうですよね! 2012年から先、私たちは柔軟でいなくちゃと思うんです。

田舎デラックス

チェンジ・サーファーたち

2012/01/11

わすれろ草『みみくりげ』のこと(その1)

画:松井一平

それではここで2月15日にリリースするわすれろ草のアルバム『みみくりげ』から1曲お聞きください。タイトルは「レム王子、旅に出る」といいます。


 わすれろ草(Wasurerogusa)-レム王子、旅に出る by Sweet Dreams Press

川下に向かって
茶畑をこえて
ビニルハウスこえて
防砂林こえて

灯台に向かって
国道をこえて
レンガ造りこえて
海岸をこえて

蜃気楼に向かって
魚の群れこえて
イルカ雲こえて
光のピアノ弾いて

移動する風景、風景の中で移動していくだれか。それらをすべて空中から俯瞰で眺めているような、そんな歌です。ゑでゐ鼓雨磨さん、松井一平くん、そしてアキツユコさんの3人の歌声が次々と聴こえてくることもあって、移動を続けるのはひとりだけじゃなく、首の角度を変えるとあらあそこにもひとり、逆を向くとほらこちらにもひとり……と、複数の場所でだれかの旅姿を同時に認めるような心強さ、頼もしさみたいなものも感じられます。それとも、レム王子の旅行きを空中から優しく見守るいくつかの視線をそこに感じるでしょうか。越えていく、超えていく。越えていく私、越えていく王子。越えていく歌……。

はい。わすれろ草のファースト・アルバム『みみくりげ』より「レム王子、旅に出る」でした。わすれろ草というバンドのこと、『みみくりげ』というアルバムのこと、そして気になっていらっしゃる方も多いと思われる予約特典のこともありますが、まずは1曲聴いていただければと思いました。というわけで、この後さらに幾つか『みみくりげ』についてのニュースが続きます。お楽しみに。

遠くハトの声聞こえる
ヅゥタットゥ
ヅゥタットゥ
ヅゥタットゥ

2012/01/06

謹賀新年


明けましておめでとうございます!

さて、2012年前半のスウィート・ドリームス・プレスですが、まず、昨年から始まったレイチェル・ダッドのバルーン・ツアーが東京に帰ってまいります。年明けは1月14日(土)に原宿VACANT、16日(月)に八丁堀七針で公演が予定されていますので、ぜひ足をお運びいただければと。他にもライブの予定が決まり次第、随時こちらでアップデートしていきますので、こまめにチェックよろしくお願いします。さらに4月にはレイチェル・ダッドとICHIのミニツアー(松本・町田・埼玉)を仕込み中! もう少しで詳細をお伝えできると思いますので、それまでどうぞお待ちください。

また、2月15日には「わすれろ草」のファースト・アルバム『みみくりげ』をリリースします。わすれろ草は「ゑでぃまぁこん」のゑでゐ鼓雨磨と柔流まぁこん、そして、TEASIの松井一平とチャイルディスクからの諸作で知られるアキツユコの4人組です。アルバムの内容については後日発表しますが、なんと! スウィート・ドリームス・プレスでご予約・ご注文の方のためにすごい特典を制作中だったりして。あ、春にはライブも! ぜひお楽しみに!

そして、3月末から4月上旬には米オレゴン州ポートランドのアート・ガレージ・バンド、サッド・ホーストード・レコーズと共同招聘、全国各地をツアーします。サッド・ホースは、一度タラ・ジェイン・オニールのドラマーとして来日したジェフ・ソールのバンドです。こちらでは全くの無名かもしれませんが、無名だからこその×××を体験しにぜひいらっしゃっていただければと。実は5月にも、もひとつポートランドからバンドが……。どちらも乞うご期待、お見知りおきを。

ちなみにサッド・ホースのライブはこんな感じ。最高でしょっ!

あとは『スウィート・ドリームス』第5号もつくらなきゃですし……、ハァ、まだまだやることたくさんです。ほかにも、ちょっと去年から考えていたことを実現したいなと思っていたり。というわけで、どうぞ皆さま、本年もスウィート・ドリームス・プレスをサポートいただければ幸いです。2012年を少しでもより良い年にしていきましょう! エイエイオー!

