2016/12/12

Laura Gibson Japan Tour 2017


「おまえはおまえの生を変えなければならぬ」。リルケの言葉を胸にポートランドからニューヨークへ移り住んだローラ・ギブソン。すべてを手放し、そしてまた見つけ出す。その喪失と再発見の過程でストーリーテラー〜シンガー・ソングライターとして大きく成長した深い冬の歌声をお届けします。

 共作アルバム『Bridge Carols』リリースを受けたイーサン・ローズとの来日ツアーから早8年、久しぶりにローラ・ギブソンが日本にやってくることになりました。そういえば前回来日時には到着前に飛行機が大きく揺れたようで、到着ゲートからイーサン・ローズとふたり、目を大きく回しながらふらふらになって出てきたことを覚えています。ふたりの様子が目も当てられなくて、しかし、彼らもなんとか到着できた安堵からか、3人で会うなり自然に笑い声が洩れたのでした。そういう親しみやすさは彼女の歌と音楽を支える大切なもののひとつですが、一方で当時アメリカン・ゴシックと言われたような影を彼女の歌声もまた引きずっていきます。ノスタルジアと歴史の闇を揺れ動きながら、しかし、最新作『エンパイア・ビルダー』でコンテンポラリーなシンガー・ソングライターとしての確固とした力量を開花させたローラ・ギブソンの「今」をぜひ体験ください。季節も冬、彼女の可憐な代表曲「Hands in Pocket」であたたまるには絶妙のタイミングでのツアーがはじまります。

LAURA GIBSON JAPAN TOUR 2017
ローラ・ギブソン ジャパン・ツアー2017

1月26日(木)東京 7th FLOOR(03-3462-4466)
東京都渋谷区円山町2-3 O-Westビル7階
出演:ローラ・ギブソン、フジワラサトシ
開場 7:00pm/開演 7:30pm
料金 3,500円(予約)/4,000円(当日)*ドリンク代別
チケット:会場(店頭販売/電話予約)、e+

1月27日(金)名古屋 KDハポン(052-251-1324)
愛知県名古屋市中区千代田5-12-7
出演:ローラ・ギブソン、レイチェル・ダッド
開場 7:00pm/開演 7:30pm
料金 3,500円(予約)/4,000円(当日)/2,500円(学割)
*ドリンク代別、学割:学生証など証明となるものをご持参ください。
予約:会場kdjapon@gmail.com

1月28日(土)金沢 アートグミ(076-225-7780)
石川県金沢市青草町88 北國銀行武蔵ヶ辻支店3階
出演:ローラ・ギブソン、rima katoten toteASUNA
開場 5:00pm/開演 5:30pm
料金 3,500円(予約)/4,000円(当日)/2,500円(学割)
*学割:学生証など証明となるものをご持参ください。
予約:aotoaowindowofacloudyday@gmail.com)、tell me why(tellmewhysy@gmail.com|090-5688-6750)

1月29日(日)京都 アバンギルド(075-212-1125)
京都府京都市中京区木屋町三条下ル ニュー京都ビル3階
出演:ローラ・ギブソン、西森千明
開場 6:30pm/開演 7:00pm
料金 3,500円(予約)/4,000円(当日)*ドリンク代別
予約:会場

1月30日(月)東京 7th FLOOR(03-3462-4466)
東京都渋谷区円山町2-3 O-Westビル7階
出演:ローラ・ギブソン、レイチェル・ダッドICHI
開場 7:00pm/開演 7:30pm
料金 4,000円(予約)/4,500円(当日)*ドリンク代別
チケット:会場(店頭販売/電話予約)、e+

協力:HEADZaotoao(金沢)、tell me why(金沢)
招聘:OURWORKS合同会社


ローラ・ギブソン(Laura Gibson):米オレゴン州にある人口5,000人ほどの小さな町コキーユに生まれたシンガー・ソングライター/チェロ奏者。可憐な佇まいと憂いに満ちた歌声でポートランドのSSWシーンで頭角を現わす。アルバム・デビューはハッシュ・レコーズからの『If You Come to Greet Me』(2006年)。スモール・セイルズのメンバーとしても知られるサウンド・アーティスト、イーサン・ローズとの共作アルバム『Bridge Carols』含め、これまでに計5枚のアルバムを発表した(うち3枚はHEADZにライセンスされ国内盤化)。日本にも2009年に来日し、リキッドルーム(東京)で開催されたフェスティバル「De La FANTASIA」出演を含めた5公演を大好評のうちに成功させている。

2016/10/18

Laura Gibson - Empire Builder


アーティスト:ローラ・ギブソン(Laura Gibson)
タイトル:エンパイア・ビルダー
カタログ番号:SDCD-032
発売日:2016年12月15日
収録曲数:12曲
パッケージ:A式紙ジャケット(シングル)/32Pブックレット(歌詞対訳掲載)
ライナーノーツ:荒田光一
歌詞対訳:mmm(ミーマイモー)
定価:¥2,000+税

ご注文はこちらから。

米オレゴン州ポートランドからニューヨークへ、新天地で待ち受けた困難を乗り越え
そのソングライティングの強さとしなやかさを増したローラ・ギブソン5枚目の最高傑作

 2014 年夏、ローラ・ギブソンは単身アムトラックの長距離列車に乗り、長く住み慣れたオレゴン州ポートランドからニューヨークへと移ります。西海岸と東海岸をつなぐ長い長いその路線の名は「エンパイア・ビルダー」。しかし、車上の人であるローラはもちろん、これからニューヨークで待ち受けている数多の不幸など知る由もなかったでしょう。

 到着早々、彼女は足を骨折し、上がり下りに不自由なアパートの5階の部屋を出ていくことになります。さらに翌春、彼女が住んでいたイーストビレッジの住処は大きなガス爆発事故のために建物ごと全焼(この事件は日本でも大きく報じられました)、彼女は命からがら逃げ出しましたが、持ち物のほとんどすべてをそこで失うことになりました。身元を証明するものも、楽器も、書き溜めた日記や歌詞も……。その後の数か月は友人宅のカウチやゲストルームを転々としながら生活を立て直すことに費やされ、さらに、入学した大学院の課題をこなしながらローラは失った歌詞を思い出すという作業に邁進したのでした。つまり、本作の背景には、こうした喪失と再発見の日々があります。

 また、学校で学ぶフィクション・ライティングの授業や講義を通じて、彼女はストーリーテラー/ソングライターとしての自分をいちから再構成し、見つめ直すのでした。そして、その喜びと自信の深まりは、彼女が困難を乗り越えて手にした大きなダイアモンドだったに違いありません。

 さらにこの作品を支えるため、旧友のキラ星のような音楽家たちが集められました。デス・キャブ・フォー・キューティーのデイヴ・デッパー、日本でも人気のマルチ演奏家ピーター・ブロデリック、そしてニーコ・ケースのダン・ハント、ディセンバリスツのネイト・クエリー、さらにSSW のアリーラ・ダイアンまで。自立、女性性、独居、人間関係や孤独をテーマに、喪失~再発見の瞬間を見事にとらえた『エンパイア・ビルダー』。強さとしなやかさを一層増した歌声とプロダクションは、大都市ニューヨークを歩く彼女のぴんと伸びた背筋を思わせる大きな飛躍のアルバムと言えるでしょう。

1. The Cause
2. Damn Sure
3. Not Harmless
4. Empire Builder
5. Five And Thirty
6. The Search For Dark Lake
7. Two Kids
8. Louis 
9. Caldera, Oregon
10. The Last One
11. The Easy Way*
12. Animals*
* 日本国内盤限定ボーナス・トラック

ローラ・ギブソン(Laura Gibson):米オレゴン州にある人口5,000人ほどの小さな町コキーユに生まれたシンガー・ソングライター/チェロ奏者。可憐な佇まいと憂いに満ちた歌声でポートランドのSSWシーンで頭角を現わす。アルバム・デビューはハッシュ・レコーズからの『If You Come to Greet Me』(2006年)。スモール・セイルズのメンバーとしても知られるサウンド・アーティスト、イーサン・ローズとの共作アルバム『Bridge Carols』含め、これまでに計5枚のアルバムを発表した(うち3枚はHEADZにライセンスされ国内盤化)。日本にも2009年に来日し、リキッドルーム(東京)で開催されたフェスティバル「De La FANTASIA」出演を含めた5公演を大好評のうちに成功させている。







2016/09/26

イ・ランと柴田聡子のランナウェイ・ツアー


 2016年9月にリリースした2枚のアルバム『ヨンヨンスン』『神様ごっこ』が各地で大きな話題を呼んでいる韓国ソウルのシンガー・ソングライター、イ・ランが、盟友、柴田聡子を誘って日本各地をツアーすることが決定しました。

ラティーナ』誌の表紙を韓国人アーティストとして初めて飾り、VICE JAPANのインタビュー(こちら)も評判を呼んでいるイ・ランの「いま」をぜひお見逃しなく。

イ・ランと柴田聡子のランナウェイ・ツアー

11月20日(日)松本 Give me little morep(080-5117-0059)
長野県松本市中央3-11-7
出演:イ・ラン、柴田聡子
開場 6:30pm/開演 7:00pm
料金 2,500円(予約)/3,000円(当日)
予約:会場(give.melittlemore@gmail.com
チケット:予定枚数が終了しましたので、予約受付を終了いたしました。キャンセル待ちの受付は上記連絡先までお願いします。

11月22日(火)名古屋 KDpハポン(052-251-0324)
愛知県名古屋市中区千代田5-12-7
出演:イ・ラン、柴田聡子、藤井邦博(魚座)、Gofish
開場 6:30pm/開演 7:00pm
料金 2,800円(予約)/3,000円(当日)/2,300円(学割)
*学割:学生証など証明となるものをご持参ください。
予約:会場(kdjapon@gmail.com

11月23日(水・祝)金沢 オヨヨ書林せせらぎ通り店
石川県金沢市長町1-6-11
出演:イ・ラン、柴田聡子
出店:金沢小町
開場 7:00pm/開演 7:30pm
料金 3,000円(予約)/3,500円(当日)
企画:tell me why(tellmewhysy@gmail.com|090-5688-6750)
チケット:予定枚数が終了しましたので、予約受付を終了いたしました。キャンセルがあった場合のみ、当日券のアナウンスをさせていただきます。

11月25日(金)鳥取 ボルゾイレコード(0857-25-3785)
鳥取県鳥取市新町201 上田ビル2F
出演:イ・ラン、柴田聡子、タナカ
開場 7:00pm/開演 7:30pm
料金 2,500円(予約)/3,000円(当日)
予約:会場(0857-25-3785)

11月26日(土)神戸 旧グッゲンハイム邸(078-220-3924)
兵庫県神戸市垂水区塩屋町3-5-17
出演:イ・ラン、柴田聡子、黒岡まさひろ
出店:喫茶ゆすらご
PA:西川文章
開場 6:30pm/開演 7:00pm
料金 3,000円(予約)/3,500円(当日)
予約:会場guggenheim2007@gmail.com
共催:塩屋音楽会

11月27日(日)大阪 豊崎長屋主屋
大阪府大阪市北区豊崎1-1-3
出演:イ・ラン、柴田聡子、斉藤友秋
出店:二月四日可否
開場 2:30pm/開演 3:00pm
料金 3,000円(予約)/3,500円(当日)
企画・予約:gallery yolchagallery.yolcha@gmail.com|090-3673-0337)
チケット:予定枚数が終了しましたので、予約受付を終了いたしました。キャンセル待ちの受付は上記連絡先までお願いします。

11月29日(火)東京・渋谷 7thpFLOOR(03-3462-4466)
東京都渋谷区円山町2-3 Owestビル7F
出演:イ・ラン、柴田聡子、Alfred Beach Sandal
開場 7:00pm/開演 7:30pm
料金 3,000円(前売り)/3,500円(当日)
チケット:予定枚数が終了しましたので、予約受付を終了いたしました。当日券の有無につきましては、公演当日、会場に直接お問い合わせください。

企画:スウィート・ドリームス・プレス
招聘:Some Echoes 株式会社
共催・協力:藤沢千史(松本)、Gofish(名古屋)、tell me why(金沢)、aotoao(金沢)、塩屋音楽会(神戸)、gallery yolcha(大阪)


イ・ラン(이랑):1986年韓国ソウル生まれのマルチ・アーティスト。映像作家、コミック作家、シンガー・ソングライターと活動は多岐にわたる。2006年、アマチュア増幅器(ヤマガタ・トゥイークスター=ハン・バッのソロ・プロジェクト)の「金字塔」のカバーから音楽活動をスタート、日記代わりに録りためた自作曲が話題となり、シングル「よく知らないくせに」でデビュー(2011年)。その翌年には初来日ツアーを実現させ、アルバム『ヨンヨンスン』をリリース。韓国自立音楽シーンとびきりのニュー・タレントとして大きな注目を浴びる。2016年9月にスウィート・ドリームス・プレスより『ヨンヨンスン』とニュー・アルバム『神様ごっこ』の国内盤がリリースされた。


柴田聡子(しばたさとこ):1986年札幌市生まれ。ギターの弾き語りでライブを行ないながら、これまでに2枚のデモCD(2011年)、ファースト・アルバム『しばたさとこ島』(2012年)、アナログ12インチ・シングル「海へ行こうかEP」(2013年)、セカンド・アルバム『いじわる全集』(2014年)、サード・アルバム『柴田聡子』(2015年)と、泉が湧くように作品リリースを続ける超新星。2016年には過去の楽曲の歌詞や書き下ろしの散文詩、長編詩などをまとめた初の詩集『さばーく』を上梓。その類稀な言語感覚をあらためて披露し、音楽のみならず、文学、演劇と分野を超えて柔らかな注目を集めるシンガー・ソングライター。
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2016/09/12

イ・ランと「ヨンヨンスン」と「神様ごっこ」へのコメント


 イ・ランと、9月15日にリリースする『ヨンヨンスン』と『神様ごっこ』について、たくさんの方からコメントをいただきました。こちらのコメントは『神様ごっこ』の特典冊子「イ・ランのこと」にも掲載しましたが、こちらでもあらためてご紹介しようと思います。急なお願いだったにもかかわらず快く引き受けていただいた皆様には感謝の言葉しかありません。そして、これらのあたたかいコメントがあなたとイ・ランを結びつける一助になることを願っています。順番はお名前の五十音順です。どうぞ。