2011/12/27

k. 『ヒストリー・グロウズ』のキックスターター募金者の方へ

『ヒストリー・グロウズ』の制作・製作費の一部をまかなうため、「k.」ことカーラ・シックリー本人がキックスターターという資金調達サイト(こちら)を利用したことは、私も以前フェイスブック等で紹介しました。このことは『ヒストリー・グロウズ』のライナーノーツで中西良之さんも触れていますが、無事、彼女は目標としていた650ドルを大幅に上回る募金を集め(最終的に1,111ドル)、そうして、この『ヒストリー・グロウズ』の音源を完成させることができたわけです。しかし、この『ヒストリー・グロウズ』のプロジェクトは、私たちがリリースしたCDのリリースをもって終わったわけではありません。ゴールはあくまでも、来年、彼女たち自身で製作・リリースされる『History Grows』にあります。

「せっかく募金したのに、何の連絡もなくいつの間にか日本盤が出ている。それはおかしいんじゃないか」。そんな声を見つけましたので、ここで私のほうからもご説明させていただきます。

まず、今回のキックスターターで「k.」が集めた資金については、先述したように彼ら自身が来年初旬に自主的にリリースする米盤の製作費に充てられることになっています。キックスターターでは、金額の多寡によって募金者への見返り(キックスターターでは「プレッジ(誓約)」という言葉を使っている)が設定されていて、この「ヒストリー・グロウズ」のプロジェクトの場合、10ドル以上の寄付から完成したCDが発起人から贈られるようになっていますが、そのCDも、もちろんスウィート・ドリームス・プレスからの日本盤『ヒストリー・グロウズ』ではなく、これから「k.」自身がリリースする盤になります(もしかしたら、おまけで日本盤がついてくる可能性はありますが……)。

というわけで、「k.」からの募金者への完成のお礼や報告も、その自主製作盤のリリースを待ってされることになります。今回は彼女に無理を言って日本盤を先にリリースさせていただきましたが、もちろんキックスターターからの資金を私たちが直接使うことはありません(そのためジャケットのデザインや仕様もすべて私たち独自で考案・制作しました)。とはいえ、キックスターターで得た資金の恩恵を間接的にこの日本盤が受けていることは確かです(例えば彼らが支払った録音代やマスタリング代の一部として)。こういったことを考慮すれば、「k.」側からこの日本盤リリースに当たって何らかの報告があって然るべきだったかもしれません。日本盤をリリースしたレーベルとしても、このことの周知を事前に促すなどの配慮が足らなかったことを反省しています。

とはいえ、ちょうどこの日本盤発売がホリデイ時期に重なっていたこと、そのためカーラ・シックリー本人に完成した日本盤がまだ届いていないこと等も踏まえて、どうか「k.」からの完成報告をもう少しお待ちいただけたらと思います。遅くとも数日中には私たちがリリースした日本盤が彼女の手元に届くはずです。その実際の盤を彼女が手にして完成を実感した際に、また、そう遠くない後日「k.」自身が手がける『History Grows』のリリース日が決まった際に、必ずお礼と報告があるはずです。

ちなみに私もキックスターターの本プロジェクトに募金した者として「k.」からのお知らせを心より楽しみにしているひとりです。では以上、ご理解・ご容赦いただければと思います。スウィート・ドリームス・プレスからのお知らせでした。

追記:12月29日、キックスターターの該当ページよりキックスターターの資金で制作するオリジナル盤が完成間近であること、そしてまた、日本盤リリースのお知らせも報じられました(こちら)。こちらの日本盤に配慮して少しだけオリジナル盤の発売は遅くなるようですが、キックスターターのサポーターの方には近日中になにか贈り物が届けられるようです。どうぞお楽しみに。

2011/12/15

アイダ・セット


スウィート・ドリームス・プレスWEB限定アイダ・セット!
書籍(CD付)とCDのお得な組み合わせです

アーティスト:k.(カーラ・シックリー)&アイダ
タイトル:アイダ・セット
カタログ番号:SDSP-002
発売日:2011年12月15日
内容:CD(k.『ヒストリー・グロウズ』)+CD付書籍(『勇猛果敢なアイダのものがたり』)

定価:3,200円(税抜価格3,048円)
通常定価2,100円(CD)+2,520円(画集)=4,620円の約30%OFF!