 境界線を超えてゆこうとする人の姿は、どうしてこんなにも心を揺さぶるのだろう? ただ此処にいる自分があやふやすぎて、書くことや歌うことでしか、世界と自分を繋ぎとめられない人にとって、その暗闇を覗きみることと楽しく生きること、誰かと繋がってゆくことは矛盾しないはずなのに。うまくゆかずにすれ違ってしまう現実。人間関係、家族、大人になること、仕事、孤独、死……。イ・ランは日常の中で浮かび上がる、さまざまな感情をつぶさに見つめ、音楽や文章へ紡ぎ出す。その言葉はときに赤裸々で痛々しくもあるが、同時に人懐っこいユーモアにあふれ、それに触れた人の心をむき出しにしてしまう生命力にあふれている。
 此処ではない「何処か」、今の私ではない「私」、誰も見たことのない「真実」に到達したいと願うことは、神の領域に踏み込むことなのかもしれない。これは、神様になろうとした女の子の罪と赦しの物語(グレート・ジャーニー)。そのB.G.M.がこんなにも美しいことは、私にとって救いであり希望そのものだ。 /井口啓子(ライター、Super!)
 韓国インディー・シーンきっての才女、イ・ラン。型破りの才能の片鱗を窺わせたファースト・アルバム『ヨンヨンスン』、自由奔放に自身の歌世界を展開してみせたニュー・アルバム『神様ごっこ』。微笑とため息と独り言が混ざり合ったような歌の数々にひとたび触れれば、異才たちが集う韓国インディー・シーンにおいて彼女がなぜ「特別」な存在であり続けてきたか分かるはず。やさしくて、飾りっ気がなくて、少しだけ怖さを感じさせる歌だと思う。 /大石始(ライター)
 クールでユーモアのある女の子。先に彼女のイラストやコミックを知った私が初めて(映像でなく)ライブを見たのは桜台pool、ジンスタギャザリングの日でした。「良い知らせ 悪い知らせ」を日本語の歌詞で唄い、それを聞いた私は、カート・ヴォネガットが大好きということもあるかもしれないけれど、この場にいて幸せ!と思いました。イ・ランの唄っていること、書いていること、その言葉はいい、ほんとうにいい、と思います。 /大林えり子(ブックギャラリーポポタム
 現実と想像のあいだを、声とギターが揺れ動く。韓国にもモルディ・ピーチズやミランダ・ジュライに通じる感性の持ち主がいることを、『ヨンヨンスン』は教えてくれた。そして、『神様ごっこ』は、映画よりも映画的で、小説よりも物語的で、ユーモアと感傷に満ちた一枚だ。以前よりもクラシカルになった演奏に乗せて、イ・ランは葛藤を歌にしながら、ハハハ、ヒヒヒと、ひねくれた笑みをやさしく浮かべている。わかりやすさを求める世の中にそっぽを向けて、こんなアルバムを待ち望んでいた方も少なくないはずだ。 /小熊俊哉Mikiki
 ソウルで、東京で、会って遊ぶといつもとてもよいフィーリングをくれる。ランちゃんが放ってる熱や光にはなんだか頼もしい気分にさせてもらえる。心から正直な彼女のことばには人を引っ張る力がある。しなやかで強い人。また遊ぼう。 /北里彰久(Alfred Beach Sandal
 生き方自体が類稀なる才能。勤勉さを持ってして聡明。子ども顔負けの純粋さ。どこまでも広がる自由。大人になると、みんな蓋をしてしまうことにも、イ・ランは勇敢に開けたまんまです。イ・ランの世界の見方や、歌と曲が、儚くも美し過ぎます。触れると「はっ」となり、生きるアイデアとなります。 /黒岡まさひろホライズン山下宅配便
 気取らない、自然体の彼女が好きだ。テクノロジーが発達し、音楽の聴き方も多様化しながら、私たちはきっと口ずさめるシンプルなメロディーを求めている。好きな人に想いを馳せながら窓の外を眺める、電車の中で文庫本を読んでいるときにふと思いがけない風景に心奪われる、眠りにつく瞬間ふと幼い頃の母との記憶が頭に浮かぶ、そんなシチュエーションのときにブランケットのような柔らかさを持ったイ・ランさんの歌があれば完璧だと思う。私はそれに包まって、心の平穏を取り戻していく。 /多屋澄礼(Violet And Claire
 美しすぎて言葉を失う。前作ヨンヨンスン以上の傑作!  /チャーミー(Transceiver Records
 個人的にミュージシャンのお手伝いで、彼らのライブについてまわったことがある。主にライブ会場に行ってリハーサルを一緒に進め、ライブが無事に進行するのを見届けて家に帰るのだ。そうやって一緒に仕事をしてきたイ・ランのセカンド・アルバムを聴きながら、こんな考えが頭に浮かんだ。シンガー・ソングライターが自分の歌を何度も繰り返し歌うとき、どんな気持ちで歌うのだろう? ずっと同じ気持ちのまま歌い続けるのだろうか、それとも最初の気持ちを忘れてしまうのだろうか、あるいは、よりよい気持ちで歌えるようになるのだろうか? 自分のことを歌ってきたイ・ランの場合は、3番目の場合が多いだろうと思った。どんな選択においても明らかに引き返すことのできない道があるがゆえに、イ・ランのセカンド・アルバムは『ヨンヨンスン』と同じであるはずがないだろう。あなたもそう感じるだろうが、イ・ランのセカンド・アルバムには前作とは明らかに違う話が収められている。明るい作品とは決して言えないが、折に触れて覗き込んでしまうほかないこのアルバムを聴いていると、曲を書いて歌うイ・ランの(カバー写真にもある)いまの姿を眺めているようだ。いろんな面で不思議なアルバムだ。 /パク・ダハム(ヘリコプター・レコーズ
 今から数か月前のこと、いつも遊んでいる友達夫婦と元バンド・メイトのなみちゃんとソウルに久しぶりに遊びに行った。その時にしばらく会う機会がなかったランちゃんと久しぶりに会って、お互い会わなかった間の話、今の話を短い時間に語りあった。会わなかっただけで同じボートに乗っていたんだね、という感覚と確信が押し寄せてきて、とても懐かしく、何が起こっていても、今の彼女が高速スピードで輝きを増していることを嬉しく思った。
 『神様ごっこ』を聞いて、エッセイも読んで、彼女の作品を通して自分自身をもう一度見つめる時間を持てた。自分の中にも驚くほど同じような問題や喜び、恐れなどを見出して、頭の中が整理されていくようだった。個人的にもとても大切な作品に出会えたことを嬉しく思いながら、ランちゃんの進化しつつ相変わらずまっすぐな歌がより深い深いところに届いて、これが人生の深みなのかなと思っています。『ヨンヨンスン』を再び日本盤として聞けるのも嬉しい! また日本でライブが見れる日も近いかな? そのとき、きっと私はまた笑顔に涙を浮かべるでしょう。 /藤沢千史

2016/09/09

イ・ラン『ヨンヨンスン』『神様ごっこ』の特典と取扱店につきまして


 『ヨンヨンスン』と『神様ごっこ』、イ・ランのアルバム2タイトルのリリースまで1週間となりました。楽しみにされている方も多いようで本当にありがたく思っています。スウィート・ドリームス・プレス編集部も先々週あたりから毎日のように何かの入稿やその完成品の到着が続き、組み立て作業に大わらわ。今のところ大きな問題もなく良い仕上がりの2枚となりそうですので、どうぞ実物をお楽しみに。ただ、特に『神様ごっこ』につきましては手作業での組み立てで仕上がりがすべて均一とはいかないかもしれません。あしからずご容赦いただけると幸いです。

 その代わりというわけではありませんが、今回はいろいろと特典をつくってみました。まず、ファースト・アルバムの『ヨンヨンスン』にはイ・ランの描き下ろしのイラストを使った「イ・ランとジュンイチのラッキー・シール」を。

ジュンイチはもちろんイ・ランの愛猫のこと。
A6サイズのシートに5つのシールがレイアウトされています。

 そして、新作『神様ごっこ』にはイ・ランについてのあれこれ満載の小冊子『イ・ランのこと』をおつけします。特別寄稿に九龍ジョーさんと野中モモさん。映像やコミックを含めたレビュー・ページには村尾泰郎さん、路地と人原田淳子さん、『おならzine』制作で知られる「=3=3=3(プププ)」の中村友紀さん。さらに総勢10名から寄せられたさまざまなコメントに新旧2本のインタビュー、イ・ランの未発表秘蔵写真も多数掲載しています。というわけで、気づけば28ページのボリュームに。まったく採算に合いませんが(笑)、どうぞ酔狂と笑って読んでみてください。どちらも数は多くありません。在庫あるうちにどうぞ。

『神様ごっこ』の封入ブックレットと同じB6サイズなので、
この冊子も一緒にフォルダーに収納できます。

また、さらにスウィート・ドリームス・プレス・ストアと、イ・ランが日本のホームベースと慕う東京・新宿のイレギュラー・リズム・アサイラムでお買い上げの方には特製CD-Rもプレゼントします。こちらの収録曲はホライズン山下宅配便黒岡まさひろAlfred Beach Sandalも参加した「I Saizeriya U」、上記イレギュラー・リズム・アサイラムの開店10周年を祝してイ・ランが贈った「IRA」の2曲に、イ・ランが活動をはじめてまだ初期の宅録曲を3曲(2006年お「Junichi」、2008年の「Winter Bird」、2009年の「0」)、以上の計5曲を収録しています。一部、録音状態が悪く聞き苦しい部分もありますが、それもまたご愛嬌。また、数に限りがありますので、先着での配布(お一人様1枚ずつ)となります。どうぞご了承ください。