*『ヒストリー・グロウズ』の内容についてはこちらをご覧ください。また、『勇猛果敢なアイダのものがたり』の内容についてはこちらをご覧ください。

2011/12/14

k. - History Grows


アーティスト:k.(カーラ・シックリー)
タイトル:ヒストリー・グロウズ(特典ディスクガイド『女性は歌うよ高らかに』付)
カタログ番号:SDCD-009
発売日:2011年12月15日
収録曲数:10曲
パッケージ:6パネル・デジトレイ+16Pブックレット
ライナーノーツ:中西良之
歌詞対訳:mmm(ミーマイモー)

定価:2,100円(税抜価格2,000円)



アイダの知性、ニューヨークの良心
「k.」ことカーラ・シックリー、実に9年ぶりのサード・アルバム

ニューヨークのバンド、アイダ第三のメンバーとして知られる「k.」ことカーラ・シックリー。「Poor, Dumb Bird」や「Firefly」「Fallen Arrow」など、彼女が書いたきりっと引き締まった楽曲、また、ハスキーな歌声や彼女の弾くベース/ピアノはアイダのファンにとって本当に本当に大切なものでした。

過去『New Problems』(2001年)と『Goldfish』(2002年)という2枚のソロ・アルバムを「k.」名義で発表し、アイダの近作アルバムにも変わらぬ笑顔で参加(もちろん2008年の来日ツアーにも同行)、さらに最近はニューヨークのウィリー・メイ・ロックンロール・キャンプ・フォー・ガールズのディレクターとして忙しく動き回る彼女ですが、ここにようやく9年ぶりのソロ・アルバムが届けられました。もちろん、アイダのエリザベス・ミッチェル、ダン・リトルトンも駆けつけ、ウォーン・デフィーヴァー(ヒズ・ネーム・イズ・アライヴ)やタラ・ジェイン・オニールも録音・ミックスにクレジットされています。ルシンダ・ウィリアムスの「Passionate Kisses」やジェリー・ラファティの「Baker Street」、ジュリー・ドワロンの「For Me」などカバー曲のチョイスもカーラならでは。ジョニ・ミッチェル、ジュディー・シル、サンディ・デニーやローラ・ニーロ等々、往年の女性シンガー・ソングライター名盤に加えられそうなエバーグリーンな逸品がここに生まれました。

余談ですが、彼女の父親のピーター・シックリーは、PDQバッハなる大バッハの息子を創作した面白い作曲家で、つまり、ちょっと変わったニューヨークの音楽一家に彼女は生まれているのです。カーラ・シックリーの「k.」、ぜひこの機会にお見知りおきください。

Tracks:
1. Stevie
2. Click and Slap
3. History Grows
4. The Last Thing I Wanted
5. Air
6. I Don’t Mind
7. Passionate Kisses
8. Jump
9. For Me
10. Baker Street


k. (Karla Schickele) - Stevie by Sweet Dreams Press

2011/12/09

女性は歌うよ高らかに ~新しい女性たちのレコード・カタログ~


k.(カーラ・シックリー)の9年振りのアルバム『ヒストリー・グロウズ』の購入者特典として、手頃なディスク・ガイド、題して『女性は歌うよ高らかに』という28ページの小冊子をつくってみました。この5~6年の女性シンガー・ソングライター(もしくは女性ボーカルのバンド)のレコード(一部カセット作品/デジタル配信作品もあり)をフルカラーで148枚(!)紹介しています。それぞれのレビューこそ小枠で60字、大枠で420字と、そんなに長いものではありませんが、短い文章は短いなりの味わいがあるもの。布団にもぐりこんでページをめくったり、ポケットに忍ばせてレコード店を探検するにはぴったりの使い勝手のよいディスク・ガイドに仕上がりました。