シンプルなものですが、こんなジャケットもつくってみました。
もちろんイラストはイ・ランによるものです。

 なお、「イ・ランとジュンイチのラッキー・シール」と『イ・ランのこと』は下記の初回出荷店での配布となります。引き続きご注文を募っていますので、新規取扱店が増えましたらその都度追記していきますね。

 また、以前こちらでご報告しましたようにスウィート・ドリームス・プレスはアマゾンでの取り扱いを中止しておりましたが、アマゾンのマーケット・プレイスを販売プラットフォームのひとつとして使用されているお店も多く、どうしてもこちらの感知せぬうちに商品ページが作成されてしまうこと(つまり、こちらから流さなくてもスウィート・ドリームス・プレスの商品をアマゾンで購入できることが多々あるのです)や、利用される方それぞれの地理的な理由や生活の要請もあることを再考し、取り扱いを再開することにしました。

 とはいえ、一票を投じるようにお好きなお店でご購入いただけたら、という考えは変わりません。今後も流通経路については状況を見ながら試行錯誤していくことと思いますので、ご不便をおかけしますが、どうぞよろしくお願いします。なお、アマゾンでご購入の方には上記特典をおつけすることができませんので、あらかじめご了承ください。

イ・ラン『ヨンヨンスン』『神様ごっこ』特典配布店リスト

スウィート・ドリームス・プレス・ストア(オンライン)*『ヨンヨンスン』特典「イ・ランとジュンイチのラッキー・シール」の配布は終了しました(9月25日)*『神様ごっこ』特典冊子「イ・ランのこと」の配布は終了しました(9月17日)*特性CD-Rの配布は終了しましたLilmag(オンライン)|レコンキスタ(オンライン)|珍庫唄片(オンライン他)|classics records(オンライン)|ブリッジWEB通販(オンライン)|興文堂書店(栃木・鹿沼)|monsoon donuts(群馬・前橋)|Bushbash(東京・小岩)|ブックギャラリー・ポポタム(東京・目白)|イレギュラー・リズム・アサイラム(東京・新宿)|FALL(東京・西荻窪)|LIKE A FOOL RECORDS(東京・新代田)|more records(さいたま)|MARKING RECORDS(松本)|林ショップ(富山)|オヨヨ書林(金沢)|TOKLAS(福井・敦賀)|sone records(浜松)|FILE-UNDER RECORDS(名古屋)|ON READING(名古屋)|誠光社(京都)|喫茶ゆすらご(京都)|JEUGIA Basic.(京都)|アオツキ書房(大阪)|LVDB BOOKS(大阪)|HOPKEN(大阪)|gallery yolcha(大阪)|AGIT for HAIR(神戸)|space eauuu(神戸)|ボルゾイ・レコード(鳥取)|タワーレコード新宿店タワーレコード渋谷店タワーレコード横浜ビブレ店タワーレコード池袋店タワーレコード京都店タワーレコード梅田マルビル店タワーレコード梅田NU茶屋町店HMV & BOOKS TOKYO(東京・渋谷)|HMV立川(東京・立川)|ディスクユニオン各店(取扱店については事前にお問い合わせください)

2016/09/08

今月のショーケース:FALL


 西荻窪のFALLで、昨年と同じくこの初秋の時期に2回目の「今月のショーケース」をやらせていただくことになりました。前回は在庫があるものを全タイトル展示・販売しましたが、限られたスペースの中ちょっと欲張りすぎたかなという反省を踏まえ、今回は厳選した12タイトルのみの展示・販売です。その代わり、それぞれの作者と作品について他ではあまり書いていないあれこれをポップにまとめて添えてみました。前回同様どの作品も試聴できます。また、サンプル盤につきましては、自由にジャケットを広げたり、ブックレットのページをめくってみてください。

 来週にはイ・ランの新作アルバム2タイトルも加わる予定です。また、9月21日からは展示している12タイトルの半分を入れ替えようと思います。前半はどちらかというと身の回りの人たちの邦楽作品が中心で、後半は海外の人たちの作品や海外の人と日本の人との共作が中心になります。もちろん2016年に入ってからリリースしている比較的新しい作品につきましては会期を通して展示します。ぜひ実物を手にとってみてください。

今月のショーケース
会期 9月7日(水)〜10月2日(日)
東京・西荻窪 FALL
東京都杉並区西荻北3-13-15-1F
時間 12:00pm〜8:00pm

http://gallery-fall.tumblr.com/post/150070085152/sweet-dreams-press

2016/08/25

ICHI: Around the Moon Japan Tour 2016


 さて、本年4月にもパートナーのレイチェル・ダッド、さらにコラ奏者のウィル・ニューサムとの三頭ツアーを敢行し日本全国を渡り歩いたICHIが急遽単身来日、秋深いジャパン・ツアーをすることが決定しました。題して「アラウンド・ザ・ムーン」ジャパン・ツアー。現在のところアナウンスされているのは下記公演ですが、今までのことを考えるとそこはICHIくんのこと(西日本の公演については、もちろんブッキングはカウアンドマウスさんです)ここからまたさらに公演数が増えたり増えなかったりしそうです。

 というわけで日々の変動にどうぞご注意ください。いつの間にかあなたの街のどこか楽し気な場所で竹馬に乗ったICHIくんが登場しないとも限りません。心優しい旅人です。どうぞ通報などしないよう拍手喝采で迎えましょう。それではICHIの「月の周りで」ツアー、最後まで360度たっぷりとお楽しみください。


OTONOTANI 2016
10月1日(土)岐阜 岐阜県揖斐高原貝月スキーリゾート
岐阜県揖斐郡揖斐川町日坂1509-15
出演:ICHI、溺れたエビ!CRUNCHDOIMOIトクマルシューゴHei TanakaNICE VIEW、Maher Shalal Hash Baz、呂布カルマ
開場 10:00am
料金 5,000円(一日券前売)/6,000円(一日券当日)*このほか2日通し券、バンガロー付き2日通し券などもあり
問い合わせ:OTONOTANI 2016

10月4日(火)高知・香美 ももくり館
高知県香美市土佐山田町1588-1
出演:ICHI
開場 6:00pm/開演 7:30pm
料金 2,500円(予約)/3,000円(当日)*ドリンク代別、小学生以下無料
予約:巡舎 meguriyameguriya2015@gmail.com)、ハルモニアcowandmouse1110@gmail.com|080-3136-2673)
協力:巡舎 meguriya

10月5日(水)松山 ミロコカフェ
愛媛県松山市湊町3-1-1-2F
出演:ICHI
開場 7:00pm/開演 8:00pm
料金 2,500円(予約)/3,000円(当日)*ドリンク代別、小学生以下無料
予約:ミロコカフェ(070-5350-5365)、ハルモニアcowandmouse1110@gmail.com|080-3136-2673)
協力:音ノ晴レ文ミ

10月7日(金)松江 BOKUDAMI
島根県松江市上乃木4-8-18
出演:ICHI
開場 7:00pm/開演 8:00pm
料金 2,500円(予約)/3,000円(当日)*ドリンク代別、小学生以下無料
予約:しょうが女子会syouga.joshikai@gmail.com|090-7504-3426)
協力:しょうが女子会Cafe Bar E.A.D

10月8日(土)広島 LOG
広島県広島市中区土橋町6-17-2F
出演:ICHI
開場 6:30pm/開演 7:30pm
料金 2,500円(予約)/3,000円(当日)*ドリンク代別、小学生以下無料
予約:アスメモasumemoao-info@yahoo.co.jp|082-533-6498)
協力:アスメモ

10月9日(日)三重・四日市 radi cafe apartment(059-352-4680)
三重県四日市市諏訪栄町1-6
出演:ICHI
開場 7:00pm/開演 7:30pm
料金 2,500円(予約)/3,000円(当日)*ドリンク代別、小学生以下無料
予約:会場(locci@radicafe.com *HPに予約フォームあり|059-352-4680)

10月14日(金)大阪 SIO Gallery
大阪府大阪市中央区南船場1-3-26
出演:ICHI
開場 7:00pm/開演 8:00pm
料金 2,500円(予約)/3,000円(当日)*ドリンク代別、小学生以下無料
予約:会場(space.siosiosio@gmail.com|080-3847-0814)、ハルモニアcowandmouse1110@gmail.com|080-3136-2673)
協力:SIO Gallery

10月18日(火)長崎 Public Rebel Store
長崎県長崎市中園町7-10-1F
出演:ICHI
開場 7:30pm/開演 8:00pm
料金 2,500円(予約)/3,000円(当日)*ドリンク代別、小学生以下無料
予約:会場(puka_puka483@yahoo.co.jp|095-849-2158)

10月19日(水)佐賀 CIEMA
佐賀市松原2-14-16 セントラルプラザ3F
出演:ICHI
開場 7:00pm/開演 8:00pm
料金 2,500円(予約)3,000円(当日)*ドリンク代別、小学生以下無料、学生料金は共に500円オフ(学生証を受付でご提示ください)
予約:会場(0952-27-5116)、routes(0952-37-5883)、Clip!SAGAticket@clip-magazine.com
協力:LONG SIX BRIDGE

10月20日(木)熊本 はけみや保育園
熊本市北区高平3-35-28
出演:ICHI
開場 9:30am/開演 10:00am
料金 無料
問い合わせ:会場(096-344-7281)
協力:LONG SIX BRIDGE

10月20日(木)熊本 cafe viale
熊本市東区江津1-1-12
出演:ICHI
開場 7:00pm/開演 8:00pm
料金 2,500円(予約)/3,000円(当日)*ドリンク代別、小学生以下無料
予約:会場(096-362-3751)、LONG SIX BRIDGE(予約フォーム)、TSUTAYA書店熊本三年坂チケットカウンター
協力:LONG SIX BRIDGE

10月21日(金)福岡 スピタルハコザキ
福岡県福岡市東区箱崎1-32-31
出演:ICHI
開場 8:00pm/開演 8:30pm
料金 2,500円(前売)/3,000円(当日)*ドリンク代別、小学生以下無料
予約:会場(yoyaku@spital.jp|092-409-8500)


ICHI(イチ):英ブリストル在住の発明音楽家。木琴、鉄琴、トランペット、アコーディオン、コントラバス、メロディカ、タップシューズ、風船、タイプライター、自作楽器などを自在に操り、その奇想天外でユーモラスなライブ・パフォーマンスは世界中で喝采を浴びている。最新アルバムは2015年にリリースしたサード・アルバム『maru』。NHKで放送中のアニメーション『おんがく世界りょこう』の主演キャラクター「イチくん」のモデルでもあり、同番組に楽曲提供もしている。

2016/08/21

Bonnie 'Prince' Billy & Bitchin Bajas Japan Tour 2016


 今から12年前、2004年に日本にやってきたボニー・プリンス・ビリーはツアーになるとヨレヨレのデニムのオーバーオールを身にまとい、ステージ前には頬にチークを入れてピッチフォーク持ったヒルビリーへと見事な変形を遂げた。部屋着にはとある商店街で購入した遠赤外線のあったか下着で全身ボディコンシャス、その作品量の多さに驚くインタビュアーには「だってそれが俺の仕事だから」と何食わぬ顔、そして、ツアーに関わる誰もが損をすることのないように気を配る心やさしい一面も。

 さて、レディース&ジェントルメン、ケンタッキー州ルイヴィルが生んだ当代きっての変わり者にしてアメリカ随一のシンガー・ソングライター、ウィル・オールダムの再来日がようやく、ようやく決定しました。しかも、今回は特別に新作アルバムのコラボレーター、シカゴの新鋭サイケデリック/アンビエント/スペース・ロック/ドローン/ニューエイジ・トリオとして大きな注目を集めるビッチン・バハスの3人組を従えて、メスメライズで明度の高い、とろけるようなライブ・パフォーマンスを披露する予定です。それぞれのソロ・セットあり、はたまた両者のロングセット一発勝負もあり、5晩5様の双頭ツアーにどうぞご期待ください。

 ボニー・プリンス・ビリーとビッチン・バハス、BPBとBBのビッグでベストなジャパン・ツアーがスタートします!


Bonnie 'Prince' Billy & Bitchin Bajas Japan Tour 2016
ボニー・プリンス・ビリー&ビッチン・バハス ジャパン・ツアー2016

10月26日(水)京都 アバンギルド(075-212-1125)
京都府京都市中京区木屋町三条下ル ニュー京都ビル3階
出演:ボニー・プリンス・ビリー、ビッチン・バハス、風の又サニー
開場 6:30pm/開演 7:30pm
料金 4,500円(予約)/5,000円(当日)*ドリンク代別
予約:会場詳細ページ

10月27日(木)金沢 アートグミ(076-225-7780)
石川県金沢市青草町88 北國銀行武蔵ヶ辻支店3階
出演:ボニー・プリンス・ビリー&ビッチン・バハス、ASUNA quintet(ASUNA+宇津弘基+黒田誠二郎+ショーキー+加藤りま
開場 7:00pm/開演 7:30pm
料金 3,500円(予約)/4,000円(当日)/2,500円(学割)
*学割:学生証など証明となるものをご持参ください。

10月28日(金)名古屋 KDハポン(052-251-1324)
愛知県名古屋市中区千代田5-12-7
出演:ボニー・プリンス・ビリー、ビッチン・バハス、Gofishトリオテライショウタ+黒田誠二郎+稲田誠
開場 6:30pm/開演 7:00pm
料金 4,500円(予約)/5,000円(当日)/3,500円(学割)*ドリンク代別
*学割:学生証など証明となるものをご持参ください。
予約:会場詳細ページ

10月29日(土)東京 O-Nest(03-3462-4420)
東京都渋谷区円山町2-3 O-Westビル6階
出演:ボニー・プリンス・ビリー、ビッチン・バハス、井手健介と母船墓場戯太郎清岡秀哉石坂智子+山本紗織+羽賀和貴岸田佳也
開場 6:30pm/開演 7:00pm
料金 5,000円(予約)/5,500円(当日)*ドリンク代別
チケット:会場チケットぴあ(Pコード:307-809)、ローチケHMV(Lコード:77670)、e+

10月30日(日)東京 7th FLOOR(03-3462-4466)
東京都渋谷区円山町2-3 O-Westビル7階
出演:ボニー・プリンス・ビリー&ビッチン・バハス with 馬頭將器The Silence / ex: Ghost)、ダスティン・ウォング
開場 6:30pm/開演 7:00pm
料金 5,000円(予約)/5,500円(当日)*ドリンク代別
チケット:予定枚数が終了しましたので、予約受付を終了いたしました。当日券の有無につきましては、公演当日、会場に直接お問い合わせください。

企画・制作:スウィート・ドリームス・プレス
招聘:OURWORKS 合同会社



ボニー・プリンス・ビリー(Bonnie 'Prince' Billy):1993年にパレス・ブラザーズ名義のシングル「Ohio River Boat Song」(ドラッグ・シティ)でデビューした米ケンタッキー州ルイヴィル出身のシンガー・ソングライター。パレス・ブラザーズ、パレス・ソングス、パレス、パレス・ミュージック、本名のウィル・オールダムと作品ごとに名義を使い分けてどこかミステリアスな存在として登場したが、1998年からはボニー・プリンス・ビリーとしてネーミングを(ほぼ)統一、これまでに編集盤/共作盤を含めて30枚以上のアルバムをリリースしている。ビョークの全米ツアーのオープニングに起用され、ジョニー・キャッシュやマリアンヌ・フェイスフルら彼の曲をカバーする者、ボビー・ギレスピー(プライマル・スクリーム)、スチュワート・ブレイスウェイト(モグワイ)など彼に賞賛を送る者は枚挙にいとまがない。今やアメリカを代表するアーティストのひとりである。
 また、十代より俳優としても活動し、ジョン・セイルズの『メイトワン1920』(1987年)等に出演、ケリー・ライヒャルトの『Old Joy』(2006年)では主役を演じ、カニエ・ウエストのビデオ・クリップ「Can’t Tell Me Nothing」にも客演している。 最新アルバムはシカゴの3人組ビッチン・バハスとの共作盤『Epic Jammers and Fortunate Little Ditties』(ドラッグ・シティ/ディスクユニオン)、2016年10月に12年ぶりに来日する。