掲載作品も若手ベテラン、洋邦問わず、北欧や南米、はたまたアジアのアーティストも織り交ぜてあります。掲載作品の選・評は、天井潤之介、荒田光一、河野洋志、坂本麻里子、清水久靖、村尾泰郎、吉本栄(敬称略・五十音順)という猛者たちをお迎え。だれが何を選んでどう書いているのか、そんな楽しみもできる一冊です。

また、表裏とも表紙にはスウィート・ドリームス・プレスからのCD『バイト・ザ・マウンテン』が大好評のレイチェル・ダッドが特別に縫い/刷りおろしてくれた最新アートワークを使用。また、不肖、わたくし福田も欄外にタラ・ジェイン・オニール&二階堂和美のUSツアーにまつわるちょっとした原稿を書いています。

残念ながら、この小冊子の部数は150部程度とそう多くありません。k.(カーラ・シックリー)のアルバム『ヒストリー・グロウズ』をお取り扱いいただいている小売店でもお買い上げのお客様におつけする予定ですが、確実に入手されたい方はぜひ本スウィート・ドリームス・プレスのサイトでご予約されることをおすすめします。もちろん、3年前に発行したアイダの本/CD『勇猛果敢なアイダのものがたり』とのお得なアイダ・セット(詳しくはこちら)をご予約・ご注文の方にも、この『女性は歌うよ高らかに』を一部おつけいたします。

冬の長い夜、ぜひk.のアルバム『ヒストリー・グロウズ』に耳を傾け、この『女性は歌うよ高らかに』のページをめくってみてください。どうぞよろしくお願いします。

2011/11/17

k.(カーラ・シックリー)の『ヒストリー・グロウズ』予約受付開始!


スウィート・ドリームス・プレスは、この度、アイダ第三のメンバーであるカーラ・シックリーのソロ・プロジェクト、k.の9年ぶりのサード・アルバム『ヒストリー・グロウズ』を12月15日にリリースします。

というわけで、上はできたてほやほやのジャケットのアートワークです。バックミラーにハンモックでくつろぐ女性の姿、遠くには鳥が飛んでいます。今日の午前中に無事入稿してきました。ちなみにこの写真は、カーラのパートナーであるケイト・ミルフォードという写真家の作品で、これ以外にも裏ジャケットや中面、ブックレットに彼女の作品を使っています。静かで、ノスタルジックで、ほのかに人間の臭みが漂ってくるアメリカの風景を音楽とあわせて楽しんでいただければ嬉しいです。彼女のウェブサイトはこちら。残念ながらそこでは余り写真を見ることはできませんが、彼女の経歴は垣間見ることができます。またケイトは2008年のアイダの来日にも同行して、かいがいしくカーラのふたりの赤ちゃんの世話をしていました。背が高く、知的ですらっとした方でした。

ちなみにこの『ヒストリー・グロウズ』は、アメリカでのリリースがまだ決まっていません。また、このジャケットのデザインはスウィート・ドリームス・プレスで手がけたので、将来アメリカ盤が出たとしても、異なる仕様になることが予想されます。どちらにしても、いまはスウィート・ドリームス・プレスだけの『ヒストリー・グロウズ』というわけです。

では、収録曲から冒頭を飾るオープナー「Stevie」をお聞きください。ドラムは2008年のアイダの来日でも活躍したルース・キーティング、そしてたなびくような印象的なスティールは、そのルースとマラーキーズというバンドをやっているマット・サットンです。これをきっかけにして、そのマラーキーズや、カーラが以前やっていたビーキーパー、さらにUIベイブ・ザ・ブルー・オックスなど、ブルックリンのアヴァン・ポップ・シーンの裏面を探求してみるのも面白いでしょう。


k. (Karla Schickele) - Stevie by Sweet Dreams Press

ちなみにこの曲、聞き覚えがある方もいらっしゃるかもしれません。そうなんです。2008年のアイダ来日時にスウィート・ドリームス・プレスで発行した『勇猛果敢なアイダのものがたり』の付属CDにも収録されていた曲なんです。……で、ぜひ、この本も一緒に読んでもらいたいなと思い、今回、格安なセットもご用意することにしました。題してアイダ・セット。ジャド・フェア&テニスコーツのときの青空セットも好評でしたが、こちらも持ってけドロボー価格、約30%引きでご提供させていただきますので、ぜひこの機会にご利用ください。詳細は下に記しておきます。