ビッチン・バハス(Bitchin Bajas): 2006年からシカゴで活動を始めたクラウト・ロック/サイケデリック・バンド、ケイヴのギター奏者、クーパー・クレインのソロ・プロジェクトとして2010年にスタートしたアンビエント/スペース・ロック・ユニット。その後、マージャン(Mahjongg)のダン・クイリヴァンと同じくケイヴからロブ・フライが参加してトリオ編成に。2013年のアルバム『Bitchitronics』からドラッグ・シティに移り、ナチュラル・インフォメーション・ソサエティとの『Automaginary』や、映像作家オリヴィア・ワイアットとの『Sailing a Sinking Sea』、ボニー・プリンス・ビリーとの『Epic Jammers and Fortunate Little Ditties』含め、計5枚のアルバムをリリースしている。

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2016/07/27

ハングルの『神様ごっこ』


 まだまだイ・ランについてのエントリーが続きます。どうぞおつき合いください。

 さて、7月に地元・韓国でリリースされた彼女のセカンド・アルバム『神様ごっこ』ですが、なんと発売から数週間でレーベル在庫が底を尽きたという嬉しいニュースが入りました。前作『ヨンヨンスン』も2,000枚以上のセールスを記録したようですから、となると今回の初回1,000部は在庫切れで当然なのかもしれません。でも、人口も(韓国の人口は約5千万人、日本の半分以下です)、そして自ずと音楽マーケットの大きさも日本とは格段に異なる隣国でそれだけ広く深い支持をイ・ランが受けていることは、とても頼もしく励まされる気持ちがしています。

 特に今回、読む者/聴く者を魅了した驚くべきは彼女の言葉の力だったに違いありません。韓国版で90ページを超える『神様ごっこ』のエッセイは、あいだに収録曲10曲の歌詞を織り込みながら、彼女のこれまでの歩みや家族、その人間観や世界観、創作の裏側や死と生への執着等々について深い、かつユーモラスな洞察に満たされます。この数週間、僕自身が何度も何度も何度も何度も原稿を読み返して校正を重ねてきましたが、その度に彼女の機転に救われ続けました。このいわば「小説版イ・ラン」のとんでもない面白さ、ぜひご期待いただければと心から願っています。

 と、ここで『神様ごっこ』の内容の一端を覗いてもらうために、カーリー・ソル頼もしいラフくんことキム・ハンソル氏に協力していただきながら、韓国版のプレスリリースを訳出してみました。エッセイからの抜粋も下に添えてありますので、どうぞ読んでみてください。なお、この韓国版プレスリリースは、どちらかというと『神様ごっこ』のシリアスな面、ペシミスティックな面を強く捉えていますが、もちろんそれだけではないことは、またあらためてご紹介できたらと思っています。引き続きどうぞお楽しみに。


 イ・ランはファースト・アルバム『ヨンヨンスン』を出したあと、誰にも予測できないようなレコードをつくろうと考えていた。弘大(ホンデ)に広がっている「ささやかな日常」のアコースティック音楽に反旗を翻し、哲学と死を語るレコードをつくりたかった。軽い時代に最も重いレコードを。なぜなら私たちの生活は重苦しく、死でぎっしりと埋まっているから。


 イ・ランにとってニュー・アルバムとなる『神様ごっこ』は、現在さまざまな分野で活躍中の最高の演奏者を迎え、イ・ランがいちばんくつろげる場所である雨乃日珈琲店でレコーディングされた。楽器を持って店に集まり、営業が終わってから明け方まで録音するのだ。普通のスタジオとは違い、リラックスできるので自然体となり、音響にも雨乃日珈琲店ならではの特性がにじみ出た。ひとりでMacBook を使って録音した『ヨンヨンスン』と違い、『神様ごっこ』はキム・ギョンモのプロデュースの下、最高のクオリティーを目指して制作された。チェロのイ・ヘジ、ドラムスのチョ・インチョル(404)、ベースのイ・デボン(ソリミュージアム)の3人を核として、特に締め切りを設けずに録音が続けられる。完成まで3年もかかったのはそのためだった。

 また、今回のアルバムは書籍の形をとっていて、付属するカードに記載されたパスワードでアルバム(全10 曲)をダウンロードする仕様でCD の発売は予定されていない(注:日本国内盤はCD 仕様)。かように、CD プレイヤーが不要となっている韓国の現状を考慮して、リリース形態も新しい試みとなった。エッセイの中でイ・ランは「死にたい」と口にする人を無視せず、「なぜ死にたいのか」と問うこと、 そして長い対話をする必要があることを書いている。しかし「死にたい」とこぼしてしまった人は覚えているはずだ。そういった話題には往々にして「そんな話はしちゃだめだよ」とか「苦しんでいるのはあなただけじゃない」というような返事が返ってくることを。

 人生を賛美する歌は誰もが好きだが、死についての歌は暗く、消費されてしまう。アイドルは爆発するような美貌とスタイルを誇りながら、輝くものについて歌う。一方、イ・ランは「輝くものは山ほどある/その中で本物を見極めるんだ」と歌うEXO(訳注:韓国と中国で活動する男性アイドル・グループ)の「Call Me Baby」を聴きながら、勇気をふりしぼって「死にたい」という言葉を発した人の長い夜を繰り返す。本当の気持ちを否定されても明日になったらまた偽物の光を輝かせ、生きることがすべてであるかのように賑やかな道へ踏み出していく彼ら。

 「死にたい」と口にするのは必死に生きるためなのに、そういう人に限って死んでいってしまう。死を知らないふりをする人は、あとからやってくる曖昧な罪悪感を忘れようとまた死を無視し続ける。そうやって我々は死んでいき、死についてなんの配慮も準備もないまま、お互いの死を相手にせず死に満ちた人生を生きていくのである。


『神様ごっこ』からの抜粋

 3年前、蘆原(ノウォン)区の小学5年生の子どもたちを対象に、作曲の授業をしたことがある。私の目標は、子どもたちと一緒に童謡をつくることだった。それまで私が考えていた童謡は「明るく朗らかでかわいい」もの。花が咲きトンボが飛び子どもが走りまわるようなものだった。

 でも、いざ授業がはじまってみると、子どもたちが聞かせてくれる話はまったく違うものだった。子どもたちは私に、生きるうえでのつらさや無気力、死について話した。死にたいのは山々だけど、ただ「生きてるから生きるだけ」と話す子どもさえいた。誰もに憎い友達がひとりはいて、したくないことは数え切れないほどあった。持ち物を利用して音を出すワークショップをしたとき、いきなり教科書で机を叩き出した子どもがいた。大きな音を出せば出すほど教科書がぼろぼろになって、その子は大きな喜びを感じているようだった。あとで知ったことだが、それはその子が最も嫌いな先生が教える科目の教科書だったらしい。

 その瞬間、私は悟った。やはり私も小学生のころ、花やトンボのことを考えながら一日を過ごしたわけではなかった。私は下校途中の道に落ちている何かの破片を拾い集めていて、その残りの欠片を持っている誰かが現われて、私をこの乞食みたいな日常から救ってくれることを願っていた。私の部屋の机の上に敷いた薄いガラスには、大人になったら殺したい人の名前が書いてあった。