また、発売日の前日、12月14日までの予約者限定価格として、『ヒストリー・グロウズ』ご予約の方には消費税もサービスさせていただきます。さ・ら・に、この『ヒストリー・グロウズ』も絡めて、最近の女性シンガー・ソングライターが概観できるような、そんな小冊子をつくってみようかなと思っています。『ヒストリー・グロウズ』、もしくは「アイダ・セット」をご予約・ご注文の方には1冊ずつ同封させていただきますので、そちらもお楽しみに。内容はまた追ってお知らせします。

では、k.(カーラ・シックリー)の『ヒストリー・グロウズ』をどうぞお楽しみに。参加メンバーの中には、もちろんアイダのダン・リトルトンとエリザベス・リトルトン、ベイブ・ザ・ブルー・オックスのローズ・トムソンといった面々が並んでいます。そして、レコーディングはヒズ・ネーム・イズ・アライヴのウォーン・デフィーヴァーがウッドストックにあるリヴォン・ヘルム(!)のスタジオで敢行。タラ・ジェイン・オニールも2曲をミックスし、マスタリングは過去にニック・ジャイナホース・フェザーズの作品を手がけてきたジョン・コーズが担当しています。

さらに、とかくカバーに定評のあるアイダの血筋だけに、本作にもルシンダ・ウィリアムスの「Passionate Kisses」、ジェシー・メイ・ヘンプヒルの「Jump」、ジュリー・ドワロンの「For Me」にジェリー・ラファティーの「Baker Street」の4曲を収録。この人選の幅広さ、この折衷性こそ彼女の肝でしょう。とにかく、とてもいいアルバムなんです。カーラと親交のある中西良之さんのライナーノーツ、そして、mmm(ミーマイモー)が手がける今すぐ歌えてしまいそうな歌詞対訳も含めて、存分に味わっていただければと思います。

アーティスト名:k.(カーラ・シックリー)
タイトル:ヒストリー・グロウズ
発売日:2011年12月15日
カタログ番号:SDCD-009
価格:¥2,100(本体 ¥2,000)
パッケージ:6面デジトレイ+ブックレット
収録曲数:10曲
ライナーノーツ:中西良之
歌詞対訳:mmm(ミーマイモー)



スウィート・ドリームス・プレスWEB限定アイダ・セット!

タイトル:アイダ・セット(『ヒストリー・グロウズ』+『勇猛果敢なアイダのものがたり』)
カタログ番号:SDSP-002
WEB限定価格:¥3,200(税込)
通常定価2,100円+2,520円=4,620円の約30%OFF!




『勇猛果敢なアイダのものがたり』の内容については、こちらをごらんください。

ご予約/ご購入を希望される方は「info.sweetdreams@gmail.com」まで、1)お名前、2)郵便番号+ご住所、3)電話番号、3)ご希望の商品名、4)ご希望の枚数、5)希望のお支払い方法(指定の銀行口座へのお振込み、もしくは現金書留)をお知らせください。折り返し、スウィート・ドリームス・プレスより送金先などを添えた確認メールをお送りします。また、PayPalをご利用の方は、上の「Add to Cart」ボタンをご利用の上、通常のショッピング同様の方法でご送金ください。どちらも入金の確認をもってご予約成立とさせていただきます。もちろん、スウィート・ドリームス・プレスのほかの商品を併せてご購入いただくことも可能です。なお、特典は数に限りがありますので、お早めのご予約をおすすめします。

2011/11/16

Introducing Karla Schickele 1


2008年、スウィート・ドリームス・プレスはアイダの初来日を記念して『勇猛果敢なアイダのものがたり』というCD付きの書籍を発行しました。その本は、アイダのメンバーやバンド関係者のインタビュー、メンバーが影響を受けたレコードのリスト、ディスコグラフィや評論などで構成していて、シークレット・スターズのジュディ・ボナーノの感動的な思い出話やマイケル・ハーレーがあの伝説的なコミックをその本のために描いてくれたことなど、今でも思い出深い1冊(枚)だったりします。