 結局、私と子どもたちは、嫌いなものや疲労感、そして死についての曲をつくった。

2016/07/22

イ・ラン - 神様ごっこ


アーティスト:イ・ラン(이랑)
タイトル:神様ごっこ(신의 놀이)
カタログ番号:SDCD-031
発売日:2016年9月15日
収録曲数:10曲
パッケージ:縦型特製ボックス/70Pブックレット(歌詞対訳掲載)
ライナーノーツ:成田圭祐(イレギュラー・リズム・アサイラム
定価:¥2,400+税

ご注文はこちらから。


初回出荷分には特典として、イ・ランのあれこれを満載した小冊子『イ・ランのこと』(B6・28ページ)を差し上げます。以上、詳しい内容や配布店につきましてはこちらをご参照ください。

2010年代、韓国ソウルのホンデ(弘大)シーンを象徴するシンガー・ソングライター
読み応えある長編エッセイを付属した日本独自仕様の深く美しい最新セカンド・アルバム。

 MacBook のGarageBand でみずから制作・録音した自作曲をそのまま収録したファースト・アルバム『ヨンヨンスン』で鮮烈なデビューを果たしてから4年、多くのファンが待ちわびたニュー・アルバムは、彼女の抱える葛藤や不安、日々の疑問を綴った長編エッセイと新曲10 曲を組み合わせた「読んで聴く」オーディオブック作品となりました。

 困難な人間関係や家族のこと、大人になる悲しみや仕事、別れや死について……彼女のペンは自身の生活や思考をありのままに描くことに躊躇することなく、それが、ときにあまりにも赤裸々で痛切に感じられもしますが、全体に漂うほろ苦いユーモアとペーソスで読者はまた著者の「生」へと向き合うこととなります。大なり小なり問題を抱える私たちにとって、きっと『神様ごっこ』は発想の転換やそのヒントを手渡してくれる大切な一冊となるでしょう。

 また、ホームレコーディング作品だった『ヨンヨンスン』から一転、今回はチェロ奏者のイ・ヘジ、ドラムスに404(サーコンサー)のチョ・インチョル、 さらにソリミュージアムのイ・デボンやソンキョルのキム・ギョンモら、手練のゲスト演奏家たちを迎え、精緻なアンサンブルに音楽家イ・ランの成長がはっきりと刻まれる力作となりました。

 冒頭の「神様ごっこ」で聴かれるポスト・クラシカル・フォークと言えそうな新機軸や、「悲しく腹が立つ」のようなアトモスフェリックなアンビエント・ポップまで、ぐんと幅と奥行きを広げたイ・ラン第2章をお楽しみください。
【付属長編エッセイより抜粋】
人生のさまざまな要素のうち、私は楽しさを最優先に生きてきた。愛に満ちた人生、幸せな人生がどんなものかはよく分からない。私にとっては、楽しい人生こそが最善の形らしい。でも、楽しい人生とは、いつも笑顔で踊り出さずにいられないようなものではないと思う。むしろ眉をひそめた表情に近いもののような気がしている。例えばこの文章を書いている私の表情みたいなものだ。考えたことを字で書き、また考え、煮詰まったら友達とおしゃべりして、再び考えを整理して書く。この文章の題名を考え、どんな挿絵をつけるか悩む。そうして完璧な1ページをつくり出す気分が「楽しい」のである。考えることが、それを話すことが、歌うことが、そして書くことが楽しいのだ。
イ・ラン(이랑):韓国ソウル生まれのマルチ・アーティスト。シンガー・ソングライター、映像作家、コミック作家と活動は多岐にわたる。2006年、アマチュア増幅器(ヤマガタ・トゥイークスター=ハンバのソロ・プロジェクト)の「金字塔」のカバーから音楽活動をスタート、日記代わりに録りためた自作曲が話題となり、ソモイム・レコーズと契約。2011年9月にシングル「よく知らないくせに」でデビュー。2012年春に初来日ツアーを実現させ、夏にアルバム『ヨンヨンスン』をリリース。韓国インディー・フォーク・シーンとびきりのニュー・タレントとして大きな注目を浴びる。2016年6月にはヘリコプター・レコーズから『新曲の部屋』コンピレーション、続けて4年ぶりとなる2枚目のオリジナル・アルバム『神様ごっこ』をリリースする。

1. 神様ごっこ
2. 家族を探して
3. 物語の中へ
4. 悲しく腹が立つ
5. 笑え、ユーモアに
6. 東京の友達
7. 平凡な人
8. 世界中の人々が私を憎みはじめた 
9. 私はなんで知っているのですか
10. 良い知らせ、悪い知らせ



イ・ラン - ヨンヨンスン


アーティスト:イ・ラン(이랑)
タイトル:ヨンヨンスン(욘욘슨)
カタログ番号:SDCD-030
発売日:2016年9月15日
収録曲数:13曲
パッケージ:A式紙ジャケット(シングル)/20Pブックレット(歌詞対訳掲載)
ライナーノーツ:柴田聡子
定価:¥2,000+税

ご注文はこちらから。


初回出荷分には特典として、上のイ・ランのイラストを使ったステッカー・セット「イ・ランとジュンイチのラッキー・シール」(A6サイズ)を差し上げます。以上、詳しい内容や配布店につきましてはこちらをご参照ください。

2010年代、韓国ソウルのホンデ(弘大)シーンを象徴するシンガー・ソングライター
イ・ランの2012年作ファースト・アルバムが日本独自仕様でついにリリース決定

「イ・ランの感情に直に触れるのは、かなり幸せな時間のひとつです。(中略)光溢るる小部屋の中で、すっごいぷるぷるの球体にちょっと触ってみた感じ。ちょっと触っていいよって許された感じ。」 柴田聡子(ライナーノーツより抜粋)

2010 年代初頭、韓国ソウルの学生街ホンデを中心とする新しい自主独立音楽シーンの活況の中にあっても格別に大きな注目を浴びて登場したマルチ・アーティスト、イ・ランのファースト・アルバム『ヨンヨンスン』の新装パッケージ国内盤。

 GarageBand(Mac に標準装備されている音楽制作ソフト)で自作曲を制作、自身のウェブサイトに公開して話題を呼んだ楽曲を、あえて再録音することなく手づくりほぼそのままの形でパッキングした本作は、2012 年の夏にリリースされるやいなや韓国の有力ポータル・サイト「Daum.net」で「今月のアルバム」に選出され、さらに全国紙『ハンギョレ』の2012 年最優秀新人の第3位にノミネート、その後も『GQ』『NYLON』『Vogue Girl』『Harpers Bazaar』『Cosmopolitan』など数多くのファッション/カルチャー誌に取り上げられて、一躍、韓国インディ・フォーク/インディ・ポップとびきりの一枚として喝采を浴びることとなりました。

 また、奔放で屈託のない彼女のキャラクターとひねくれたユーモアは、柴田聡子王舟Alfred Beach Sandal黒岡まさひろホライズン山下宅配便)、加藤りま……これまでに度々来日して共演した面々はもちろん、時にヤマガタ・トゥイークスターのミステリアスなダンサーのひとりとしてステージやアジテーションに花を添えるなど、日本でも近年の韓国インディ・ファンを中心に早くから話題を呼びます。

 誰もが身に覚えのある感情やありふれた情景を入り口に、より大きな疑問や世界観を伝えられるのは彼女の天賦の才でしょうか。そして、その天才の鮮やかな第一歩はいつまでも輝きを失いません。その証左がこの『ヨンヨンスン』なのです。

イ・ラン(Lang Lee):韓国ソウル生まれのマルチ・アーティスト。シンガー・ソングライター、映像作家、コミック作家と活動は多岐にわたる。2006年、アマチュア増幅器(ヤマガタ・トゥイークスター=ハンバのソロ・プロジェクト)の「金字塔」のカバーから音楽活動をスタート、日記代わりに録りためた自作曲が話題となり、ソモイム・レコーズと契約。2011年9月にシングル「よく知らないくせに」でデビュー。2012年春に初来日ツアーを実現させ、夏にアルバム『ヨンヨンスン』をリリース。韓国インディー・フォーク・シーンとびきりのニュー・タレントとして大きな注目を浴びる。2016年6月にはヘリコプター・レコーズから『新曲の部屋』コンピレーション、続けて4年ぶりとなる2枚目のオリジナル・アルバム『神様ごっこ』をリリースする。