そして僕はその本を抱えて、行商よろしくアイダのツアーの約半分について行ったわけでした。ちなみにマップのときに2度目に企画した招聘がタラ・ジェイン・オニールとアイダのダニエル・リトルトンだったこと。そのときにちょうどアイダのプロデューサーとしても有名なヒズ・ネーム・イズ・アライヴのウォーン・デフィーヴァーが日本に滞在中だったこと。さらに数年後、タラ・ジェイン・オニールの何度目かの来日メンバーとして、元アイダのミギー・リトルトンを連れてきたこと。マップではダニエル・リトルトンの妻であるエリザベス・ミッチェルのキッズ・アルバムを2枚リリースしていたこともあるし、ともかく何かと縁があるバンドだったわけで、そのファミリーとしての広がりをいつか一冊にまとめることはアイダの来日が決まる前から頭の隅にいつもありました。

ともあれ、アイダが来日してメンバーと一緒に行動を共にする中、ベース/ピアノのカーラ・シックリーが1枚のCD-Rをくれたのでした。それは、既に2枚のアルバムを出していた彼女のソロ・プロジェクト、k.の録音したてのニュー・アルバムとのことでした。タイトルは「Ghost and the Other Swimmers」。最初に聴いたときからとても印象のよいアルバムで、この3年ほど何度も何度も何度も何度も聴き続けたアルバムになりました。でも、その間アメリカでリリースされる気配はありませんでした。

ある日、カーラにメールで「あのアルバム好きなんだけど誰も出さないの?」と訊くと、特にリリース予定がなくまだマスタリングもしていないとの答え。というわけで、ひょんなことからスウィート・ドリームス・プレスでそのアルバムをリリースすることにしました。タイトルこそ『ヒストリー・グロウズ』になりましたが、僕がずっと聞き続けてきたアルバムと同じものです。リリース日は12月15日、今、ジャケットのデザインをいろいろ試しているところですが、まずはカーラ・シックリーなる女性の人となりを知ってもらうために、先述の『勇猛果敢なアイダのものがたり』に掲載したインタビューの完全版を、以下にお蔵出ししてみます。

それでは、k.(カーラ・シックリー)の9年ぶりとなるアルバム『ヒストリー・グロウズ』をぜひご期待ください。きりっと冷えた街の歌のアルバムです。


■まず、あなたの子供時代のこと、それからあなたのご家族のことを教えて。あなたの父親のピーターPDQバッハという架空の人物を作り上げた作曲家なんですよね。そういうユーモラスなアーティストを父親に持つ気分ってどんな感じですか? また、そのことがあなたの音楽や、そのほかの活動に影響を及ぼしていると思いますか?
□いつも音楽がかかっている家で育ったのはラッキーだったと思う。わたしの両親はどちらも、いろんな音楽が大好きでね。ポップも、クラシックも、ジャズも、フォーク、ブルーグラス、カントリーやソウルも。それに、自分たちが好きな音楽を人と分かち合うのに熱心な親だった。父は「シリアス」な作曲家だけど、PDQバッハという喜劇的なキャラクターを創出した人でもあるの。それに『シックリー・ミックス』っていう、何でもかけるラジオ番組のホストもしていたわね。彼はコメディをすごくシリアスに捉える一方で、シリアスな音楽に対するアプローチ方法には、いろんな遊びを盛りこんでいた。彼を通して、作っている音楽がファニーなものじゃなくても、ユーモアを忘れないことの大切さを学んだんだと思う。