1. よく知らないくせに
2. 君のリズム
3. ハハハ
4. アヒルの足の木
5. 変なできごと
6. ラッキーアパート
7. ピイピイ
8. ヨンヨンスン
9. 食べたい
10. 卒業映画祭
11. 日記
12. プロペラ
13. 緑茶ください



2016/07/15

イ・ランのインタビュー(その1)

2012年の夏にリリースされたファースト・アルバム『ヨンヨンスン』

 韓国のインディー・ミュージックを英語で紹介する初めてのブログ「Indieful Rok」に掲載されていたイ・ランの記事の転載許可がおりたので、こちらで紹介しようと思います。ちょうど『ヨンヨンスン』リリース後すぐのタイミングでのインタビューで、短いものですが要領よく彼女の当時のいろいろな活動や創作態度がまとめられてあります。音楽と絵と映画、それぞれの違いについて唸らされ、また『ヨンヨンスン』リリースの裏側も少し覗くことができるかもしれません。今でもプロ意識が欠けているのは変わらないようですが(笑)、でも、人間関係と死という彼女の2大テーマは、この翌年から録音をはじめるセカンド・アルバム『神様ごっこ』でさらに追求されていくのでした。ともあれ、4年前の夏、若きイ・ランの言葉に耳を傾けてみましょう。

Reprinted with kind permission of the author, Anna from Indieful Rok
http://www.indiefulrok.com/2012/08/mini-interview-with-lang-lee/

2012年8月22日 アナ

イ・ランがソモイム・レコーズと契約したと知って以来、ユアマインド(編注:韓国ソウルのホンデ地区にある自主制作出版を扱う書店兼出版社)のコミックを読むなど(編注:ユアマインドのウェブサイトにイ・ランが寄稿していた連作漫画)、私はずっと彼女のことを追いかけていた。しかし、彼女の新作のニュースはなかなか届かない。ようやくこの夏、韓国で過ごした数週間の間、私はリリースされたばかりの彼女のファースト・アルバムを手に入れることができた。数日後、夫と私は旅行に出かける予定で、その間に聴こうとたくさんのCDを用意していたが、結局私たちは『ヨンヨンスン』ばかり何度も聴くことになった。一度聴いただけでそのアルバムは私のフェイバリットとなり、2度目に聴いたとき夫はこのアルバムはクラシック(名盤)になるだろうと宣言した。イ・ランについて、またアルバムができた背景について知りたくなり、私は質問を用意して彼女にアプローチすると、果たして彼女から、気前よくたっぷりとした答えが返ってきたのだった。

あなたはミュージシャンで、イラストも描いて(映画の)先生もされています。それぞれはご自分の中でどのようにつながっているんですか?
 私は音楽をつくって、イラストも描いています。また、短編映画を撮って最近では教えることもはじめました。最初はドローイングでした。それから曲をつくるようになり、さらに短い映像を撮っているうち、ひょんなことから人に教えるようになりました。
 絵を描くときに使うのは手と頭だけ、それは落ち着いた作業です。私が使うのは主に紙とペンとクレヨンです。コンピュータを使うこともあります。広いスペースは要りません。
 音楽をつくるときに使うのは頭と手と身体です。踊りながらつくることもあります。音楽をつくるにはひと部屋必要です。
 映画をつくるときに必要なのは身体全体と頭です。シナリオが完成したら、作業を進めるためにたくさんの人と会わなければなりません。行動範囲が大きく広がります。
 教えることはそれらとまったく異なっていて、クリエイティブなことでも生産的なことでもありませんが、コミュニティーになにかを「還元する」感覚をもたらしてくれます。
 教えることは別として、私にとってこれらの行為は「世界」をつくるためのものです。イラスト、音楽、映画を通して、私は自分が経験した世界を自分の解釈で再創造しました。本質的にはすべての目標は同じです。それぞれで自分の心をわざわざ分けることはしません。ただ、それぞれの活動をうまくやるために限られた時間を分けることはあります。
 自分の精力をもっとも注ぐのは映画づくりです。映画がいちばんわかりやすく自分が再創造した世界を人に見せられるフォーマットだからです。ほかの観客と隣り合わせに座って結果を楽しめる点も気に入っています。人前で音楽を演奏するとき私が魅了される点のひとつは、自分が観客のひとりとなって自分のライブを経験できないことです。
 絵を描き音楽をつくってきたことは、映画をつくる際にも大切な経験となりました。プリプロダクション、アートワークやストーリーボード、正しいアングル、正しい音響と色調、素敵なグラフィックをつくるとき、絵や音楽の経験は大いに役立ちます。それに自分の曲を自分の映画に使うこともできます。
 でも、すぐに気持ちを楽にしてくれたのは作曲でした。これら3つの活動のひとつをあきらめなければならなくなったら、まず絵をやめるでしょうね。手首に悪いので。

あなたの歌詞にはエキセントリックなところがありますね。ああいうインスピレーションはどこから湧き上がるんですか?
 夜、眠れないとき、私はベッドに寝転んで自分に話しかけます。ギターを手にとって、自分と話しながら適当なコードを鳴らします。何度も繰り返していると曲になり、散り散りの言葉が詩になります。
 多分、自分の人生にとっていちばん重要なテーマのふたつは人間関係と死です。どうしてうまく人間関係を築けないのか? 私はいつ死んでしまうのか? 答えが見つからないふたつの疑問です。特定の友達について考える曲もあります。本から得たインスピレーションをもとにした曲もあります。「ハハハ」はカート・ヴォネガットの『猫のゆりかご』から、「ヨンヨンスン」は同じヴォネガットの『スローターハウス5』にインスパイアされました。

アルバム『ヨンヨンスン』制作の苦労について教えてもらえますか?
 私が音楽をつくるのは自分の精神的な難しさを和らげるためでした。だから音楽を仕事と感じたことはありませんし、仕事として考えたこともありません。
 私が曲を録音し始めたのは、自分がつくった曲を忘れないようにするためで、自分以外の幅広い人に聞かれることになるとは予想もしていませんでした。2008年以来ずっと同じ方法で録音しているのもそういうことです。
 私は2006年製のMacBookを使っていて、そのPCには内蔵マイクとGarageBand(編注:簡易な音楽制作ソフトウェア)がついていました。他の録音方法は何も知りません。ソモイム・レコーズとの初めてのミーティングで、彼らはこの録音方法のせいで私の音楽がオリジナルなものになったんだろうと思ったようです。だから彼らは新しくきれいに録り直すことを許してくれませんでした。
 正直、私には未だにプロ意識がありません。たぶん将来的にこれが障害になるでしょう。『ヨンヨンスン』をリリースしてから少しプレッシャーを感じるようになりました。最低限の練習もしていないし、何をするべきか考え込むようになりました。そして、そうやって考えること自体がストレスになってしまいました。

『ヨンヨンスン』の収録曲は新しいものでも2年前には書かれたものですが、今後のリリース予定はありますか?
 2008年から私は20曲ほどつくりました。ソモイム・レコーズの(キム・)ギョンモに曲を選んでもらって『ヨンヨンスン』ができました。曲順も彼が決めました。彼には厳格なルールがあって、全部が違う感じの曲なのもそのせいでしょう。また、最近録音した曲はこのアルバムには入っていません。彼はきっと初期の曲をまとめたかったのだろうと思います。アルバムに入りそうだなと思った最近の曲もありましたが、結局、採用されませんでした。
 私たちはまだ次のアルバムのことは話し合っていません。これからどうなるのかもわかりません。『ヨンヨンスン』に入っていなくてもライブで歌っている曲もあるし、いつか出したい曲もあります。どうにかして出せればよいのですが。
 さっき伝えたような方法で、私はまだ曲をつくっています。歳をとるにつれて歌詞も悲しいものが増えてきました。だから「緑茶ください」のようなウキウキした曲はもうつくれないのではないかと心配しています。