■ベースを手にしたきっかけ、歌いはじめたきっかけを教えてください。若いときに入れ込んでいた音楽は?
□歌うことは私の人生の基盤みたいなものね。だから、歌い「はじめた」って感覚はないの。ただ、いつも歌っていたのよ。で、ティーンになって、なにか楽器を弾きたくなったの。最初にギターを試してみたけど、あんまりピンとこなかったのね。で、良いベース・ラインって、目立たないけど曲の感触を微妙に変えたりするでしょ? エルヴィス・コステロのジ・アトラクションズにいたブルース・トーマスみたいな、メロディックなベース・ラインが大好きだったの。それで、自分の18歳の誕生日プレゼントにベースをおねだりしたのね。それからベースを弾きはじめて今日までずっと弾いてきたの。1日に100万時間も練習するタイプだったことはないけれど、それ以来、ずっとバンドでベースを弾いてきたってわけ。若かったころ、いろんなポップやロックが好きで聴いていたけど、とくにメンバーに女性がいるってだけで昔はそのバンドのレコードを買っていたわね。そうやって、いろんな素晴らしい音楽を発見していったの。いま、思いつくのはザ・モデッツとかね。すぐに解散しちゃったイギリスのガールズ・バンド。注目されることはなかったけど、最高のバンドよ。

■アイダのダン・リトルトンやエリザベス・ミッチェルと出会って、1996年にアイダに加入したいきさつは? 一番最初のライブ、もしくはリハーサルを覚えていますか?
□1996年、アイダにはパーマネントなベーシストがいなかったのね。だから、彼らはツアーやレコーディングの度に他のバンドからベーシストを雇っていたの。で、私のプロジェクトだったビーキーパーから私も雇われたわけだけど、一緒に歌いはじめたり、曲を作ったり、公演を重ねていくうち、お互いの相性が本当に良くってね。で、フル・タイムのベーシストになったのよ。しばらくは、掛け持ちでやっていたんだけど、すごく大変で。そうこうするうちにビーキーパーは解散して、アイダが私のメイン・バンドになったの。最初にアイダで弾いたときのことはよく覚えているわ。ダンとリズと、彼らのアパートで2~3回、楽しいリハーサルをしたんだけど、それからふたりはミギーと一緒に西海岸へ家族旅行に出かけていったのね。数週間後、私も西海岸に飛んで、ロスアンジェルスの街角で彼らと合流したの。私を迎えにきてくれて、1回、リハをしたその夜に、最初のライヴをやったんだけど、めちゃくちゃ緊張しちゃったわ! で、翌日には次のショー、そのまた翌日には……。そうやって2008年のいまも、わたしはアイダにいるというわけよ。

■アイダでの活動で一番面白かった思い出は?
□おかしな思い出なんてたくさんありすぎてひとつに絞りきれないなあ。でも、パッと思いつくのは、ニッティング・ファクトリーでフリートウッド・マックの『Tusk』を全曲カバーしたときのこと。ダンがスティーヴィー・ニックスになりきってて、めちゃくちゃ楽しかったの。たしか2004年だったはず。

■アイダから特別な精神性や態度を学んだとしたら、それはどのようなものだったでしょうか?
□難しい質問ね。単語をずっと並べることしかできないかも。まじめさ、楽しさ、注意深さ、自発さ、思慮深さ、調和、折衷的であること、そして忍耐強さね。

■あなたは以前、ミギー・リトルトンとビッグ・ディールというレコード店を経営していましたよね。どんなお店だったのでしょうか? また、レコード店を運営する中で、あなたが好きだったのはどんなところでしたか?
□ビッグ・ディールはクレイジーな試みだった。基本的に、他の仕事に就かずにフルタイムで音楽ができるように家賃の安いところを探していたのね。ミギーには、スリフト・ストアで古いレコードを漁って人が欲しがってるレコードを見つける天性の素質があったから、お店を借りるのって良いアイデアに思えたのよね(しかも、借り賃がアパートより安かったの)。で、お店に住んで、もちろんレコードが中心だったけど、タラ・ジェイン・オニールやザ・クリーンのハミッシュ・キルゴアなんかの絵も売ったりしてたの。あと、これは私の受け持ちだったんだけど、ヴィンテージ古着も扱おうと思って、でも、私にはそっちのセンスがなかったのよね。中途半端で終わってしまって。レコードの方は人気があって、数年の間、週末になると人でいっぱいだったの。1日中、誰かがレコードを見ていてね。これが、お店をやっていた上で好きなことでもあり、そうじゃなかったことでもあり。面白い人がいるっていうのは素晴らしいことだけど、でも、時にはひとりになりたいじゃない?

■最近の音楽活動について教えてください。あなたはウィリー・メイ・ロック・キャンプ・フォー・ガールズのエグゼクティブ・ディレクターとして働いていますよね? それはどのような役職なのでしょうか? また、ロック・キャンプのどのような点に魅力を感じたのでしょうか?
□いまは、そんなに音楽活動をしていないのよね。エメットとオーギーっていうふたりの息子がいるから、自分の時間はほとんど彼らと一緒にいるの。アイダ以外では、いまでもk.としてライヴをやることもあるし、ちょうどk.のレコーディングが終わったところなの(編注:『ヒストリー・グロウズ』のことだと思われる)。それから、ウィリー・メイのロック・キャンプ・フォー・ガールズで忙しくしているわね。私たちの使命は、少女と若い女性に音楽を演奏することを通して自信を持ち、ともに作業する機会を設けることにあるの。オレゴン州ポートランドで開催された最初のロック・キャンプ・フォー・ガールズにボランティアとして参加して、そのエネルギー、音楽、そして、他の女性と一緒に働くことが大好きになったのね。で、ニューヨークでも、そのロック・キャンプをはじめたくなったの。いまでは、世界中いたるところでキャンプが開催されているのよ。スウェーデン、ロンドン、ベルリンにも。日本はいつになるのかしら?

2011/11/02

Rachael Dadd - Bite the Mountain


アーティスト:レイチェル・ダッド
タイトル:バイト・ザ・マウンテン
カタログ番号:SDCD-008
発売日:2011年11月5日
収録曲数:14曲
パッケージ:E式紙ジャケット+糸綴じ36ページのブックレット貼付
ライナーノーツ:飯島直樹(DISC SHOP ZERO
歌詞対訳:喜多村純

定価:1,890円(税抜価格1,800円)

日常の風景を切り取る「うた」の裁ちばさみ
日英をまたいで活躍するクラフティ・フォーク一番の笑顔を

英ウィンチェスター生まれ、その後ブリストルに移り、ソロ活動以外にもディス・イズ・ザ・キットことケイト・ステイブルズとのホエールボーン・ポーリーやウィグ・スミスとのザ・ハンドを並行して稼働。ブリティッシュ・フォークの可憐な超新星として一際大きな注目を集めてきた女性シンガー・ソングライター、レイチェル・ダッド。

日本に滞在した半年間に約40ものライヴを敢行した2008年以降、近年はパートナーのICHIと頻繁に日英を往復しながら、そのチャーミングな笑顔で日本のオーディエンスをすっかり虜にする中リリースされる通算4枚目のアルバムです。2011年1月に札幌、翌2月に神戸グッゲンハイム邸で録音された本作には、先述のICHIだけでなく、稲田誠(演奏だけでなく録音、ミックスも)、アキ・ツユコら、彼女が日本で親交をあたためてきた人たちも多く参加、レイチェル本人もいつものようにピアノ、ギター、バンジョー、ウクレレ、クラリネット……楽器を取っかえ引っかえ、大草原の小さな家よろしく、おばあちゃんのキルト細工のようなレコードをまたこしらえてくれました。

散歩、おしゃべり、想像にふけること、手を動かして何かをつくること、木の上のカササギの巣のように、庭での昼ごはんを楽しむように……、日常風景を切り取る「うた」の裁ちばさみ、それがレイチェル・ダッドの「うた」です。バイト・ザ・マウンテン……、山をかじる。その山は、例えば収録曲の「Rice Triangle」に出てくる三角形のおにぎりです。では、みんなで声と手を合わせましょう。いっただっきまーす!

Tracks:
1. Balloon
2. Tsubomi
3. Claw And Tooth
4. In The Morning
5. Moth In The Motor
6. The Distance
7. Hedgehog
8. Rice Triangle
9. Time Makers
10. Tower Tower
11. Good Good Light
12. Anchoring
13. The Wind And The Mountain
14. Window


Rachael Dadd - Rice Triangle by Sweet Dreams Press